ざっくり言うと

「確定申告のコツ教えて」と聞くのと、税理士役で前提を伝えてから聞くのとでは、返ってくる答えの近さがまるで違います。分かれ目になるのは、「役割」「前提」「指示」の3つを伝えているかどうかです。頭に置くのは「ダレに・ナニを踏まえて・ナニをさせるか」の3点で、決まった書式ではありませんが、初心者でも迷わず使える基本の型です。

AIは、こちらの事情を汲み取ってくれるわけではありません。役割・前提・指示のどれかが欠けると、返ってくる答えは一般論のままです。

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この「ダレに・ナニを踏まえて・ナニをさせるか」の3つが頭に浮かべば、難しい本を読まなくても合格点のプロンプトは書けます。

正確には

プロンプト(AIへの指示文)の書き方には、各社の公式ガイドに共通する考え方があります。

公式ガイド挙げている部品・考え方
OpenAI「Prompt engineering」Identity(役割や目的)・Instructions(指示)・Examples(例)・Context(文脈)
Anthropic「Prompt engineering overview」明確な指示・コンテキスト・役割設定(role prompting)など
Google AI for Developers「Prompt design strategies」明確で具体的な指示・コンテキスト・例示・役割設定など

3社に共通しているのは、役割・文脈・明確な指示・例・出力形式などを、目的に合わせて具体的に書くという考え方です。「役割・前提・指示」は、この共通点を初心者向けに3つへまとめた型です。各社がこの3つを必須の形式と決めているわけではありません。

3要素の役割と効果

要素何を書く?主な効果
① 役割AIに演じてほしい立場(例: 税理士・編集者・経理担当)専門用語の選び方や答えの粒度が、その職業のものに寄る
② 前提自分の状況・データ・制約(例: 個人事業主・年商800万円・初心者)一般論ではなく、自分のケースに合った答えになる
③ 指示具体的にやってほしいこと(例:5つ挙げて・表にして・300字で)形式や分量がブレずに、そのまま使える形で返ってくる

3つのなかで特に効くのが、②の前提です。AIは、あなたの仕事も事情も知りません。毎回プロフィールを渡すつもりで前提を書くと、答えは「教科書どおりの一般論」から「自分用のアドバイス」に変わります。

Before→After: 同じ質問でこう変わる

実際の違いを見てみましょう。質問の中身は、どちらも同じ「確定申告」です。

Before(雑なプロンプト)

確定申告で気をつけることを教えて。

→ 返ってくるのは「期限を守りましょう」「領収書を保管しましょう」といった、誰にでも当てはまる話です。教科書の見出しを読んでいる気分になります。

After(3要素入りのプロンプト)

あなたはベテランの税理士です。 (① 役割) 私は個人事業主で年商800万円、業種はWeb制作、青色申告をしています。 (② 前提) 確定申告で特に気をつけるべきポイントを、初心者にも分かる言葉で5つ、箇条書きで教えてください。 (③ 指示)

→ 申告方法の条件や、確認すべき書類・期限など、渡した前提に沿った答えが返ってきやすくなります。ただし、その内容が税務として正しいかどうかは、プロンプトの工夫では決まりません。最後は公式情報を見るか、専門家に確認してください。

同じAIに同じ日に聞いても、頼み方だけで結果はここまで変わります。「AIの性能が低いのかな」と思う場面の多くは、こちらの頼み方があいまいだっただけです。

注意点

具体的に書くほど、外に出る情報も増える

やってみよう

同じ質問をBeforeとAfterで投げ比べる

型が身についたら、次は精度を上げるコツへ進んでみてください。例の渡し方、手順の分け方、出力形式の指定などです。続きの記事は、同じカテゴリの「使う前に知っておくこと」から探せます。