Geminiに役割を与えると回答が変わる(プロンプトの基本)
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ざっくり言うと
頼みごとの一行目に「あなたは〇〇です」と書き添えるだけで、Geminiの返事は中身も言葉づかいも変わります。この一行が役割(ペルソナ)を渡すやり方で、Google公式のプロンプトガイドでも基本のコツとして紹介されています。
しっくりくる役割が見つかったら、その場かぎりにしなくて大丈夫です。Gem(自分専用のAI)に預けておけば、次からは選ぶだけで同じ役割を呼び出せます。
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正確には
Google Workspaceの公式プロンプトガイドでは、プロンプト(AIへの指示文)を組み立てる基本の要素として、次の4つが挙げられています。Persona(ペルソナ)、Task(タスク)、Context(文脈)、Format(形式)です。このうちPersonaが、誰として答えてほしいかを決める部分にあたります。
ガイドには「あなたはフレンドリーなカスタマーサービス担当です」という例文が載っています(※原文:You are a friendly customer service agent.)。こうして立場を先に渡す書き方を役割プロンプトと呼びます。もとの説明は、記事の最後の「参考ソース」の公式ページで読めます。
役割を渡すと、返事のどこが変わるか
- 見る角度が決まる
経理の担当者として頼めば、お金の出入りという角度から考えてくれます - 言葉づかいがそろう
秘書、講師、先輩と、渡した立場に合った調子になります - 見落としが減る
編集者なら誤字や語尾、経理なら金額と日付と、その仕事の人が必ず見るところを拾ってくれます - 指示が短くて済む
細かく書かなくても、立場からトーンや着眼点を補ってくれます
役割は一行目に置く
Google Workspaceのガイドでは、次の順番で組み立てるとうまくいきやすいと紹介されています。
- Persona(役割):あなたは〇〇です、と立場を渡す
- Task(タスク):作ってほしいこと、直してほしいことを書く
- Context(文脈)
何に使うのか、誰が読むのかといった事情を伝える - Format(形式)
箇条書き、表、〇〇文字以内といった形を指定する
先頭の一行で、返事全体の向きが決まります。細かい注文は、そのあとから足していけば大丈夫です。
どんな役割が向いているか
事務の仕事で使うなら、社内に実際にいそうな人を思い浮かべると選びやすくなります。
肩書きは大げさにしない
「世界一の天才科学者」「全知全能のAI」のような肩書きは、避けておくのが無難です。すごそうな言い回しになるだけで、中身は薄くなりがちです。「経理の担当者」「社内報の編集者」くらいの、実際にいる人の肩書きのほうが、返ってくる文章もそのまま使えます。
役割なしと役割ありで、こう変わる
しっくりきた役割は、Gemにして常設できる
毎日のように同じ肩書きを打ち直しているなら、その役割はGemに預けられます。GemはGeminiのなかに作れる、自分専用のAIです。
中身は3つです。
- 名前(Name)
あとで一覧から選ぶときの目印になります - 指示(Instructions)
役割と振る舞い、守ってほしい条件を書く中心の部分 - 資料(Knowledge)
毎回目を通してほしいファイルを添えておく場所
役割を渡すやり方と相性がいいのが、この資料の欄です。役割だけを渡すと、返ってくるのは一般的な経理の話にとどまります。自社の勘定科目表を添えた「経理担当Gem」なら、答える前に毎回その表を見てくれます。出てくる科目名が、自分の帳簿で使っている言葉になるわけです。
作ったGemは、パソコンのWeb版でもスマートフォンのアプリでも呼び出せます(一部の機能はモバイルに対応していません)。対応するGoogle WorkspaceのGeminiサイドパネルにも並びます。
なお、Gemとの会話とふつうのチャットは別々に扱われます。預けた役割が効くのは、Gemを開いた画面だけです。
役割だけでなく、誰に向けて何のために書くのかといった前提もまとめて預けたいときは、Geminiに前提条件を伝える書き方にやり方をまとめてあります。
Gemの作り方は4つの手順
- Geminiの画面からGems manager(または「Gemを作成 / Create a Gem」)を開き、「+ New Gem / 新しいGem」を選びます
- 名前をつけます。「社内報の編集担当」のように、用途がすぐ分かる呼び方にしてください
- 指示に、いつも打っている役割の一行と、守ってほしい条件を書きます
- 毎回見てほしい資料があれば添えて、保存します
資料は必須ではありません。添えるものがなければ、そのまま保存して大丈夫です。画面の細かい流れはGeminiのGems(自分専用AI)を作る入門にまとめてあります。
個人アカウントでGemを作るには、13歳以上、または住んでいる国で決められた年齢以上であることが必要です(2026年7月時点)。条件は変わることがあります。
注意点
Gemの指示欄は、個人情報や社外秘を書き込む場所ではありません。取引先の名前や金額は、その日の用件のほうへ書いてください。
Gemはほかの人に共有できますが、共有した相手には、指示と添えた資料が見えます。編集の権限まで渡すと、内容の書き換えや削除もできてしまいます。共有する前に、添えたファイルと渡す権限を確かめてください。
やってみよう
