ECサイトのコンテンツマーケティング入門|何を書けば売上につながる?

ECサイトでブログを始めても、書く内容が商品の紹介ばかりになってしまい、「これを続けて意味があるのかな」と迷いますよね。
新商品のお知らせは大切です。
ただ、それだけでは、まだ商品を知らない人や、選び方で悩んでいる人の疑問には答えられません。
ECサイトのコンテンツとは、ブログ記事などの読み物のことです。
この読み物には、商品ページだけでは伝えきれない選び方、比較、使い方、手入れを補う役割があります。
とはいえ、読者が記事を読んでも、その場ですぐ購入するとは限りません。
だからこそ、購入までの道のりを段階に分けて、途中の反応も見ていきましょう。
検索結果への表示、記事の閲覧、商品ページへの移動、購入という四つに分けて見れば、少しずつ改善していけます。
この記事では、題材の見つけ方、記事の種類の分け方、そして読者に必要な商品ページへ自然につなぐ方法を説明します。
検索から人を集める方法の全体像は、「ネットショップの検索流入を増やすには?商品ページとブログの基本」で扱っています。
ここでは、その中でも「何を書くか」という企画の部分に絞って説明します。
1. ECのコンテンツは販売員の説明を補う

ECサイトの記事は、実店舗なら販売員が口で答えるような質問に、あらかじめ文章で答えておくものです。
読者は知りたくなったときに、その答えを自分で確認できます。
商品ページは、価格、仕様、画像、配送など、買うかどうかを判断するために必要な情報をまとめる場所です。
一方、ブログ記事では、複数の商品に共通する選び方や、購入したあとの使い方を詳しく説明できます。
商品ページと記事の役割を分けると、次のようになります。
| 商品ページで主に伝えること | 記事で詳しく補うこと |
|---|---|
| 商品の特徴、仕様、価格 | 種類ごとの違いと選び方 |
| サイズ、素材、内容物 | 測り方、比較の基準、失敗しやすい点 |
| 基本の使い方 | 準備、手順、応用、手入れ |
| 配送、返品、注意事項 | 購入前によくある迷いと確認方法 |
| 商品画像 | 実際の利用場面や組み合わせ例 |
「どう売るか」から記事を考えると、毎回似たような商品紹介になりがちです。
「お客様は何を知れば、自分で選べるようになるか」から考えると、記事で書くことが見えてきます。
記事の目的は、商品名を繰り返すことではありません。読者の疑問へ十分に答えて、その人が自分の条件に合う商品を選べる状態にすることです。
商品の背景や作り手の思いを伝える記事もあります。
その場合も、確かめられる事実と、実際に行っている工程を中心に書くと、読者へ伝わりやすくなります。
宣伝で終わらせず、読んだ人が何か一つ判断できる記事を目指しましょう。
2. 購入前後の質問を集める

記事の題材は想像だけで決めず、お客様から実際に寄せられた質問の中から選びましょう。
問い合わせや接客で何度も説明している内容があれば、ほかのお客様も同じところで迷っている可能性が高いからです。
質問を集める場所はこちらです。
- 問い合わせフォームやメールで届いた質問
- 商品レビューに書かれた感想と、返品・交換の理由
- 店頭、商談、電話でくり返し説明している内容
- サイト内検索で入力された言葉
- 検索での見え方が分かるGoogle Search Consoleに出てくる検索語
- SNSに届いた返信や、商品について聞かれたこと
集めた質問は、お客様が購入へ進む段階ごとに分けてみましょう。
| 段階 | 質問の例 |
|---|---|
| 知る | どのような種類があるか、何に使うものか |
| 比べる | 自分に合うサイズはどれか、違いは何か |
| 購入する | 何が届くか、送料や到着はどうなるか |
| 使う | どう始めるか、手入れや保管はどうするか |
| 困ったとき | うまく使えないときに何を確認すればよいか |
段階ごとに並べると、似た質問でも別々の記事に分けるべきかどうかを判断しやすくなります。
質問に出てくる言葉がどれくらい検索されているかは、分からなくても心配いりません。購入の前後で何度も聞かれている質問なら、読者の行動を助ける大切な題材です。
届いた質問を、一つずつそのまま記事タイトルにする必要はありません。
似た質問はまとめて、「誰が、どんな場面で、何を判断するための記事か」を決めてから構成を作りましょう。
お客様から届いた問い合わせの内容を記事に使うときは、その人や注文を特定できる情報を書かないよう注意してください。
3. 記事タイプを分ける

