ホームページのリニューアルは本当に必要?費用をかける前の判断チェック

ホームページに古さや使いにくさを感じると、「そろそろ全部作り直した方がよいのかな」と迷いますよね。
制作会社からリニューアルを提案されたものの、今すぐ費用をかけるべきか判断できない方もいるかもしれません。
ただ、見た目への不満だけで全面リニューアルを決めてしまうと、今も役立っているページまで消えてしまうことがあります。
公開したあとの更新が続かず、また情報が古くなっていくこともあります。
反対に、今の事業内容とサイトの作りが大きくずれている場合は、部分修正を繰り返すより、全体を見直した方が整理しやすくなります。
大切なのは、作り直すこと自体を目的にしないことです。
この記事では、現在のサイトで残すものと直すものを分け、リニューアルが本当に必要か判断する順番を説明します。
先に決めるのは、作り直すかどうかではありません。
まずは「何に困っていて、どう変わればよいか」を整理しましょう。
そこがはっきりすると、どこまで直せばよいのかが見えてきます。
1. リニューアルで何を変えたいか

まず、リニューアル後に実現したいことを、できるだけ具体的に書き出してみましょう。
「古いから新しくしたい」だけでは、どこまで直せば目的を果たせるのか判断できないからです。
同じリニューアルでも、目的によって必要な作業は次のように変わります。
- 事業内容を正しく伝えたい
サービス、対象者、対応範囲、料金などを今の提供内容どおりに書き直す - 問い合わせまで分かりやすくしたい
ページ構成、説明、ボタン、フォームまでの流れを見直す - 採用情報を充実させたい
仕事内容、働く環境、選考の流れ、応募方法を整理する - 自社で更新したい
管理画面、更新する項目、担当者、手順を決める - ブランドの印象をそろえたい
色、写真、言葉、デザインの方向性を今の事業に合わせる - 商品やサービスの変更へ対応したい
ページの追加や整理をしやすい作りへ見直す
目的は、一つに絞れなくても問題ありません。
ただし、「最優先の目的」と「できれば改善したいこと」は分けておきましょう。
優先順位を決めないまま制作会社へ相談すると、本当に必要な改修より、見た目が華やかなデザイン案へ話が寄ってしまいます。
目的を整理するときは、今困っている場面も一緒に書き出してみましょう。
たとえば「問い合わせを増やしたい」だけで終わらせないのがコツです。
「サービスの違いが伝わらず、相談前に同じ質問を何度も受けている」のように、今起きていることまで書き添えておきましょう。
問い合わせ数や検索順位などの成果は、リニューアルだけで決まるものではありません。
成果は、サイトへの訪問状況、サービスの内容、競合の状況、公開後の運用や改善にも左右されるからです。
「制作会社へ頼めば問い合わせが増える」とは考えないようにしてください。
まずは、「誰に、何を伝え、どの行動へ進んでもらいたいか」を一文で書いてみましょう!
2. 現在のサイトで役立っている部分を残す

リニューアルでは、今のサイトをすべて捨てる必要はありません。
役立っている部分を確認してから、新しいサイトの設計に入りましょう。
古く見えるサイトにも、利用者がよく読んでいるページや、問い合わせの前に目を通している説明が残っています。
まず、今あるページを一覧に書き出し、次の手がかりと照らし合わせてみましょう。
- アクセス解析(訪問数や閲覧ページなどを確認する仕組み)でよく読まれているページ
- Google Search Console(Google検索での表示や訪問状況を確認するツール)で、検索からの訪問があると分かるページ
- 問い合わせや商談で案内しているページ
- 他のサイト、SNS、広告、印刷物からリンクされているURL
- 利用者から分かりやすいと言われた説明や事例
- 利用者が今も使っているフォーム、予約、検索などの機能
検索からの訪問があるページは、Google Search Console(search.google.com/search-console)を開き、左のメニューから「検索パフォーマンス」を選ぶと調べられます。
グラフの下にある「ページ」のタブへ切り替えると、検索結果に表示された回数やクリック数を、ページごとに一覧で確認できます。
Search Consoleの画面は、時期によって表示が異なる場合があります。
ただし、アクセス数が少ないページでも、会社情報や問い合わせ完了ページのように、なくすと困るものがあります。
アクセス数だけで残すかどうかを決めず、利用者がたどる流れと、事業で果たしている役割もあわせて見てください。
一覧にしたページは、次の表のように分けると整理しやすくなります。
分類 | 見分ける目安 |
|---|---|
残す | 内容と役割が今も合っていて、実際に読まれている |
改善する | 役割は今も必要だが、情報や見せ方が古い |
統合する | 似た内容が複数のページへ分かれている |
終了する | サービス終了などで役割がなくなり、代わりの案内も要らない |
残すと決めたページは、文章をそのまま新しいサイトへ移すだけで終わらせないでください。
書かれている情報が今も正しいかを確認しましょう。
古い料金、終了したサービス、以前の担当者、今の様子と合わない写真は、よく読まれているページでも直す必要があります。
URLも、ページの内容と役割が変わらないなら、できるだけそのまま残せないか検討しましょう。
URLを変えると、ブックマークや外部サイトのリンクから来た人が、目的のページへたどり着けなくなります。
変更が必要な場合は、旧URLと新URLの対応表を作り、リダイレクト(古いURLから新しいURLへ自動転送する設定)の計画を用意しましょう。
Googleもサイト移転に関する公式資料で、先にURLの対応表を用意し、旧URLから新URLへ転送する手順を案内しています。
ただし、リダイレクトを設定すれば検索結果の状態が必ず保たれる、というわけではありません。
公開前には、URLの対応表、内部リンク、サイトマップ(検索エンジンへ主なURLを伝えるファイル)、計測の設定まで確認しましょう。
公開後は、Search Consoleの画面上部にあるURL検査の入力欄へ、旧URLと新URLを一つずつ貼り付けて、それぞれがどう扱われているかを見ていきましょう。
残す対象は、デザインだけではありません。実際に読まれている内容、URL、機能、計測データ、管理権限も、リニューアル前に確認したい大切な資産です。
3. 部分修正では解決できないか

