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情報漏洩のリスクと対策

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40分スターター・レッスン2 / 4

9分でやってみよう

やること: 5つの情報を、安全性の3区分に仕分けて答え合わせします。

コピーして試す

まず自分で30秒ほど考え、そのあと入力例をコピーしてChatGPTの分類と見比べてください。

コピーする入力例

次の5つの情報を「入れてよい」「入れる前に要検討」「原則として入れない」に分け、理由を1行ずつ添えてください。

1. 会社の公開Webサイトに載っている製品説明
2. 会社名をA社、担当者をBさん、金額を架空の数字に置き換えた売上表
3. 社内だけで使っている承認フロー
4. 顧客の氏名とメールアドレスが入った一覧
5. 署名前の契約書の原文

判断に迷う項目は、送信前に何を確認するかも書いてください。

押さえておくこと

仕分けの軸は「公開済みか」「個人や会社を特定できるか」「社内ルールや契約の確認が要るか」です。

  • 入れてよい: 公開情報や、個人・取引先を特定できないダミーデータ
  • 入れる前に要検討: 社内情報や未公開のアイデア
  • 原則として入れない: 個人情報、契約書原文、顧客・他社の機密

レッスン1の会議メモは、名前も日付も架空のものでした。実際の会議メモには取引先の社名や金額が入りがちです。自分のメモを貼る前に、この3区分で見分けてください。

返ってくる例

例えば、次のように分けられます。AIの分類も、最後は自分の利用環境と社内ルールに照らして判断します。

入れてよい - 1. 公開Webサイトの製品説明 - 2. 個人や取引先を特定できないよう十分に加工した売上表 入れる前に要検討 - 3. 社内だけの承認フロー 原則として入れない - 4. 顧客の氏名とメールアドレス - 5. 署名前の契約書原文

AIの返答は毎回少し変わります。表現が見本と同じでなくても、 次の3点を満たせば大丈夫です。

自己確認3点
答え合わせ・完成例

1と2は、第三者を特定できないことが前提です。3〜5は、次の理由で立ち止まります。

  • 社内フローは個人情報がなくても、社外秘や運用上の機密に当たる場合がある
  • 氏名とメールアドレスは個人を特定できるため、そのまま貼らない
  • 契約書には相手の機密や未公開条件が含まれやすいため、原文を貼らない
うまくいかない時のヒント
  • 迷ったら、「公開の場に同じ内容を書いて困らないか」を考えます。
  • 固有名詞をA社などへ変えても、内容から相手が分かるなら加工が足りません。
  • 業務データは、会社が認めたAI・契約・設定かを先に確かめてください。

ざっくり言うと

ブラウザやアプリから使うクラウド型のAIに文章を打ち込むと、その文章は手元のパソコンの中だけにとどまりません。インターネットを通って、運営会社のサーバーへ届きます。

サービスや契約、設定によっては、AIを改善するための学習に使われることもあります。学習は、データを読み込ませてAIの性能を上げる作業です。

送信ボタンを押す前に、「この文章を外部の会社へ送っていいか」を一度だけ考えてください。

なかでも危ないのが、顧客名、契約書、まだ公表していない経営の数字を、そのまま貼り付けてしまうことです。 送ってしまえば、自分の手では取り戻せません。 とはいえ、仕組みと線引きさえ分かれば、こわがらずに使えます。

イメージ

正確には

個人情報保護委員会は2023年6月、生成AIサービスへ個人情報を含む指示文を入力するときの注意点を公表しました。 事業者に求めているのは、その入力が利用目的の範囲に収まっているかを確かめることです。 本人の同意なく個人データを入力する場合は、提供している事業者がそのデータを機械学習に使わないことなどを、十分に確認するよう求めています。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)も、同じ危険に注意を促しています。 その『情報セキュリティ10大脅威 2026』では、「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が組織向け脅威の第3位に初めて選ばれました。 IPAが2026年4月に公開した『AI利用者のためのセキュリティ豆知識』も、クラウドAIへ営業秘密を入力しないことを、利用者向けの基本の対策として挙げています。

情報が外に出る3つの経路

AIに入れた情報が外に出るとしたら、道筋はおおむね次の3つです。

#経路何が起きるか
1学習への再利用入力した内容が、AIの改善(学習)に使われる場合がある。設定でオフにできることが多い
2運営会社のサーバーへの保存規約に沿って、ログが一定の期間保存される。安全に管理されてはいるが、外部からの攻撃や内部の不正のリスクはゼロではない
3改善や安全確認のための見直し設定や契約によっては、改善・安全確認・品質チェックの対象になることがある

