AIで作ったホームページ、そのまま公開して大丈夫?人が確認したいポイント

AIに頼むと、文章も画像もデザインもコードも、短時間でホームページらしい形になります。
ただ、AIが作れたことと、その内容を自社の名前で公開していいかは、別の判断です。
AIの出力には、元資料にない事実や古い情報が混ざることがあります。
画像の権利や、動いているように見えるだけのコードも、最後に人が見ないと気づきにくいところです。
この記事では、どのホームページにも共通する公開前チェックは繰り返さず、AIで作ったホームページだからこそ人が見ておきたい部分に絞ります。
公開前の確認を全体から見たいときは「ホームページ公開前チェックの全体像|公開判断を6分野で整理」が先です。
1. まず「AIが作った部分」を分けて把握する
AIが作ったホームページは、完成品というより「人が確かめられる形まで進んだ初稿」と考えると分かりやすいです。
AIは、自社の最新情報や、社内で決めた細かな条件をすべて知っているわけではありません。
そのため、見た目が整っていても、それらしく書かれた文章が事実と合っているとは限りません。
最初にやるのは、サイトのどこにAIを使ったかの書き出しです。
- ページ構成・見出し案
- 本文・キャッチコピー
- 画像・イラスト
- デザイン案
- HTML・CSS・JavaScriptなどのコード
- SEO用のtitleやdescription
- FAQや構造化データ
AIを使った範囲が分からないと、どこを元資料と照らせばいいかも決まりません。
AIの案を人が大きく書き換えた部分と、そのまま採用した部分も分けておくと、あとの確認が楽になります。
経済産業省・総務省のAI事業者ガイドライン第1.2版も、AIを使う側にとって重要なこととして、出力の精度やリスクを理解し、リスク要因を確認したうえで使うことを挙げています。
公開するかどうかを最後に決めるのは人なので、「完成したように見える」状態は、確認を始める合図です。
「AIを使ったサイト」ではなく、「AIが何を作り、人がどこを確かめたか」まで分けると、公開の判断がかなり具体的になります。
2. 事実・数字・約束を元資料と照らす
最初に見るのは、文章の雰囲気ではなく事実です。
中でも会社情報や料金は、間違っているとお客様に直接迷惑がかかるので、言い回しを整えるより先に見ておきたい項目です。
照らし合わせるときは、会社概要、料金表、サービス資料、契約条件など、自社で正しいと判断できる資料を手元に開いておきます。
確認するもの | AI生成で特に見ること |
|---|---|
会社情報 | 存在しない所在地、役職、営業時間を補っていないか |
料金 | 最低価格、税込・税別、追加料金、支払条件を勝手に推測していないか |
サービス | 対応できない機能・地域・納期を、できるように書いていないか |
実績・資格 | 存在しない数字、受賞歴、資格、顧客事例を作っていないか |
強い表現 | 「必ず」「No.1」「最安」など、根拠を示せない断定がないか |
文章が自然だから正しい、とは限りません。
とくに、AIへ材料を十分に渡していない箇所ほど、もっともらしい補足が入りやすいです。
仮の口コミ、見本の社名、サンプル価格がそのまま残っているのも、意外と見落としやすいところです。
ページ内の数字と固有名詞だけを抜き出して一覧にすると、長い本文をそのまま読むより照らしやすくなります。
個人情報や社外秘の資料をAIへ追加で入力するときは、使っているAIサービスが入力内容をどう扱うかと、社内のルールを見るのが先です。
元資料にない事実が見つかったら、「AIが書いたから」と曖昧に残さず、削るか、確かめられる事実に置き換えます。
3. 文章・画像が「作れた」だけでなく、公開に使えるか確認する
事実が正しくても、AIが作った文章や画像が自社に合うとは限りません。
たとえば、地域の人に気軽に相談してほしいお店で、専門用語ばかりの固い文章になっていたら、ページを見た人は少し距離を感じます。
反対に、信頼を大事にしたいサービスで言葉が軽すぎると、料金や対応範囲のような大事な条件まで曖昧に見えてしまいます。
文章で見るのは、普段の接客とかけ離れた言葉、必要以上に大げさな表現、同じ意味の言い換えの繰り返しです。
画像で見るのは、人物の手や文字の生成崩れと、他社のロゴ・作品・キャラクターに不自然に似ている箇所です。
自社を知らない人にページを見てもらい、「どんな会社で、何を頼めるように見える?」と聞くと、初めて見た人の受け取り方が分かります。
文化庁は「AIと著作権について」というページで、考え方やチェックリストを公開しています。
AI生成物の権利の判断は、入力した素材、生成の過程、出力の内容、使い方などで変わります。
「AIで作ったから自由に使える」とも「AIだから必ず問題になる」とも、一律には決められません。