困っている場所が限られているなら、全面リニューアルの前に部分修正を検討しましょう。
今のページ構成や更新方法が事業に合っているなら、必要な場所だけ直す方が早く目的に近づけます。
部分修正で対応しやすい例はこちらです。
- 会社情報、料金、サービス説明を今の内容へ更新する
- 写真や事例を新しくする
- 読みにくい文章や長い段落を整理する
- 問い合わせボタンの位置や言葉を見直す
- フォームの項目数や案内を調整する
- 文字サイズ、余白、色、画像の見せ方を整える
- 一部のページで起きているスマートフォン表示の崩れを直す
一方、部分修正を重ねるほど管理が複雑になっていく場合は、全体を見直す方が結局は早く済みます。
たとえば、今の事業内容とページ構成が大きくずれている場合です。
管理画面から必要な更新ができない場合や、その場しのぎの修正を何度も継ぎ足してきた場合も当てはまります。
判断するときは、問題の数だけでなく、その問題がどこまで影響するかを見てみましょう。
直す範囲がトップページの一部だけなら、部分修正で足ります。
複数のページの内容と、問い合わせまでの案内をまとめて変える必要があるなら、全体の見直しが向いています。
部分修正と全面リニューアルの間には、主要ページだけを作り直す方法や、段階的に改修する方法もあります。
予算や公開期限が限られている場合は、「最初に直す範囲」と「次の段階へ回す範囲」を分けると進めやすくなります。
4. 作り直した後に運用できるか

リニューアルを判断するときは、公開後に運用を続けられるかまで確認しておきましょう。
新しいサイトが完成しても、更新する人と手順が決まっていなければ、情報はまた少しずつ古くなってしまいます。
公開前に決めたい運用項目はこちらです。
- 更新担当
誰が料金、事例、お知らせ、会社情報を更新するか - 更新範囲
自分たちで更新する部分と、制作会社へ頼む部分をどう分けるか - 確認手順
公開前に誰が内容、表示、リンクを確認するか - 素材の用意
文章、写真、事例、実績を誰が集めるか - 保守の範囲
システム更新、バックアップ、不具合対応を誰が担当するか - 費用の確保
保守、追加修正、外部サービスに、毎月または毎年いくらかかるか - 計測と改善
公開後に何を確認し、いつ見直すか
並べてみると、決めることが多いと感じますよね。
それでも、一度決めてしまえば、あとは同じやり方を続けるだけです。
制作会社から「自社で簡単に更新できます」と説明された場合も、実際に誰がどの画面を操作するのかまで確認しておきましょう。
担当者が迷わないように、操作手順、画像の大きさ、文章の入れ方、公開前の確認項目をメモに残しておくと安心です。
担当者が入れ替わることも考えて、個人のメールアドレスや前任者の記憶だけに頼らない管理方法を決めておきましょう。
ドメイン、サーバー、管理画面、アクセス解析などの権限についても、自社がどこまで持っておく必要があるかを確認してください。
外部サービスを使う場合は、契約者が誰で、料金がいくらかかるのかを確かめておきましょう。
あわせて、解約したときにデータがどうなるのか、サービス自体が終了したらどうするのかも聞いておきましょう。
すべてを自社だけで運用する必要はありません。
大切なのは、自社で行う範囲と外部へ任せる範囲を先に決めておくことです。
そのうえで、困ったときに誰へ連絡すればよいか分かる状態にしておきましょう。
ここまで決まっていれば、公開したあとに「これは誰へ頼むんだったかな」と迷わずに済みます!
5. 見積もり前に判断材料をそろえる

