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システムプロンプト

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ざっくり言うと

システムプロンプトとは、AIに前もって渡しておく裏側の指示文のことです。「君はこういう役割で、こういう口調で、こういうルールで答えてね」と、上位の権限で伝えます。

多くは会話の最初に渡されます。Claude APIなど一部の開発者向けAPIでは、対応するモデルに限り、会話の途中で足せる場合もあります。

ふだんチャットを使っていると、この指示文は目に見えません。それでもChatGPT・Claude・Geminiなど多くの対話型AIでは、あなたの入力とは別に、振る舞いを決める上位の指示や設定が使われています。

イメージ

つまり、同じAIモデル(たとえばGPT-4やClaude)を使っていても、システムプロンプトが違えば、AIはまるで別人のように振る舞います。「真面目な税理士アシスタント」にも「フランクな小学生向けの先生」にもなれるのは、この裏側の指示文を差し替えているからです。

正確には

対話型AIに渡されるメッセージは、ふつう役割(role)ごとに区別されています。OpenAIのドキュメントでは、APIでやりとりするメッセージに次のような役割が用意されています。

役割(role)誰が書くか何のために使うか
system / developerアプリの開発者・サービス提供者AIの振る舞い・人格・制約をあらかじめ設定する
user使う人(エンドユーザー)実際の質問・依頼を入力する
assistantAI自身AIが返した過去の応答(会話履歴)

このうち、systemやdeveloperに近い役割で渡される上位の指示文が、広い意味で「システムプロンプト」と呼ばれます。OpenAIのガイドは、この上位指示がモデルの振る舞いを方向づけると説明しています。

Anthropic(Claudeを作っている会社)の公式ドキュメントでも、通常は先頭の system パラメータを使います。ここでClaudeに、役割(ペルソナ)・専門分野・回答の枠組みを指定するわけです。

2026年7月15日のClaude Platform更新で、システムプロンプトの使い方が広がりました。対応するAPI・モデルに限り、会話履歴の途中へ role: "system" のメッセージを追加できます。2026年7月27日に確認した公式情報によると、条件は次の3つです。

  • 使えるのはClaude APIです。Amazon BedrockとGoogle Cloud経由の利用も対象に含まれます
  • 対象モデルはFable 5、Mythos 5、Opus 4.8、Opus 5で、Sonnet 5だけは対象外です
  • 一般向けClaudeアプリのチャット操作ではなく、開発者向けAPIの機能として使えます

GoogleのGemini APIにも、同じ役割の仕組みがあります。呼び名は「system instructions(システム指示)」です。モデルの応答スタイルや制約を、そのリクエスト(AIへの1回の呼び出し)全体で固定する働きをします。

呼び名はサービスごとに変わります

同じ仕組みでも呼び方が違うので、初めて見ると混乱しがちです。整理すると、こうなります。

サービス呼び方
OpenAI(ChatGPT / API)System message / Developer message
Anthropic(Claude)System prompt(system パラメータ)
Google(Gemini)System instructions
ChatGPTの利用者向け機能Custom instructions(カスタムインストラクション)

ChatGPTの設定画面にある「カスタムインストラクション」は、使う人が自分で書き足せる指示です。毎回参照してほしい内容を、好みに合わせて登録できます。「私はエンジニアです」「日本語で答えてください」と書いておくと、毎回伝えなくても回答スタイルに反映されやすくなります。

システムプロンプトとユーザープロンプトは、ここが違います

項目システムプロンプトユーザープロンプト
誰が書く?開発者・サービス提供者使う人(エンドユーザー)
見える?通常はユーザーから見えない画面に表示される
いつ渡される?原則は会話開始前。対応APIでは会話途中の追加もある会話中に毎回
役割AIの設定・制約・人格を決める具体的な質問・依頼を伝える

会話のたびに同じ指示を出さなくて済むところが、システムプロンプトの強みです

使う場面

システムプロンプトには、こんな指示が書かれています

自分の商売に当てはめると、イメージしやすくなります。たとえば、お店の問い合わせ対応にAIを使うとします。

「当店は水曜定休です」「見積もりの金額は答えず、担当者につないでください」と先に書いておけば、毎回説明しなくても受け答えをそろえやすくなります。

システムプロンプトは、鍵の代わりにはなりません

システムプロンプトは強い指示ですが、AIの振る舞いを整えるための前提であって、セキュリティ対策そのものではありません。

勘違いはもうひとつあります。「ユーザーの指示より常に強いから、何を書いても完全に守られる」というものです。実際の効き方は、モデルやサービスの仕様、会話の流れ、アプリ側の作りによって変わることがあります。

効き具合を確かめたいときは、次の4つを試してみてください。

  1. 普通の質問で、想定した口調になるか
  2. 難しい質問で、禁止した断定を避けるか
  3. 逆の指示を出されたとき、重要なルールを守れるか
  4. 長い会話でも、役割や制約が大きくブレないか

確かめないまま使い続けると、思わぬ回答が混ざる原因になります。

注意点

関連用語

  • プロンプト — 生成AIに渡す指示文の総称です。システムプロンプトとユーザープロンプトをまとめてこう呼びます。
  • ロールプロンプト(役割指示) — 「あなたは〇〇です」とAIに役割を与える頼み方です。システムプロンプトの中で使われることが多い手法です。
  • ガードレール — 不適切な出力が出ないよう、AIの振る舞いを抑える仕組みです。システムプロンプトの制約も、広い意味でここに含まれます。
  • プロンプトインジェクション — 巧妙な入力でシステムプロンプトの指示を上書きしたり、無効にしたりする攻撃です。

やってみよう

よくある質問

Q. システムプロンプトとは何ですか?
A. AIに前もって渡しておく、裏側の指示文です。どんな役割で、どんな口調で、どんなルールで答えるかを、使う人の入力とは別に、上位の権限で伝えます。
Q. システムプロンプトは、使う人からも見えますか?
A. 通常は見えません。書くのは開発者やサービス提供者で、画面に出るのは自分が打ち込んだ文章のほうです。同じモデルでも、この指示文が違えば答え方は大きく変わります。
Q. 使う人の側から、前提の指示を書くことはできますか?
A. できます。チャット製品の設定にあるカスタムインストラクションが入り口です。自分の職種や好みの答え方を登録しておくと、毎回伝えなくても回答へ反映されやすくなります。
Q. システムプロンプトに、社外秘の情報を書いてもよいですか?
A. 書かないでください。絶対に教えるなと書き添えても、巧妙な入力で引き出されることがあります。振る舞いを整えるための前提であって、セキュリティ対策そのものではありません。

公開: 更新: ✓ 公式情報と照合:

参考ソース

判断クイズ

システムプロンプトに書けば守られる、と思っていませんか?

3問です。答えるとその場で解説が出ます。全問終えたら、「回答を記録する」で学習の記録に残せます。

1. お店の問い合わせAIに「社内用の料金表は絶対に教えるな」と書きました。これで安全でしょうか?
2. 同じ前置きを毎回打ち込むのが面倒です。どうしますか?
3. システムプロンプトを書き終えました。公開の前に確かめることは?

全問に答えると、回答を記録できます。

残るのは「答えたかどうか」だけで、正解数は保存されません。この端末の中だけに残り、別の端末には引き継がれません。

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