3つ目があるからこそ、機密の情報は最初から入れないのが基本です。

OpenAIとAnthropicのプライバシーポリシーにも、入力データの扱い、保存する期間、学習に使うかどうかが書かれています。 ただ、中身は会社ごとに違います。 使うサービスのポリシーは、その都度自分で確かめてください。

入れてよい情報と、入れない情報

仕事で迷ったら、この表で判定してください。

区分判定
入れてよい一般に公開された情報、個人や取引先を特定できないダミーデータOK
入れる前に要検討自社の業務フロー、社内向けの資料、未公開のアイデア契約・社内ルール・権限・データ設定を確認
原則として入れない顧客名・取引先名・契約書の原文・個人情報(氏名/住所/電話/メール)・マイナンバー・医療情報・未公開の財務やM&Aの情報・他社の機密明確な利用権限と承認、安全な契約と環境を確認できない限りNG

もっと短い目安もあります。 「これ、X(旧Twitter)に書いたら困る?」と自分に聞いてみてください。 困りそうなら、AIにも入れません。 この線引きだけでも、かなりの事故を避けられます

それでも判断に迷うときは、情報をそのまま渡さず、書き換えてから渡してください。

元の情報書き換え後
顧客名A社
住所東京都内
契約金額概算
未公開の数字架空の金額
契約書の原文要点だけを残した文

書き換えたあとに「これで意味が通じるか」を確かめてから送れば、仕事の精度も保てます。

注意点

送信ボタンは、押したら取り消せない

送信ボタンを押した瞬間に、書いた内容のコピーが相手のサーバーへ届きます。 あとから履歴やアカウントを消せるサービスもあります。 ただし、削除までの保持期間、法令や安全上の例外、すでに始まった学習への影響は、各社で違うのが実情です。

今日からできる5つの対策

今日から手をつけられる、現実的な5つです。

5番目の「送信前3秒」は、設定を整えたあとに残る最後の守りです。手間はほとんどかからないのに、よく効きます。

やってみよう

この2つを済ませておけば、クラウド型AIへの入力は外部への送信だという前提が身につき、うっかりの貼り付けもぐんと減らせます。

会社として複数人で使うなら、「社内の生成AI利用ガイドライン」を1枚作っておくとトラブルを減らせます。 これは別の記事で扱います。

よくある質問

Q. AIに打ち込んだ文章は、どこへ行くのですか?
A. 手元のパソコンの中にはとどまりません。インターネットを通って運営会社のサーバーへ届き、サービスや契約、設定によっては、AIを改善するための学習に使われることもあります。
Q. 入れてよい情報と入れない情報は、どう線引きしますか?
A. 公開されている情報や、取引先を特定できないダミーデータなら入れて構いません。顧客名・契約書の原文・個人情報・マイナンバー・未公開の財務情報は、原則として入れません。迷ったら「これ、SNSに書いたら困る?」と自分に聞いてください。
Q. 相談したい内容に顧客の情報が入っているときは、どうしますか?
A. そのまま渡さず、書き換えてから送ってください。顧客名はA社、住所は東京都内、契約金額は概算、契約書は要点だけを残した文にします。書き換えたあとで意味が通じるかを確かめれば、仕事の精度も保てます。
Q. 間違えて送信してしまったら、取り消せますか?
A. 送信そのものは取り消せません。押した瞬間に、書いた内容のコピーが相手のサーバーへ届きます。履歴やアカウントを消せるサービスもありますが、保持期間や例外の条件は各社で違います。

公開: 更新: ✓ 公式情報と照合:

参考ソース

判断クイズ

その文章を外部の会社へ送っていいか、送信ボタンの前に決められますか?

3問です。答えるとその場で解説が出ます。全問終えたら、「回答を記録する」で学習の記録に残せます。

1. 常連のお客様への返信案をAIに作ってもらいます。手元にあるのは氏名・メールアドレス・相談内容です。どうしますか?
2. 個人情報が入っていない社内の承認フローを、AIに整理してもらいたい。3つの区分のどれから考えますか?
3. まだ社外に出していない見積り金額を、無料のチャットAIに相談したい。どうしますか?

全問に答えると、回答を記録できます。

残るのは「答えたかどうか」だけで、正解数は保存されません。この端末の中だけに残り、別の端末には引き継がれません。

ここまででスターターの実践は終了です。もっと詳しく知りたい方は、 この下の本文を読み進めてみてください。

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