Grokに質問した内容は、AIの学習に使われることがあります。ただし、どこからGrokを使っているかで、確認する設定が違います。
grok.comやGrokアプリで使う場合はGrok側のデータ設定、X(旧Twitter)の中でGrokを使う場合はX側のプライバシー設定を確認します。さらに、Private Chat、会話の削除、パーソナライズ、Xの公開ポストは、それぞれ別の仕組みです。
「学習をオフにしたから全部消える」「Private Chatなら機密情報を何でも貼ってよい」という意味ではありません。まず、何がどこで使われるのかを分けて整理しておきましょう。
補足
公式ページでは現在、xAI表記とSpaceXAI表記が混在しています。ここでは、Grokの運営側を主に「xAI」と表記します。
ざっくり言うと
| 気になること | 2026年10月時点の考え方 |
|---|---|
| Grokのチャットは学習に使われる? | 個人向けでは使われる場合がある。設定で今後の利用をオフにできる |
| 人が会話を見ることはある? | 限られた権限者が、モデル改善・セキュリティ・不正利用調査・法的対応などの目的で確認する場合がある |
| Private Chatは学習に使われる? | 使われない。履歴にも表示されず、原則30日以内に削除される |
| Xの公開ポストも関係ある? | Xの公開データやX上のGrokとのやり取りが、学習・パーソナライズに使われる場合がある |
| 学習をオフにすれば会話も消える? | 消えない。学習設定と会話削除は別 |
| Business / Enterpriseのデータは? | xAIは、Business / Enterpriseのデータをモデル学習に使わないと案内している |
| Google DriveやGmailをコネクタでつないだデータは? | 公式ドキュメントでは、モデル学習に使わず、リアルタイム参照後に保持しないと案内されている |
いちばん大事なのは、「学習」「パーソナライズ」「履歴」「削除」を同じものとして考えないことです。
イメージ
1. まず「どこでGrokを使っているか」を分ける
Grokのプライバシーは、入口を分けて考えると分かりやすくなります。
grok.com・Grokアプリ
Grok単体のWeb版やスマホアプリです。
この場合は、xAIのConsumer FAQ、Privacy Policy、Grok側のData Controlsが中心になります。
Xの中にあるGrok
XアプリやX.comから使うGrokです。
xAIのPrivacy Policyでは、X上でGrokを使う場合はXのPrivacy Policyと利用規約が適用されると案内されています。
つまり、grok.com側の設定だけ見ても、X側のデータ利用をすべて確認したことにはなりません。
Business / Enterprise
会社向けのGrok Business / Enterpriseは、個人向けとはデータの扱いが異なります。
xAIは、Business / Enterpriseの顧客データをモデル改善の学習に使わないと案内しています。
この違いは後半で整理します。
正確には
2. grok.com・Grokアプリの会話は学習に使われる場合がある
xAIのConsumer FAQでは、個人向けGrokについて、次のような内容をモデル学習に使う場合があると説明しています。
- プロンプト
- 検索
- ユーザーが送った資料などの入力
- Grokとのやり取り
- Grokが返した回答
ただし、モデル学習への利用は設定でオフにできます。
Grokアプリで学習をオフにする
公式FAQでは、次の場所が案内されています。
Settings→Data Controls→Improve the model
ここをオフにすると、その後の新しい会話はモデル学習に使われなくなります。
grok.comで学習をオフにする
Web版では、
Settings→Data→Improve the Model
から切り替えます。
設定名や場所はアップデートで変わる可能性があるため、見つからない場合は最新のConsumer FAQも確認してください。
学習オフと過去の会話削除は別
ここは混同しやすいところです。
Improve the modelをオフにするのは、今後の新しい会話をモデル学習に使わないための設定です。
すでに保存されている会話を消したい場合は、会話の削除を別に行います。
「学習をオフにした=会話履歴も消えた」ではありません。
フィードバックは別扱いになることがある
学習利用をオフにしていても、あとから自分で回答にフィードバックを送った場合、そのフィードバックや関連する会話データが学習に使われる場合があると公式FAQに書かれています。
