ざっくり言うと

OCR(Optical Character Recognition / 光学的文字認識)とは、画像やPDFに写っている文字を、コンピューターが扱えるテキストデータに変える技術です。

紙をスキャンしただけでは、中身はただの絵です。OCRを通すと、検索もコピペもできる文字になります。

画像を扱うAIには、写真の意味を説明するものもあります。ただしOCRの役目はそこではなく、写真の中にある文字をそのまま書き起こすことです。

コンピューターから見れば、写真は細かい点(ピクセル)の集まりでしかありません。OCRはそこから文字を見つけ出し、1字ずつ見分けて、文字列として並べ直します。

イメージ

目で見て名前や金額を読み取る作業を、機械に肩代わりさせている、と考えると分かりやすいでしょう。領収書の束を前に、数字を1件ずつ手で打ち直した経験はありませんか。あの手間を機械へ渡す仕事こそ、OCRの持ち場です。

正確には

各社は、こう説明しています

OCRという言葉を、各社は少しずつ違う言い方で説明しています。

提供元説明していること
Google Cloud(Vision API)画像内のテキストを検出して抽出する機能。手書き文字も含めた幅広い言語に対応し、文字列だけでなく行・段落・ブロックといった構造の情報も返す
Microsoft Azure AI画像や文書から印刷文字・手書き文字を抽出する技術。自然言語処理(NLP)などほかのAI機能と組み合わせて使うことを想定している
AWS(Amazon Textract)文字を抜き出すだけでなく、手書き文字・表(テーブル)・フォームまで構造化して取り出すサービス
Adobe(Acrobat)スキャンしたPDFにOCRをかけると、検索可能なテキスト付きPDFを作れると公式ヘルプで案内
IBM印刷物・手書き・画像の中の文字を、機械が編集・検索できるデータに変換する技術。データ入力の自動化やアーカイブ(保存)の用途で広く使われてきた、歴史ある技術と説明している

言葉づかいは会社ごとに違っても、指しているのは「画像の中の文字を機械が読み取る」という同じ機能です。

向いているのは、決まった形の書類をたくさん読むとき

OCRが力を出すのは、同じ形式の書類から、同じ場所にある文字をたくさん抜き出す場面です。レシート、請求書、申込書、名刺のように、読み取りたい項目がある程度決まっているほど使いやすくなります。

反対に、「この写真は何を意味しているのか」「図全体を説明してほしい」といった相談は、OCRの役目から外れます。こうした相談には、画像の内容を理解するVision系のほうが近い役割です。

文字を読むOCRと、内容を説明するVision

最近よく聞くLLMのVision機能(画像を見て答える機能)と、昔からあるOCRは、似ているようで担当が違います。

観点OCR(従来型)Vision(LLMの画像理解)
主な目的画像の中の文字をテキストにする画像の内容を理解して説明する
得意なこと大量・正確な文字抽出、座標つきの出力、表やフォームの構造化「この写真は何?」「この図の意味は?」といった説明
出力文字列+位置の情報(行・段落など)自然言語の回答(説明文・要約・分析)
代表例Google Cloud Vision OCR、Azure OCR、AWS Textract、Adobe AcrobatGPT・Claude・Geminiなどの画像入力に対応したモデル

最近はLLMのVision機能でも、OCRのような読み取りをある程度こなせるようになってきました。ただし、大量の書類を厳密に、座標つきで読み取りたい用途では専用のOCRのほうが安定することが多い、と各クラウドベンダーは案内しています。

注意点

読み間違いが起きやすい画像

全部は読み直さず、間違うと困る欄だけ見る

結果をチェックするときは、最初から全部を読み直す必要はありません。先に、間違えると困る欄を決めておきます。

金額、日付、氏名、住所、注文番号といった大事な項目だけでも人が見る形にすると、手間を抑えながら事故を減らせます。

よくある勘違い

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