質問を集めたら、答え方に合わせて記事のタイプを分けましょう。
同じ商品の紹介を言い換えただけの記事を増やしても、読者の役には立ちません。
記事ごとに、読者の違う判断や行動を助けられるように分けてください。
代表的な記事タイプはこちらです。
- 基礎
その商品分野の用語、種類、基本の考え方を説明する - 選び方
用途、サイズ、予算など、選ぶときの判断基準を整理する - 比較
複数の商品を同じ条件で比べて、違いを示す - 問題解決
うまくいかないときの原因と、確認する手順を示す - 事例
実際の利用場面、その商品を選んだ理由、使い方を具体的に伝える - 使い方
準備、手順、注意点、手入れの方法を順番に説明する
たとえば、「収納用品の選び方」と「収納用品Aの商品紹介」では、読者が知りたいことが違います。
選び方の記事では、何を基準に比べればよいかを示します。
商品ページでは、収納用品Aの寸法や素材、価格を確認できるようにしましょう。
新しい記事を作る前に、すでに公開している記事と答えが重なっていないかも確認しましょう。
内容が近いときは、新しい記事を増やすより、今ある記事に足りない質問への答えを書き足すほうが、読者には分かりやすくなります。
記事の公開予定表には、対象者、答える質問、記事タイプ、案内する商品、公開後に見る反応を書いておきましょう。
あとから見返したときに、何を狙った記事かを思い出しやすくなります。
4. 商品リンクは答えの後に置く

商品ページへのリンクは、読者の疑問に答えたあとに置きましょう。
記事を開いてすぐ商品一覧が並んでいると、選ぶ基準を知りたかった人は迷ってしまいます。
自分に合う商品を選べないまま、前のページへ戻ってしまうかもしれません。
リンクを置く前に、次の内容が読者へ伝わっているか確認してください。
- どんな条件で選べばよいか
- 選択肢ごとにどんな違いがあるか
- どんな人に向き、どんな条件では向かないか
- 購入前に確認しておく仕様や注意点は何か
そのうえで、「狭い場所に置きたい方には、このサイズの商品が向いています」のように、その商品をすすめる理由を一言添えましょう。
リンクの文字も「こちら」だけで済ませず、「幅を抑えた収納用品を見る」のように、押した先に何があるか分かる言葉にしてください。
GoogleのSEOスターターガイドでも、リンクに使う文字、つまりアンカーテキストは、リンク先の内容が分かる自然な言葉を選ぶよう案内されています。
そのガイドでは、関連するページ同士をリンクでつなぐ考え方も紹介されています。
商品リンクは、数を増やすことより一言の説明を優先しましょう。記事で示した条件にその商品がどう合うのかを添えると、読者は次の行動を判断しやすくなります。
記事と関係の薄い商品をまとめて並べたり、同じリンクを短い間隔で何度も置いたりする必要はありません。
サイト内でどのページ同士をつなぐかという内部リンクの考え方は、「内部リンクでSEOはどう変わる?読者にも検索にもわかりやすい設計」で詳しく説明しています。
5. 売上だけでなく途中の反応を見る

記事の成果は、購入件数だけで判断しないでください。
高額な商品や、じっくり検討する商品では、記事を読んだその日に購入されるとは限らないからです。
購入までの途中で読者がどう動いたかも、段階に分けて見ていきましょう。
読者が購入へ進む流れは、次のように整理できます。
- 検索結果に記事が表示された
- 検索結果から記事へ来てもらえた
- 記事から商品ページやカテゴリページへ移動してもらえた
- 商品をカートへ入れてもらえた
- 購入まで完了した
検索結果への表示とクリックは、Search Consoleで確認できます。
Googleの検索パフォーマンス レポート公式ヘルプを参考に、ページ、表示回数、クリック数、そしてクエリを見てみましょう。
クエリとは、検索された言葉のことです。
記事から商品ページへの移動と購入は、使っているアクセス解析ツールとショップの管理画面で確認しましょう。
どちらも、集計する期間や対象をそろえてから見比べてください。
一つの数値だけで記事の良し悪しを決めるのは避けましょう。
あわせて、記事を公開したときの在庫状況、広告の出稿、季節、公開してからの期間も記録しておきましょう。
数値に変化が見つかったときは、記事タイトル、説明文、商品リンクを一度に変えないでください。
どの変更が効いたのか分かるように、一つずつ直しましょう。
サイトを訪れた人のうち、購入まで進んだ人の割合をCVRといいます。
CVRを同じ条件で比べる方法は、「商品ページのCVRを改善するには?購入前の迷いを減らす見直し方」で確認できます。
検索結果への表示、記事への訪問、商品ページへの移動、カートへの追加、購入を分けて見てみましょう。足りないのが記事の説明なのか、商品ページの情報なのかを判断しやすくなります。
まとめ

ECサイトの記事を作るときの要点を振り返ります。
- 商品ページで伝えきれない選び方、比較、使い方を記事で補う
- 問い合わせ、レビュー、検索語、接客での説明内容から質問を集める
- 集めた質問を、基礎、選び方、比較、問題解決、事例、使い方の記事タイプへ分ける
- 読者の疑問に答えたあとで、条件に合う商品を理由付きで案内する
- 検索結果への表示から購入までを段階に分けて確認する
- 一度にあれこれ変えず、直した内容を記録しておく
まずは、この一か月で繰り返し聞かれた質問を三つ書き出し、それぞれどの記事タイプで答えるかを決めてみましょう!
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