データ利用をできるだけ抑えたい場合は、学習設定だけでなく、どの会話にフィードバックを送るかも意識してください。
3. Grokの会話を人が見ることはある?
あります。ただし、誰でも自由に会話を見ているという意味ではありません。
xAIのConsumer FAQでは、まず自動のコンテンツ分類や安全対策ツールを使うと説明されています。
そのうえで、限られた権限を持つ担当者が、次のような目的で会話を確認する場合があります。
- モデル性能の改善
- セキュリティ事故の調査
- 不正利用や規約違反の調査
- 法的義務への対応
そのため、
- マイナンバー
- パスワード
- クレジットカード番号
- 顧客の個人情報
- 未公開の契約書
- 社外秘の資料
のような情報は、学習設定に関係なく、最初から通常チャットへ貼らないほうが安全です。
xAI自身も、個人情報や機微な情報をGrokへ入力しないよう案内しています。
4. Private Chatなら「履歴に残さない+学習に使わない」
一時的な相談を履歴に残したくない場合は、Private Chatを使えます。
公式FAQでは、Private Chatについて次のように案内されています。
- 会話履歴に表示されない
- 内容とやり取りはモデル学習に使われない
- 原則として30日以内にxAIのシステムから削除される
Web版では、画面右上のゴースト型アイコンからPrivate Chatを開始する案内があります。
ただし、削除には安全・セキュリティ・法的理由などによる例外があります。
また、Private Chat=機密情報を安全に預けられる保管庫ではありません。
送信した情報はサービス側で処理されます。パスワードや顧客の秘密情報などは、Private Chatでも入力しない判断が基本です。
5. X上のGrokは「Xの公開データ」と「Grokとのやり取り」も確認する
Xの中でGrokを使う場合は、X側の設定も確認します。
X公式ヘルプでは、XがxAIへ次のようなデータを共有する場合があると説明しています。
- 公開ポスト
- 公開プロフィール
- 公開ポストに付随するエンゲージメントなどの情報
- 公開Spaces
- X上のGrokとのやり取り
- Grokへの入力
- Grokから受け取った結果
- 音声入力、その文字起こしや翻訳
これらは、モデルの学習・微調整や、Grokのパーソナライズに使われる場合があります。
X側でモデル学習をオフにする
X公式ヘルプでは、次の順番が案内されています。
設定とプライバシー → プライバシーと安全 → データ共有とパーソナライゼーション →Grokとサードパーティコラボレーター
この順に開きます。
その中のデータ共有に関する項目で、公開データやGrokとのやり取りをモデル学習・微調整に使うかを切り替えます。
オフにしても、X上でGrok自体は引き続き利用できます。
パーソナライズも別にオフにできる
同じ設定付近に、Grokのパーソナライズを切り替える項目があります。
学習利用とパーソナライズは別です。
- 学習利用:モデルを作る・改善するために使うか
- パーソナライズ:自分向けの回答や体験に調整するために使うか
片方だけオフにして、もう片方をオンにすることもありえます。
Xの公開ポストも対象になることがある
Grokを直接使っていなくても、Xに公開ポストをしている場合、その公開データがモデル学習に使われることがあります。
X公式ヘルプでは、アカウントを非公開にすると、ポストがGrokやxAIの基盤モデルの学習に使われたり、Grokの回答で表示されたりするのを防げると説明しています。
「Grokを使わなければ関係ない」ではない点が、XとGrokを考える時の特徴です。
6. 「学習オフ」「削除」「Private Chat」「非公開アカウント」は全部違う
迷ったら、次の表で分けて考えてください。
| 操作 | 主な目的 |
|---|---|
GrokのImprove the modelをオフ | grok.com / Grokアプリの新しい会話をモデル学習に使わない |
| Xのデータ共有をオフ | Xの公開データやX上のGrokとのやり取りをモデル学習・微調整に使う設定を止める |
| Grokのパーソナライズをオフ | Xデータなどを使った自分向け調整を止める |
| 通常の会話を削除 | 保存されている会話を削除する。原則30日以内にシステムから削除 |
| Private Chatを使う | 履歴に残さず、モデル学習にも使わない。原則30日以内に削除 |
| Xアカウントを非公開にする | 自分のポストを公開データとして扱わせず、Grok学習や回答表示の対象から外す |
1つの設定ですべてを止める仕組みではありません。
Grok単体とXの両方を使っている人は、両方の設定を確認するのが確実です。
7. 会話を削除するといつ消える?
