ざっくり言うと
共有ドライブの経費精算シートや会員名簿は、会社名の書き方がバラバラだったり、同じ行が二重に入っていたりしますよね。ExcelやCSVのこうした手直しは、Geminiに下書きしてもらうと早く片づきます。
Geminiが得意なのは、Googleドライブとの行き来です。ドライブに置いてあるスプレッドシートは、手元に落とさなくても「@」で呼び出して読ませられます。整理したあとは、Canvasで報告用の1枚に仕立てることもできます。
気をつけたいのは、顧客リストのような個人情報の扱いです。出てきた表も、そのまま使わずに元データと見比べましょう。
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正確には
GoogleアカウントでログインしたGeminiアプリでは、ファイルをアップロードして、その中身について質問できます。公式ヘルプ「Geminiアプリにファイルをアップロードする」で案内されている使い方です(※原文:Upload files to Gemini Apps)。スプレッドシートを添付して、中身を踏まえた返答を頼めます。
対応するファイルの種類、サイズの上限、使えるプランは時期によって変わります。今の対応状況は、記事の最後の「参考ソース」の公式ヘルプで確かめるのが確実です。
Google Workspaceのプロンプトガイドでは、目的・役割・形式・トーンを具体的に指定することが、うまく頼むコツとして紹介されています。一度で決めきらず、追加の指示で調整を重ねることもすすめられています(※原文ではiterate)。プロンプトとは、AIへ渡す指示文のことです(用語集:プロンプト)。
データ整理でも同じです。何をどう直してほしいのかをはっきり伝えると、返ってくるものが変わります。
表の渡し方は3通り
- ファイル添付
入力欄のクリップ(添付)アイコンを押して、.xlsxや.csvを選びます。行数の多い表や、列がずらりと並んだ表に向いています - テキストで貼り付け
Googleスプレッドシートで表の範囲をコピーして、入力欄にそのまま貼ります。数行から数十行の表なら、これで足ります - ドライブから呼び出す
ドライブに置いたスプレッドシートを、ダウンロードせずに読ませます。やり方はこのあとの節で説明します
どれを選んでも、頼み方そのものは変わりません。メニューやアイコンの位置と名前は、バージョンや地域で変わります。見当たらないときは、Gemini Appsヘルプ「Geminiアプリにファイルをアップロードする」で今の画面を確かめてください。
渡す表から、飾りを外しておく
渡す表が整っているほど、返ってくる下書きも正確になります。いちばん相性がいいのは、1行目に列名が並び、その下が1件につき1行になっている形です。
- セルを結合した表
人が見やすいように作り込んだレイアウトは、読み違えが増えます - 画像として貼り付けた表
数字ではなく絵として入っているので、読み間違いが起きやすくなります - 小計行や空行がまざった表
どこまでが1件ぶんなのか、境目が分からなくなります
渡す前に、飾りを外したコピーを1枚作っておくと安心です。
ドライブの表は、ダウンロードせずに読ませる
Geminiアプリの入力欄で「@」を打つと、接続済みのGoogleアプリを名指しして情報源にできます。Googleドライブもそのひとつです。共有ドライブに置いたままのスプレッドシートを、手元に落とさずに読ませられます。
使う前に、次の3つを済ませてください。
- ドライブとGeminiに、同じGoogleアカウントでログインする
- 「アクティビティの保存」(Keep Activity)をオンにする
- 設定画面でドライブ連携をオンにする
アカウントが別々だと、ファイルを呼び出せません。「アクティビティの保存」は、Workspaceアプリとの接続に必要な設定です。仕事用・学校用のアカウントでは、管理者が有効にしていないと使えません。手順はGemini Appsヘルプ「Google WorkspaceアプリをGemini Appsに接続する」に載っています。
フォルダごと渡すこともできます。月別の経費精算シートがまとまったフォルダを指定して、「金額が飛び抜けている行を出して」と頼むような使い方です。ただし、フォルダの中のファイルやサブフォルダが多いと、Geminiが全件を回答に使わない場合があると公式に案内されています。フォルダ丸ごとの答えは、全部読んだ結果とは限りません。
一度に渡せる量にも上限があります。2026年7月29日時点では、1つのプロンプトにつき最大10ファイル、1ファイルは動画以外で最大100MBです。上限は改定されることがあります。
なお、Geminiアプリからドライブのファイルを新しく作ったり、消したりはできません。整理してもらった結果をシートへ戻すのは、自分の手作業になります。
「整理して」の中身を、言葉にする
「整理して」だけでは、どこを直せばいいのかGeminiにも分かりません。当たり障りのない返事が来て終わってしまいます。直してほしいことを、そのまま文にしてみてください。
- 表記ゆれ
