中小企業のSEO対策は何から始める?少ない予算で進める基本手順

SEOを始めようとすると、記事作成、キーワード調査、サイトの改修、分析ツールの設定と、やることが多く見えて、どこから手を付けるかで迷います。
担当者がほかの業務も抱えている中小企業で、これらすべてに一度に取り組むのは現実的ではありません。
かといって、予算を抑えるために記事だけを大量に増やしても、事業の成果にはつながりにくくなります。
記事を読んだ人が問い合わせようとしたときに、サービス内容や料金を説明するページが足りていなければ、そこで止まってしまうからです。
目的を1つ決め、顧客の言葉を集め、重要ページを整えてから、必要な記事を少しずつ作る、という順番が現実的です。
この記事では、限られた人員と予算でSEOを進める基本手順を、優先順位の付け方と一緒に説明します。
毎月できる作業量が少なくても、順番が決まれば一歩ずつ進みます。
1. SEOの目的を一つ決める
最初に決めるのは、検索順位ではありません。
検索からサイトへ来た人に最終的にとってほしい行動が、ここでいう目的にあたります。
目的が曖昧なままだと、狙う検索語も、先に直すページも、あとで確認する数字もばらばらになってしまいます。
多くの中小企業では、行動の候補が次の6つに収まります。
- 問い合わせを送ってもらう
- 店舗へ来店してもらう
- 電話や予約フォームから予約してもらう
- 商品を購入してもらう
- 資料、料金表、事例を見てもらう
- 採用情報を読み、応募してもらう
目的を選んだら、「誰に」「何を探しているときに」「どのページへ来て」「何をしてほしいか」を一文にまとめます。
たとえば、「地域で相続の相談先を探している人に、初回相談の対象と流れを読んでもらい、予約フォームへ進んでもらう」という形です。
この一文が決まっていれば、事業と関係の薄い検索語や記事案に時間を使いすぎずに済みます。
SEOの目的が「アクセスを増やす」で止まっていると、どこから直せばいいのかを決められません。
役立てたい相手、優先するページ、その人に次にとってほしい行動まで具体的に書き出すと、直す順番が見えてきます。
あとで確認する数字も、決めた目的によって変わります。
問い合わせが目的なら、検索から何人訪れたかだけでなく、問い合わせページまで進んだ数や、実際に届いた相談の内容も記録に残します。
来店が目的なら、営業時間やアクセス案内のページがどれだけ見られたか、電話や経路案内がどれだけ使われたかも判断材料になります。
計測は、最初から細かくそろわなくても進みます。
最初は、月ごとの問い合わせ件数と、顧客が「何を見て知ったか」の記録だけでも十分に役に立ちます。
それだけでも、検索と問い合わせのつながりが見えてきます。
2. 顧客の悩みと検索語を集める
狙う検索語の候補は、高価なツールを買う前に、実際の顧客が使っている言葉から集めます。
問い合わせや商談のやり取りの中に、検索キーワードの材料がすでにあることが多いためです。
最初に書き出す材料は、次の3つです。
- 問い合わせや商談でよく聞かれる質問
- 他社と比べるときや契約前に確認される条件
- 購入や契約をためらう理由
専門家と顧客では、同じ内容をまったく別の言葉で呼ぶことがよくあります。
業界の専門用語だけで候補を作ると、顧客が実際に検索する言葉から離れてしまいます。
問い合わせの対応が1件終わるたびに、担当者が顧客の最初の言葉を1つメモしていくと、候補がたまります。
特別な時間を取らなくても、検索語の候補はたまっていきます。
集めた言葉を検索目的ごとに分ける方法や、事業との近さを判断する手順は、「ブログのSEOキーワードはどう選ぶ?」で詳しく説明しています。
なお、検索されている回数が多そうなテーマでも、自社が自信を持って答えられず、商品やサービスとの関係も薄いなら、後回しにするという選び方もあります。
3. 最重要ページを先に整える
顧客が問い合わせや購入を判断するときに見るページは、記事を増やすより先に整える対象になります。
せっかく記事を読んで興味を持ってもらっても、そこで止まってしまうことがあります。
何を頼めるのか、料金はどう決まるのか、誰が運営しているのか、どこへ連絡すればいいのかが分からないままだからです。
中小企業がまず確認したいのは、次のページです。
- 主力のサービス・商品ページ
- 会社・店舗・運営者情報
- 料金、対応範囲、よくある質問
- 事例、実績、利用の流れ
- 問い合わせ、予約、購入ページ
ただし、5つを一度に作り直すのは現実的ではありません。
最初に決めた目的にいちばん近い1ページを選ぶと、そこで顧客が判断するために足りない情報が見えてきます。
たとえば主力のサービスページなら、次の点がそろっているかが判断の材料になります。
- 誰を対象にしたサービスか
- どんな悩みや目的に応えるサービスか
- 何が含まれ、何が含まれないか
- 料金、または見積もりの決まり方
- 依頼から完了までの流れ
- 実績や事例を確認できるか
- 問い合わせる前に知っておいてほしい条件
- 次に押すボタンが何をするボタンか分かるか
このとき、競合サイトの文章のまねは要りません。
自社の実際の条件と、顧客から実際に聞かれる内容が、そのまま原稿の材料になります。
料金、対応地域、納期、対象条件を、集客のために曖昧にするのは禁物です。今提供している内容と照らし合わせた、正確な記載が前提です。
内容を直したページに、トップページや関連記事からたどり着けるかどうかも効いてきます。
