ECサイトのSEO対策|URL・クロール・商品構造を整える基本

ECサイトのSEOは、商品名へ検索されそうな言葉を足すだけでは終わりません。
商品数が増えると、カテゴリ、並び替え、絞り込み、色・サイズ違い、在庫切れ、販売終了と、ページとURLの種類が一気に増えます。
その結果、検索へ出したい商品より先に不要なURLが大量に読まれたり、中身のよく似たURLがサイト内にたまったりします。
ECサイトでは、いい商品説明を書くのと同じくらい、どのURLを重要ページとして残し、Googleにどうたどってもらうかを決めるところが効いてきます。
この記事で扱うのは、一般的な「検索流入を増やす方法」ではなく、ECサイト特有のURL・クロール・サイト構造・商品データです。
クロールとは、Googleの巡回プログラム(Googlebot)がリンクをたどってページを読みに来ることです。
商品ページ・カテゴリ・ブログをどの検索意図で使い分けるかは「ネットショップの検索流入を増やすには?商品ページとブログの基本」で分けて説明しています。
1. ECサイトは「URLの種類」が増えやすい
最初に見るのは、自分のECサイトにどんなURLがあるかです。
一つの商品でも色違いやサイズ違いがあり、同じ商品が複数のカテゴリや絞り込み結果にも出るので、会社案内のような小さなサイトよりURLの種類が多くなります。
代表的なものを並べると、次のとおりです。
- 商品ページ
- カテゴリ・サブカテゴリページ
- ブランド・シリーズページ
- 検索結果ページ
- 価格・色・サイズなどの絞り込み結果
- 並び替え結果
- ページネーション(一覧の2ページ目以降)
- 商品バリエーション(色・サイズ違い)ごとのURL
- 在庫切れ・販売終了商品
ここで困るのは、URLの数そのものより、検索する人に独立した価値を出さないURLが大量にできて、重要なURLとの区別があいまいになることです。
GoogleのeコマースサイトのURL構造に関する公式資料でも、同じ内容へ着く別URLを増やしすぎないことや、URLパラメータをきちんと設計することが案内されています。
URLパラメータとは、「?color=red」のようにURLの末尾へ付く条件の指定です。
ただし、URLの作られ方や正規化(canonical)は、自分で自由に決められるとはかぎりません。
正規化とは、同じ内容のページが複数のURLで見られるときに、どれを代表として検索エンジンへ伝えるかの指定です。
ネットショップを作るためのサービス、つまりECプラットフォームが、URLと正規化の設定を自動で処理していることもあります。
だから先に確かめる場所は、よそで見かけた設定例ではなく、使っているサービス(BASE、Shopify、WooCommerce など)の今の仕様です。
BASEを使っている場合にどこを見ればいいかは「BASEのSEO対策|検索に見つけてもらうための基本設定と改善」で説明しています。
2. まず「検索へ出したいURL」と「出す必要のないURL」を分ける
全URLを同じ重さで扱うと、管理がどんどん複雑になります。
取扱商品が多いほど、全ページを一度に整えるのは難しいので、先に検索から見つけてほしい商品・カテゴリを決めます。
URLの例 | 検索対象として考えやすいケース | 個別判断が必要なケース |
|---|---|---|
主力商品 | 継続販売し、固有情報があり、購入できる | 短期限定・在庫不安定・内容がほぼ同一 |
主要カテゴリ | 商品を選ぶ独自の分類軸があり、商品へ直接リンクできる | 商品が0件、または他カテゴリとほぼ同じ |
絞り込み結果 | 独立した検索需要と固有の価値がある場合 | 色・価格・並び順の組み合わせで大量生成される場合 |
サイト内検索結果 | 通常は検索結果ページとしての役割を優先 | 検索流入用ランディングページとして別設計している場合 |
先に整えるページを「検索回数が多そう」という理由だけで決めると、在庫が安定しない商品や、今後は扱わない商品に手をかけることになります。
だから材料になるのは、検索需要だけでなく、売上・利益、在庫、今後の取扱方針、サイト内での役割です。
売上そのものは小さいカテゴリでも、検索からよく来ていて、そこから関連商品へ案内できているなら、整える候補に入ります。
商品数が多いショップほど、先に「検索で育てるURL」を決めた方が改善対象を絞れます。
初めてなら、重要なカテゴリを一つと、その中の商品三つほどに絞っても十分に進められます。
トップからそのカテゴリ、カテゴリからその商品までを一続きでたどると、説明と導線をまとめて確かめられます。
件数を増やすより、自分で手を入れられる範囲に収まっているかの方が大事になります。
ECの技術SEOでは、まず全URLを最適化するのではなく、検索へ出す価値があるURLを決め、そこへクロール・内部リンク・商品情報を集めます。
3. 絞り込み・並び替えURLは、無限に増えないか確認する
ECサイトで特に気をつけたいのが、ファセットナビゲーションです。
ファセットナビゲーションとは、「色」「サイズ」「価格帯」「ブランド」のような複数の条件で商品を絞り込む仕組みのことです。