「『会社名』列の『(株)』『㈱』を、すべて『株式会社』に書き換えて」 - 重複さがし
「同じ氏名と同じ日付で2回申請されている行を並べて」 - 列の絞り込み
「日付・氏名・費目・金額の列だけ残して、あとは省いて」 - 分類
「『費目』列を、交通費・会議費・消耗品費の3つに振り分けて」 - 集計
「月ごとの合計金額を表にして」 - 見落としさがし
「金額が空欄の行と、マイナスになっている行を抜き出して」
毎回ゼロから書くのが面倒なら、次の型を残しておいて、かっこの中だけ差し替えてください。
添付した表を整理してください。
直してほしいこと:(例:「会社名」列の表記ゆれをそろえる)
残す列:(例:日付・氏名・費目・金額)
出す形:(例:タブ区切り)
行は減らさないでください。
直した箇所は、最後に一覧で見せてください。
返ってくる形も、先に決めておく
出し方をひとこと添えておくと、シートに戻すときの手間がぐっと軽くなります。
- 「スプレッドシートにそのまま貼れるよう、タブ区切りで出して」
- 「CSV形式で出して」
- 「Markdownの表にして」(Markdownは、表や見出しを記号で表す書き方です)
- 「直した箇所だけ一覧にして」(全件を見るのが大変なとき)
整理したあとは、Canvasで見せる形にする
数字がそろったら、そのまま人に見せる形まで進められます。GeminiのCanvasは、チャットの横に作業用の画面をもう1枚開く機能です(用語集:Canvas)。入力欄の「Add files(ファイルを追加)」から「Canvas」を選び、その状態で頼みます。
Canvasでは、文書・アプリ・スライド・コードを作って、その画面のまま直していけます。作ったものを別の形へ広げる例も、公式ヘルプに載っています。インフォグラフィック(情報をまとめた図解)、Webページ、クイズ、Audio Overview(音声で聞ける要約)です。整理した集計表を渡して「費目ごとの内訳が一目で分かる図解にして」と頼めば、報告用の1枚になります。
気になった部分だけを直せるのも、Canvasの持ち味です。「見出しの言い回しをやわらかく」「この項目の説明を1行に縮めて」と伝えると、その場所だけが書き換わります。仕上がったものはGoogleドキュメントへ書き出せますし、共有リンクを出して見せることもできます。
使える範囲には条件があります。文字スタイルや書式を選んで編集する機能は、現行ヘルプではデスクトップのWeb版だけです。また、18歳未満のアカウントでは、Canvasの文書から別の形式を作る機能を使えません。
注意点
個人情報の入ったファイルは上げない
やってみよう
ステップ1:まずは10行で試す
いきなり大きなファイルを渡さず、10行ほどの表で動きを見ます。
- Googleスプレッドシートで、ダミーの会員名簿を10行ほど作る(氏名は仮名で大丈夫です)
- その表をコピーして、Geminiの入力欄に貼り付ける
- 下の文を続けて貼り、送信する
- 出てきた表と、元の表を左右に並べて見比べる
「会社名」の列で、書き方がバラバラになっているところを直してください。
「(株)」「㈱」は「株式会社」の形にそろえてください。
行は減らさず、直した箇所も最後に一覧で見せてください。
ここでやりたいのは、指示どおりに直してくれるかどうかを自分の目で見る練習です。
ステップ2:ドライブの表を「@」で呼び出す
慣れてきたら、共有ドライブに置いたままのシートを読ませます。
- gemini.google.comを開く
- 入力欄で「@」を打ち、続けてファイル名の一部を入力する
- 出てきた候補から、読ませたいスプレッドシートを選ぶ
- やってほしいことを1つに絞って頼む(例:「『メールアドレス』が重複している行を一覧にして」)
- 結果を見て、必要なら「重複のうち、いちばん新しい日付の行だけ残して」と追加で頼む
1回で全部やらせず、段階を分けてください。途中で確認できるぶん、事故が減ります。
ステップ3:整理した表をシートに戻す
- 「タブ区切りで出して」と頼んで、貼り付けやすい形にしてもらう
- 出てきた表を選んでコピーする
- スプレッドシートで新しいシートを追加して、そこへ貼る(元のシートに直接貼らない)
- 元のシートと並べて、行数と金額の合計が合っているかを見る
- ずれがなければ、必要な列だけ元のシートへ移す
元のシートを直接いじらないので、やり直しがききます。
ステップ4:Canvasで報告用の1枚にする
- 整理が終わった会話のまま、入力欄の「Add files(ファイルを追加)」から「Canvas」を選ぶ
- 「さっきの集計表を、費目ごとの内訳が分かる図解にして」と頼む
- 右側に開いた画面で仕上がりを見て、直したい部分だけを言葉で伝える
- 上部にある共有・エクスポートのボタンから、Googleドキュメントへ書き出す
ボタンの位置や名前は時期によって変わります。見当たらないときは、Geminiの公式ヘルプで画面例を確かめてください。
締めに
ドライブに溜まった表を、開く前にGeminiへ読ませて、下ごしらえだけ任せる。仕上げと確認は自分でやる。この分担に慣れると、月末の事務がぐっと軽くなりますよ!