ステップ1:いつもの頼みごとに、一行だけ足す
役割の一行を先に書いて、そのあとにいつもの用件を続けて送ってみてください。
あなたは社内報を担当する編集者です。
次のお知らせを、社内の全員が読み違えない文章に直してください。
大事な日付は、本文の先頭に出してください。
(ここにお知らせの本文を貼る)
一行足しただけで、日付の置き場所や見出しの付け方まで直った文章が返ってきます。
ステップ2:肩書きだけ入れ替えて、2回送る
同じ文章を渡して、一行目だけを差し替えて2回試してみてください。2つを並べると、違いは一目で分かります。
あなたは社内報を担当する編集者です。次の文章を読みやすく直してください。
(ここに文章を貼る)
あなたは新人研修を受け持つ先輩社員です。
次の文章を、入社1年目の人にも分かる言葉に直してください。
(ここに文章を貼る)
編集者の役では文の整理が中心になり、先輩社員の役では言葉のかみくだきが中心になります。同じ文章を渡しただけなのに、戻ってくるものはまるで違いますよね。
ステップ3:役割・文脈・形式をまとめて渡す
慣れてきたら、Persona、Task、Context、Formatの並びで書いてみましょう。
(役割) あなたは取引先とのやりとりを長く担当してきた営業事務です。
(タスク) 請求書の締め日が変わることを知らせるメールを書いてください。
(文脈) 相手は毎月末に請求書を送ってくれる取引先です。
新しい締め日は2026年8月21日(金)からです。
(形式) 本文は150字以内、丁寧な敬語で。新しい締め日は本文の先頭に書いてください。
立場も条件も決まっているので、宛名を入れ替えればそのまま送れる下書きが返ってきます。
ステップ4:手ごたえのあった役割を、Gemの指示にする
ステップ1から3で「これだ」と思えた一行が、そのままGemの指示になります。役割、振る舞い、守ってほしい条件。この3つを順に書けば、指示はそれで足ります。
あなたは社内報を担当する編集者です。
送られてきた文章を、社内の全員が読み違えないように整えてください。
大事な日付と提出先は、本文の先頭に出してください。
返事は直した本文だけにして、解説はつけないでください。
保存すれば、次からは直したい文章を貼るだけで済みます。
締めに
やることは、頼みごとの一行目に肩書きを足すだけです。それだけで、返ってくる文章の向きが変わります。毎回ゼロから細かく注文するより、こちらのほうが早く済みます。
そして、うまくいった肩書きは使い捨てにしなくて大丈夫です。Gemに預けておけば、明日からは名前を選んだところから話を始められます。まずは今日の頼みごとで、一行だけ試してみてください!
よくある質問
- Q. Geminiに役割を与えると、返事のどこが変わりますか?
- A. 見る角度と言葉づかいが変わります。経理の担当者として頼めばお金の出入りの角度から考え、編集者なら誤字や語尾を拾います。立場から着眼点を補ってくれるので、指示が短くて済みます。
- Q. Geminiへの役割は、頼みごとのどこに書けばいいですか?
- A. 一行目です。「あなたは〇〇です」と立場を渡してから、やってほしいこと、何に使い誰が読むのかという事情、箇条書きや文字数といった形の順に続けます。先頭の一行で、返事全体の向きが決まります。
- Q. Geminiに与える役割は、すごい肩書きのほうが効きますか?
- A. 「世界一の天才科学者」のような肩書きは避けてください。すごそうな言い回しになるだけで、中身は薄くなりがちです。「経理の担当者」「社内報の編集者」くらいの、実際にいる人の肩書きが向いています。
- Q. Geminiに「専門家として」と頼めば、答えの中身も正しくなりますか?
- A. なりません。その立場らしい書きぶりになるだけで、もっともらしい誤りが混ざることもあります。お金・健康・法律にかかわる話は下書きとして扱い、数字や制度の決まりは公式ページで確かめてください。
公開: 更新: ✓ 公式情報と照合:
参考ソース
- Google Workspace - Writing Effective AI Prompts for Business(公式情報)
- Google Workspace Learning Center - Tips to write prompts for Gemini(公式情報)
- Google Workspace Learning Center - Start with a great prompt(公式情報)
- Google Blog - 5 ways to write better AI prompts for Gemini in the Workspace side panel(公式情報)
- Gemini Apps Help - Get started with Gems in Gemini Apps(公式情報)
- Gemini Apps Help - Use Gems in Gemini Apps(公式情報)
- Google Blog - 5 tips on getting started with Gems, your custom AI experts(公式情報)
- Google公式 - Gemini(公式情報)
- Gemini Apps Help - Share a Gem from Gemini Apps(公式情報)
この教科書は無料で全文公開しています。仕事で使えるところまで進みたい方は、実習と資料がそろった生徒プランをどうぞ。
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