条件を組み合わせるたびにURLパラメータが足される作りだと、組み合わせの分だけURLが増え続けます。
GoogleのファセットナビゲーションURLのクロール管理に関する公式資料では、こうしてURLの数が膨らむと、不要なURLへのクロールが増えたり、新しい重要URLの発見が遅れたりすると説明されています。
確かめる場所は次のとおりです。
- 色・サイズ・価格などを選ぶたびに新しいURLができるか
- 条件の順番を変えると別URLになるか
- 同じ商品一覧を返すURLが複数ないか
- 並び替えや一時的なトラッキング値まで内部リンクされていないか
- 検索へ出したい絞り込みページと、出す必要のない組み合わせを区別できているか
検索へ出す必要がないファセットURLについては、Googleはクロールを抑える方法を検討するよう案内しています。
ただし、robots.txt、正規化、nofollowは、それぞれ役割が違います。
robots.txtは、検索エンジンに読みに来てほしくない場所を伝えるファイルです。
nofollowは、そのリンク先をたどらないよう検索エンジンへ伝える印です。
見よう見まねで一括設定すると、プラットフォームが自動で行っている処理とぶつかることがあります。
大がかりなURL制御が要るときほど、今のクロール状況とURLの生成ルールを先に確かめておくと、どの手段が合うかが分かります。
4. 商品は「検索ボックスだけ」でなくリンクからたどれるようにする
重要な商品が、サイト内検索へ商品名を入れないと見つからない状態だと、初めて来た人にも検索エンジンにも不親切です。
初めての人はまだ商品名を知らないので、探す手がかりがないまま離れてしまいます。
Googlebotも通常、サイト内の検索ボックスへ言葉を入れて商品を探すわけではありません。
Googleのeコマースサイト構造に関する公式資料でも、メニューからカテゴリ、サブカテゴリ、商品へリンクでたどれる構造がすすめられています。
検索へ出したい商品ページには、クロールできるリンクだけをたどってたどり着けることが条件です。
- トップ・メニューから主要カテゴリへ進める
- カテゴリから必要なサブカテゴリへ進める
- カテゴリやサブカテゴリから商品ページへ直接進める
- 商品から関連商品や選び方の記事へ進める
- 記事から条件に合うカテゴリ・商品へ戻れる
パンくずリストは、いま見ているページがサイト内のどこにあるかを「トップ → カテゴリ → 商品」のように示す表示です。
使っているテーマやプラットフォームがパンくずリストに対応しているなら、表示が実際のカテゴリ構造とずれていないかも一緒に見ておくと、内部リンクの確認が一度で済みます。
内部リンクは本数ではなく、用途、カテゴリ、対象者、併用関係など、つなぐ理由がある商品どうしを結ぶものです。
5. 商品バリエーションはURLとcanonicalをセットで考える
商品バリエーションとは、同じ商品の色違い・サイズ違いのことです。
これをどのURLで見せるかも、ECサイトでは大きな分かれ目です。
一つの商品ページの中で色・サイズを選ぶサイトもあれば、バリエーションごとに別URLを持つサイトもあります。
Googleの商品バリエーションの構造化データに関する公式資料では、単一ページ方式と複数ページ方式の両方が説明されています。
ここで大事なのは、自分のサイトがどちらの方式かを把握して、内部リンク、サイトマップ、正規化、構造化データのあいだに矛盾を作らないことです。
サイトマップは、サイト内のURL一覧を検索エンジンへ知らせるファイルです。
たとえば同じ商品ページに、色を先に選んだ状態にするだけのパラメータ付きURLが複数あるなら、どのURLを代表として扱う設計になっているかで、正規化の向きが決まります。
逆に、各バリエーションを独立した商品ページとして検索へ出す設計なら、それぞれのURLで価格・在庫・画像がそろっているかが確認点です。
「バリエーションURLは全部正規化で親商品へ寄せればいい」とは限りません。単一ページ方式か複数ページ方式か、プラットフォームがどのURLを作るかを見てから決めます。
6. Product構造化データは、実際の商品情報と一致させる
構造化データとは、ページの内容を検索エンジンが読み取りやすい決まった形で書き添える仕組みです。
ECサイトでは、商品ページの内容をGoogleへ伝える方法の一つとしてProduct構造化データ(Productマークアップ)があります。
Merchant listingとは、Google検索の結果に商品の価格や在庫などが直接出る掲載のことです。
GoogleのMerchant listing向けProduct構造化データの公式資料では、価格、在庫、配送、返品などの商品情報を構造化データで伝えられると説明されています。
ただし、構造化データは本文にない内容を検索エンジン向けに作り足すものではなく、ページに表示している商品名、価格、通貨、在庫、商品状態と一致させるものです。