大事なページがメニューの奥に隠れていたり、どこからもリンクされていなかったりすると、顧客にも検索エンジンにも見つけてもらえません。
サイト全体のページ配置に迷うときは、重要ページと記事の役割を一覧に書き出す方法があります。
全体を見渡してから並びを見直すと、整理しやすくなります。
4. 悩みを解決する記事を少数から始める
重要ページを整えたら、次は顧客の具体的な悩みへ答える記事を、少数から始めます。
「月に何本出す」という本数を目標にするより、事業との関係が深く、繰り返し聞かれる質問から題材を選ぶ方が続けやすくなります。
最初の3記事を選ぶなら、次の組み合わせが考えられます。
- 基礎
サービスを選ぶ前に知っておきたい用語と全体像 - 問題解決
よく起きる困りごとの原因と、確認する手順 - 判断支援
選び方、他社との違い、費用の目安、相談するタイミング
この3種類を必ずそろえる必要はありません。
実際の問い合わせが多く、自社が責任を持って説明できるテーマから選びます。
1記事で答える検索目的は、1つに絞ります。
似たキーワードごとに内容の薄い記事を分けて作ると、書いてあることが重なります。
読む人も、どの記事を読めばいいのか分からなくなってしまいます。
新しい記事を書く前に、「この疑問に答えるページはすでにないか」を見ます。あるなら、新しく作るより、その記事へ書き足すか、1つにまとめる方が効きます。
記事には、どこにでもある一般的な説明だけでなく、自社で実際に受けた相談、判断の基準、失敗しやすい点、対応できない条件まで書きます。
ただし、個人情報や取引先の秘密は書きません。
事例を匿名にして紹介するときも、内容は誇張しません。
Googleのユーザーを第一に考えたコンテンツに関する公式資料では、書いた記事を自分で評価するための観点が示されています。
想定する読者は誰か、自分の実体験や知識を反映しているか、サイトの目的は何か、読んだ人が十分な情報を得られるか、といった内容です。
料金や制度、製品の仕様など、変わりやすい情報を書いた記事は、公開して終わりにはしません。
いつ内容を確かめたかという日付と、次に見直す担当者まで決めておきます。
記事同士をどうまとめるか迷うときは、「ブログのカテゴリ設計で迷ったら」でも扱っています。
5. Search Consoleで確認して直す
記事を公開したあとは、Google Search Consoleで実際の検索状況を見ながら、次に直すページを選びます。
まだ登録していない場合は、Google Search Consoleを開き、自分のサイトをプロパティとして追加します。
そのあと、所有権の確認まで済ませます。
とはいえ、画面の項目が多く、どこを見ればいいのかは分かりにくいです。
数字を毎日すべて見る必要はありません。
GoogleのSearch Console公式案内でも、確認の目安は月に1回程度、あとはサイトの内容を変更したときと案内されています。
人手の少ない運用なら、月に1度、次の順番で確かめると続けやすくなります。
- 重要ページがインデックス登録(Googleの検索結果に載る状態)されているかを見る
- 検索パフォーマンスの画面で、表示回数とクリック数の変化を見る
- ページごとに、実際に表示された検索語を見る
- 検索語とページ内容のずれや、答えきれていない疑問を1つ選ぶ
- タイトル、冒頭、本文、内部リンクのどれかを直し、直した日付を残す
表示回数は増えているのにクリックされにくいときは、タイトルがページの内容を具体的に表していない可能性があります。
想定していなかった検索語で表示されている場合は、その疑問がページの役割に合うかを考えます。
合っているなら、その疑問に答える説明を本文へ足すのが次の一手です。
ページの役割から外れる疑問なら、無理に書き足さず、別のページで扱うかどうかを検討します。
問い合わせに近い重要ページがまだ登録されていないなら、記事の細かい順位より、そちらが先です。
ページを公開できているか、検索から除外する設定が入っていないか、ほかのページからリンクされているか、この3点でつまずいていることが多いです。
改善は一度にたくさん変えず、1つずつ試します。「どのページの何を、なぜ直したか」を残しておくと、次の判断に使える経験がたまります。
数字が伸びない月があっても、すぐに失敗と判断するのは早すぎます。
もともと検索する人が少ない専門サービスでは、訪問数が多くなくても、内容に合った相談につながるページに価値があります。
かけた作業時間と、届いた問い合わせの内容も、一緒に記録に残しておきたい情報です。
自社にとって続ける意味があるかを、あとから見直せます。
Search Consoleの設定や画面の見方は、「Google Search Consoleの始め方」で詳しく説明しています。
まとめ
少ない予算でSEOを進めるなら、手順は次の5つに収まります。
- 検索から来た人に何をしてほしいのか、行動を1つに絞って目的を決める
- 問い合わせや商談から、顧客が実際に使う言葉を集める
- 記事より先に、主力サービスと問い合わせに近いページを整える
- 1つの悩みへ十分に答える記事を、少数から作る
- 月に1度を目安にSearch Consoleを確認し、直す場所を1つずつ選ぶ
過去1か月の問い合わせを3件だけ見返し、顧客が最初に使った言葉をメモするだけでも、次に直す場所が見えてきます。
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