Grokアプリやgrok.comでは、個別の会話や全会話を削除できます。
公式FAQでは、削除を指定したデータは最大30日でxAIのシステムから削除すると案内されています。
ただし、次のような理由で例外的に保持される場合があります。
- 法的義務
- セキュリティ対応
- 安全上の対応
また、匿名化・仮名化され、アカウントとの関連が切り離されたデータについては別の扱いになる場合があります。
会話の整理方法まで確認したい場合は、Grokの履歴ってどう管理する?も参考にしてください。
8. ログインせずに使う時は、学習オフ設定が出ない場合がある
xAIのConsumer FAQでは、ログインせずにGrokを利用する場合、地域によってはコンテンツを匿名ベースで収集・保持することがあると説明されています。
さらに、EU / UK以外の一部地域では、未ログイン利用ではモデル学習をオプトアウトできない場合があると案内されています。
データ設定を自分で管理したい場合は、ログインした状態で設定を確認して使うほうが分かりやすいです。
9. Business / Enterpriseは個人向けとデータの扱いが違う
会社向けのGrok Business / Enterpriseでは、xAIは顧客のBusinessデータをモデル学習に使わないと案内しています。
一方で、Business / Enterpriseでも、安全対策の自動システムを使い、セキュリティ事故・不正利用・法的対応などで、限られた権限者がデータを確認する場合があります。
Enterprise FAQによると、入力と出力の通常の自動削除期間は30日以内です。ただし、契約条件や法的な保持理由などによって例外があります。
つまり、会社利用では個人向けよりデータ保護の条件が明確ですが、何を入力してよいかという社内ルールまで不要になるわけではありません。
法人向けの違いは、法人でGrokを使う時のプラン選びで詳しく整理しています。
10. Google Drive・Gmail・Calendarなどのコネクタは別扱い
2026年現在、GrokにはGoogle Drive、Gmail、Google Calendar、Outlookなどを接続するコネクタがあります。
公式ドキュメントでは、少なくともGoogle Drive、Gmail / Google Calendar、Outlookについて、次のように案内されています。
- コネクタ経由のデータはモデル学習に使わない
- 必要な時にリアルタイムで参照する
- 参照したメール・予定・ファイルの内容をSpaceXAIのサーバーへ保存しない
- 接続を解除すれば、そのサービスへのアクセスを停止できる
これは通常チャットへ自分で文章やファイルを貼り付ける場合とは分けて考えたほうが安全です。
コネクタで参照するデータについて「学習しない・保持しない」と案内されていても、自分で同じ内容を通常チャットへコピーして送れば、通常のUser Contentとして扱われます。
会社のDriveやメールをつなぐ場合は、Grok側だけでなく、会社のAI利用ルールと接続元の権限も確認してください。
11. 安心して使い始める4ステップ
Grokを初めて使うなら、次の4つだけ確認しておけばかなり整理しやすくなります。
-
どこからGrokを使うか確認する
grok.com / Grokアプリなのか、X上のGrokなのかを分ける。 -
モデル学習の設定を確認する
Grok側のImprove the modelと、X側のデータ共有設定をそれぞれ見る。 -
一時的な相談はPrivate Chatも使い分ける
履歴に残したくない相談では便利。ただし、秘密情報を貼ってよいという意味ではない。 -
機密情報は入力しない
パスワード、本人確認番号、顧客情報、社外秘資料などは、設定に頼らず最初から送らない。
Grokの初期設定をまとめて確認したい場合は、最初に絶対やっておきたいGrokの初期設定3つもあわせて確認してください。
よくある質問
判断クイズ
第1問
Grokアプリでモデル学習をオフにしました。これで、Xに投稿している公開ポストも自動的に学習対象から外れるでしょうか?
- A. 外れる
- B. X側の設定も別に確認する
第2問
仕事の契約書を一度だけ相談したいので、Private Chatなら全文を貼っても問題ないでしょうか?
- A. 問題ない
- B. Private Chatでも機密情報は入力しないほうがよい
第3問
モデル学習をオフにした状態で、回答に「👎」を付けて詳しいフィードバックを送りました。このデータは学習に使われないでしょうか?
- A. 必ず使われない
- B. フィードバックは学習に使われる場合がある
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まとめ
Grokのプライバシーは、「Grok単体」と「X上のGrok」を分けて考えるのがいちばん重要です。
- grok.com / Grokアプリの会話は、個人向けではモデル学習に使われる場合がある
Improve the modelをオフにすると、今後の新しい会話をモデル学習から外せる- Private Chatは履歴に残らず、モデル学習にも使われず、原則30日以内に削除される
- 限られた権限者が、モデル改善・セキュリティ・不正利用調査・法的対応などで会話を確認する場合がある
- Xの公開データやX上のGrokとのやり取りは、X側の設定も確認する
- 学習オフ・パーソナライズオフ・会話削除は、それぞれ別の操作
- Business / Enterpriseの顧客データは、モデル学習に使わないと公式に案内されている
- Google DriveやGmailなどのコネクターデータも、公式ドキュメントでは学習に使わず、リアルタイム参照後に保持しないと案内されている
設定を全部覚える必要はありません。
自分がどこからGrokを使っているかを確認して、Grok側とX側のデータ設定を一度見ておく。機密情報は設定に頼らず、そもそも入力しない。
この2つを押さえておけば、プライバシーの考え方はかなり整理できます。