GoogleはMerchant listingについて、購入できる特定の商品ページを対象にしていて、カテゴリのような商品一覧ページへ一律にProductマークアップを付けることはすすめていません。
確かめる場所は次のとおりです。
- 商品ページに表示している価格と構造化データの価格が一致している
- 在庫切れなのに、在庫ありを示すInStockのまま残っていない
- 商品名・画像・通貨・URLが正しい
- レビューや評価を、存在しないのに作っていない
- 商品バリエーションの構造と実際のページ方式が合っている
構造化データを足したあとは、書いた内容をGoogleが読めるか試せるリッチリザルトテストや、Search Consoleの該当レポートでエラーが出ていないかを見ると、書き間違いが分かります。
Search Consoleは、自分のサイトが検索でどう扱われているかを見られる、Googleの無料ツールです。
ただ、構造化データを入れても、検索結果で必ず特別な表示になるわけではありません。
7. 在庫切れ・販売終了ページを一括で削除しない
在庫が切れた商品ページの扱いは、状態を分けてからでないと決められません。
リダイレクトとは、古いURLへ来た人と検索エンジンを別のURLへ自動で送る転送のことです。
404は、そのURLにページが無いことを伝える応答です。
在庫が切れたからといって、すぐ404にしたり、全部トップページへリダイレクトしたりすると、状態ごとの違いが消えてしまいます。
状態 | 確認すること |
|---|---|
一時的な在庫切れ | 再入荷予定、在庫表示、購入できない理由、再入荷案内 |
販売終了・後継商品あり | 後継商品が本当に同じ検索意図を満たすか |
販売終了・代替なし | ページに今も残す価値がある情報や既存リンクがあるか |
誤って生成された不要URL | 内部リンク、サイトマップ、正規化、ステータスの整合 |
再入荷の予定があるか、代わりになる商品があるか、そのページに残る情報が今も役に立つかで、対応が変わります。
旧商品から無関係な新商品へ301(URLが恒久的に変わったことを伝えるリダイレクト)で転送すると、利用者にも検索エンジンにも意味の違う転送になります。
転送するのは、後継商品が旧URLと同じ目的を引き継げるときだけです。
削除するときは、内部リンクとサイトマップに旧URLが残っていると、そこから存在しないページへ案内し続けることになります。
まとめて削除・転送する前に、そのページへ張られている既存のリンクと、使っているプラットフォームの仕様を確かめておくと、転送先や残す情報を決めやすくなります。
8. Search Consoleでは「URLの種類ごと」に問題を見る
ECサイトでは、Search Consoleの未登録件数だけを見ても原因が分かりません。
インデックス登録とは、検索エンジンのデータベースへページが登録されることです。
商品、カテゴリ、絞り込み、ページネーション、販売終了と、URLの種類を分けて見ると、同じ未登録でも意味が変わってきます。
たとえば「クロール済み・インデックス未登録」が多くても、検索へ出したい主力商品が未登録なのか、出す必要のない絞り込みURLが未登録なのかで、困り方がまるで違います。
最低限、次を書き留めておくと判断しやすくなります。
- URLの種類
- 検索へ出したいか
- Search Consoleの状態
- 正規化で指定した代表URL
- サイトマップに含めているか
- どのページから内部リンクされているか
- 直近の在庫・URL・カテゴリ変更
Search Consoleの未登録理由そのものを切り分けるときは「インデックスされない原因は?Search Consoleの理由別に対処法を整理」が役に立ちます。
9. EC技術SEOの確認順
商品数が多いときの確認は、全URLを端から調べるのではなく、次の順番です。
- 重要な商品・カテゴリを決める
- トップやカテゴリからリンクでたどれるか確認する
- 商品・カテゴリ・絞り込みなどURLの種類を一覧にする
- 不要なパラメータURLが大量生成されていないか確認する
- 正規化・サイトマップ・内部リンクが同じ代表URLを示しているか確認する
- 商品バリエーションとProduct構造化データを確認する
- Search Consoleで重要URLの状態を確認する
この順番だと、「SEO対策だから全商品の説明を書き直す」という大きな作業へ入る前に、構造の問題を見つけられます。
商品ページそのものの中身を一枚ずつ見直す手順は「商品ページのSEO対策|商品名・説明文・画像で見直すポイント」にまとめています。
まとめ:ECのSEOは、重要URLへクロールと商品情報を集める
ECサイトでは、商品が増えるほどURLの種類も増えます。
だから商品説明だけでなく、カテゴリ構造、絞り込みURL、商品バリエーション、正規化、内部リンク、サイトマップ、Product構造化データ、在庫の変化を一体で見ることになります。
最初の一周は、主力カテゴリを一つ選び、トップからそのカテゴリ、その中の商品三つまでリンクだけでたどれるか、途中で不要なURLが大量に生まれていないかを見るだけで足ります。