公開に使う根拠を説明できない素材や、他社の作品に似て見える画像は、そのまま公開に回さず、別の素材に差し替えるか、専門家に確かめてから使います。
4. AIが書いたコードは「画面が出た」で確認を終えない
AIがコードを書いた場合に確かめるのは、ブラウザに表示できたかではなく、お客様が迷わず操作でき、送った情報がちゃんと届くかです。
パソコンとスマートフォンの両方で、次の項目を実際に試すと、動いているかどうかがはっきりします。
- メニューと各リンクを押すと、正しいページへ移動する
- 電話、地図、SNSなどの外部リンクが意図した先へつながる
- 問い合わせフォームで、入力からエラー表示、送信完了まで進める
- 自動返信や運営者への通知を設定している場合、実際にメールが届く
- 文字や画像が画面からはみ出さず、拡大しても内容を読める
- キーボードでも主要なリンクやフォームを操作できる
- 404ページ(存在しないURLを開いたときのページ)や入力エラーが出たとき、次の行動が分かる
AIに修正を頼んだあとは、頼んだ範囲の外まで変わっていないかを見ておきます。
APIキーやパスワードのような秘密情報がコードに残っていないかも、同じタイミングで確かめられます。
サイトが動いていることと安全であることは別で、コードやサーバーの安全性は画面を見ただけでは分かりません。
IPAの「安全なウェブサイトの作り方」では、アクセス制御やクロスサイト・スクリプティングなど、Webサイトで見ておきたい代表的な脆弱性(攻撃に悪用されるおそれのある弱点)と対策が整理されています。
ログイン、決済、会員情報、個人情報を扱うサイトなら、技術に詳しい人や専門のサービスに確認を頼む方が確実です。
使っている仕組みの更新状況や、管理画面に入れる人の権限まで、あわせて見てもらう範囲に入れます。
AIにコード修正を任せるときの差分確認・テストの流れは「コーダーのAI活用入門|コード生成で失敗しない使い方と確認」で詳しく扱っています。
5. 公開前は、人が主要な流れを一度通す
AIが文章とコードを作り、AIがチェック結果まで出していても、公開前には人が実際のサイトを一度通します。
- 正式なURLでトップページを開く
- 何の会社・サービスか読み取る
- 料金・条件・会社情報を確認する
- PCとスマホで主要ページを見る
- 問い合わせや申込みの主要導線をたどる
- フォームをテスト送信する
- 完了表示と通知を確認する
気になるところが見つかったら、内容とリスクの大きさで、自分で直すか、確認や修正を頼むかを分けます。
全部を自分で直そうとすると時間がかかりますし、反対に全部を外へ任せると、何を頼みたいのかが相手に伝わりにくくなります。
気になる内容 | 対応の目安 |
|---|---|
会社情報、料金、言い回し、画像の差し替え | 管理画面で変えられるなら自分で直しやすい |
文章全体の分かりやすさ、自社らしさ、ページのつながり方 | Web担当者や第三者に確認を頼むと整理しやすい |
レイアウト崩れ、フォーム、表示速度、コード | 制作会社や技術者に修正を相談する |
ログイン、決済、個人情報、サーバー | セキュリティや各分野の専門家に相談する |
著作権、法律で求められる表示、契約上の判断 | 必要に応じて法律などの専門家に相談する |
自分で直すなら、変更前の状態を保存してから、一か所ずつ変えて表示を見ると、うまくいかなかったときに元へ戻せます。
AIで作ったサイトの直し方は「AIで作ったサイトを直したい|よくある失敗と修正を頼む前の整理」で、修正箇所の分け方から説明しています。
頼むときに渡すのは、ページのURL、気になる箇所、理想の状態、公開予定日の4つです。
「何となく不安です」だけより、この4つがそろっている方が、相手も答えやすくなります。
公開前に直す問題と、公開後でも調整できる部分を分けると、公開していいかどうかも決めやすくなります。
公開後に回す項目には、担当者と対応期限を付けておきます。
ここまで見終えたら、最後はふつうのホームページと同じ公開前チェックに進みます。
全体の公開前チェックは「ホームページ公開前チェックの全体像|公開判断を6分野で整理」、実際の項目一覧は「ホームページ公開前チェックリスト|スマホ・文章・導線・設定をまとめて確認」にあります。
まとめ:AIが作った部分ほど、確認方法を決めてから公開する
AIでホームページを作るとき、AIを使ったこと自体は問題ではありません。
どの部分をAIが作り、その内容を何と照らして確かめたかで、公開の判断が決まります。
事実・数字は自社の資料、文章・画像は自社に合うかと権利、コードは頼んだ範囲・操作・安全性と、照らす相手がそれぞれ違います。
最後に「自社の名前で公開していい」と判断する人を決め、未確認のまま外へ出る項目をなくすところまでが、AI生成サイトの公開前レビューです。
まず一つやるなら、ページ内の数字と固有名詞を抜き出して、自社の最新資料と照らすところからです。

