ざっくり言うと
Claudeに画像を渡すと、写っている文字や図を読み取って答えてくれます。名刺・領収書・看板・スクリーンショットのほか、契約書のスキャンや図表の入った資料も見てもらえます。
ただし、Claudeは画像を作れません。そのかわり、名刺やスキャン画像の文字、資料の図表を読み取る用途に向いています。
イメージ
正確には
Claudeにはビジョン(Vision)という、画像を読み取って答える機能があります。チャット画面に画像をアップロードすると、その中身について質問できます。
公式ドキュメントには、できることとして次の4つが挙がっています。
- 写っている物やその場の様子を説明する
- 画像のなかの文字を読み取る(印刷された活字は得意)
- 文書やチャート、図表を読み解く
- スクリーンショットや写真についての質問に答える
添付のしかたは3通りです。チャット欄左下の「+」から「Add files or photos」を選ぶか、画像をドラッグ&ドロップするか、コピー&ペーストで貼り付けます。同じ手順は公式ヘルプにも載っています。
契約書のスキャンや、図表入りの資料を読ませる
士業やBtoBの仕事では、紙やスキャンのまま届く書類が多いですよね。PDFで届いても、中身はスキャン画像だけということがあります。こういう書類こそ、Claudeに読ませる値打ちがあります。
Claudeにはファイルをそのまま添付する方法もありますが、ここに落とし穴があります。PDF以外の文書ファイルから読み取れるのは、テキストの部分だけです。Word文書に貼り付けたグラフや図面は読まれません。図の中身まで伝えたいときは、その図だけを画像ファイルにして別に渡してください。
精読を頼むときのコツは、答えの根拠まで一緒に出してもらうことです。
この契約書のスキャンを読んで、解約に関する条項だけ抜き出して。
条項番号と、原文のどこを根拠にしたかも添えて。
条項番号が返ってくれば、元の書類のどこを見ればいいかがすぐ分かります。読み取り結果をうのみにせず、その場所だけ自分の目で確かめるのが、いちばん速い確認の仕方です。
読み取った内容を、そのまま1枚の資料にする
読み取ってもらった表やデータは、チャットのなかに流れていきます。あとで「あの表どこだっけ」とさかのぼることになりがちです。
そこで使えるのがArtifacts(アーティファクト)です。Claudeが作ったものを、チャットの横の別ウィンドウに置いてくれる機能で、置けるのは文書・図表・コード・小さなアプリなどです。
たとえば、名刺の束を読ませて一覧表にしてもらい、その表をそのまま別ウィンドウに置けます。決算資料のグラフなら、要点をまとめた図に描き直してもらえるので、机に積まれたスキャンの山が、そのまま渡せる資料に変わっていきます。
使う前に、「Code execution and file creation」という項目をオンにしてください。開く場所は、契約しているプランで分かれます。
- Free・Pro・Maxのプランは、設定画面の「Settings > Capabilities」を開きます
- Team・Enterpriseのプランは、組織の設定にある「Organization settings > Capabilities」を開きます
頼み方は、こんな形です。
読み取った名刺の情報を、会社名・氏名・部署・電話番号・メールアドレスの表にして。
その表をArtifactにして、あとから直せるようにして。
別ウィンドウに表が開いたら、「この列は消して」「備考の列を足して」と続けて頼めます。「Artifactの中だけ直して」と一言添えると、チャットに長い説明が流れません。
読み取りにつまずきやすい画像
同じ書類でも、写り方しだいで読み取りの結果は変わるものです。次の4つは、文字をうまく拾えないことがあります。
- 小さい画像・ぼやけた画像
公式は1000×1000ピクセル以上を推奨しています - 粗くて輪郭がつぶれた画像
くっきりしているほど読みやすくなります - 文字が小さすぎる画像
その部分を拡大してから送ると改善します - 手書き文字
印刷された文字に比べて精度が落ちやすいです
公式ドキュメントの推奨事項にも、同じことが書かれています。「画像はクリアで、ぼやけたりピクセル化したりしていないこと」「重要な文字は読める大きさにしておくこと」といった内容です。
注意点
資料を公開リンクにする前に
Artifactsで作った資料を公開リンクにすると、URLを知っている人は誰でも開けます。しかも公式ヘルプには、Artifactを共有すると、見た人が元の会話の添付ファイルまで開ける場合がある、と書かれています。契約書のスキャンを読ませた会話なら、そのスキャンごと見えてしまうということです。
社外に出せない書類を扱ったときは、公開リンクを作らないでください。組織のなかだけで共有するときも、相手を確かめてからにしましょう。
使えるプランやモデルの組み合わせ、保存・学習の扱いは、時期によって変わります。最新の内容は、記事の最後の「参考ソース」の公式ドキュメントで確認してください。
やってみよう
失敗しても困らない紙モノから試す
慣れてきたら、仕事の書類で聞き方を変えてみましょう。
- 名刺の束
「写っている名刺ごとに、会社名・氏名・部署・電話番号を表にして」 - 領収書
「この領収書から、店名・日付・但し書き・合計額を抜き出して」 - 契約書のスキャン
「支払い条件と契約期間の条項を、条項番号つきで挙げて」 - 決算資料の図表
「この棒グラフの数値を表に起こして、前年との差も出して」 - 手書きメモ
「読み取れる範囲で文字にして。読めない部分は『(不明)』と書いて」
返ってきた文字や数字は、元の画像と必ず見比べてください。さきほど書いたとおり、画像の状態によっては読み間違いが起こります。金額・日付・条項番号のように、間違えると困る箇所はとくに念入りに見てください。
締めに
手で打ち直すのが面倒だった書類が、画像1枚で片づきます。読ませて、確かめて、そのまま資料にするところまでつなげると、書類仕事のスピードが目に見えて変わります。完璧を求めず、下書きを作ってもらって自分で仕上げる、くらいの距離感がちょうどいいですよ。