制作会社へ相談する前に判断材料をそろえておくと、届いた提案と見積もりを比べやすくなります。
完成形を細かく決める必要はありません。
ただ、今困っていることと優先順位だけは、相談する前に自分たちで整理しておきましょう。
相談前に用意したい内容はこちらです。
- 現在のホームページのURLとページ一覧
- リニューアルを考えたきっかけ
- 最優先で解決したい問題
- 残したいページ、内容、URL、機能
- 追加したいページや機能
- 自社で更新したい項目
- 公開したい時期と、ずらせない予定
- 想定する予算と、継続してかかる費用の考え方
- ドメイン、サーバー、管理画面、計測ツールを今誰が管理しているか
- 複数の会社を比べるときにそろえたい条件
見積もりを見るときは、金額だけでなく、そこに何が含まれているかを確認しましょう。
どこまでを見積もりに含めるかは、制作会社ごとに違います。
リニューアルの作業には、設計、文章、写真、データ移行、URLの引き継ぎ、フォーム、スマートフォン対応、公開作業、操作説明、保守があります。
このうちどれが見積もりに入っているのかを、一つずつ見てみましょう。
見積書に「一式」という項目が並んでいる場合は、対象となるページ、修正できる回数、納品されるもの、公開後の対応を質問してみましょう。
見積もりを同じ条件で比べる
見積もりは会社ごとに書き方が違うので、そのまま並べても比べにくいですよね。
項目名が違っても、同じ作業ごとに並べ替えて見比べると、金額の差がどこから来ているのか分かります。
次の表は、比べたい作業ごとに、見積もりで確認することと、あわせて質問したいことをまとめたものです。
比較する項目 | 見積もりで確認すること | あわせて質問したいこと |
|---|---|---|
設計とデザイン | 対象ページ、画面の種類、提案数、修正回数 | ページや修正を追加するといくらかかるか |
文章、写真、画像 | 原稿作成、撮影、画像加工、素材購入の範囲 | 自社で用意する素材はどれか、素材を使ってよいかの確認は誰が行うか |
データとURLの移行 | 移行する記事、画像、PDF、旧URLからの案内 | 移行しないデータはどれか、リダイレクトの設定は含まれるか |
フォームと外部連携 | 問い合わせ、予約、地図、決済などの設定 | 送信テストと通知の確認、外部サービスの利用料は含まれるか |
スマホ対応とテスト | 対象端末、ブラウザ、表示・操作・送信の確認 | 見つかった不具合はいつまでに直すか、公開してよいと決めるのは誰か |
公開作業と計測 | サーバー反映、解析、Search Console、サイトマップ | 公開後に様子を見る期間はいつまでか、問題が起きたときの対応は含まれるか |
操作説明と納品物 | 管理画面の説明、手順書、デザイン・原稿・データ | 自社が受け取るファイルと管理権限はどれか |
継続費用と保守 | サーバー、ドメイン、外部サービス、保守の月額・年額 | 契約期間と更新の条件はどうなるか、解約したときにデータをどう引き取れるか |
初期費用が安く見えても、必要な移行やテストが別料金になっていれば、合計の支払額は高くなることがあります。
反対に、金額が高い見積もりでも、文章作成、データ移行、公開後の確認まで含まれている場合があります。
合計金額だけでなく、必要な作業がどこまで含まれているか、公開後に自社へ何が残るかを比べましょう。
見積もりは、作り直すと決めたあとだけに使う資料ではありません。対応範囲と費用を比べ、部分修正も含めてどうするか判断するための材料になります。
判断が難しいときは、いきなり制作会社を決めないでください。
今の問題と優先順位を、第三者の診断で整理してもらう方法もあります。
古いホームページを修正するか作り直すかの全体的な考え方は、「古いホームページは修正かリニューアルか?」で確認できます。
サイト診断で確認できる範囲は、「サイト診断で何がわかる?」で整理しています。
まとめ

最後に、リニューアルを決める前の要点を振り返ります。
- リニューアルで解決したい問題と、最優先の目的を言葉にした
- 今も役立っているページ、内容、URL、機能を確認した
- 部分修正や段階的な改修で対応できないか比べた
- 公開後の更新担当、保守、費用、計測方法を決めた
- 見積もりに含まれる作業と、含まれない作業を確認した
- 全面リニューアル以外の選択肢も含めて判断した
見た目が古いと感じても、すぐに全部を捨てる必要はありません。
まず一つやるなら、今のページを一覧にして、「残す・改善する・統合する・終了する」へ分けてみましょう!
残したいものと解決したい問題が見えれば、どこまで直すべきかを制作会社へ相談しやすくなります。
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