ECサイトで商品が購入されないのはなぜ?離脱ポイントの見つけ方

ECサイトへの訪問はあるのに注文が入らないと、つい商品ページばかりを直したくなります。
けれど、買い物客が手を止める場所は、商品ページとは限りません。
カートで送料を知って迷う人もいれば、入力のエラーを直せずにサイトを離れる人もいます。
注文が入らない理由は、商品一覧から購入完了画面までの流れ全体のどこかにあります。
そこで、この流れを段階ごとに分けて調べます。
この記事では、段階ごとに確認したい数字と画面、そして自分で購入テストを行う手順を紹介します。
1. 購入までの流れを分解する
購入までの流れを段階に分けると、どこで次へ進む人が減っているのかが見えます。
「購入されない」という結果だけでは、どの画面を直せばよいのか決められないためです。
購入までの基本の流れは、次のように整理できます。
- 商品一覧や検索結果を見る
- 商品ページを開く
- 商品を選んでカートへ入れる
- カートの内容と条件を確認する
- 配送先や連絡先を入力する
- 支払い方法と注文内容を確認する
- 注文を確定し、完了画面へ進む
使っているショップシステムによって、画面の名前や集計項目の呼び方は違います。
呼び方が違っても、段階に分けて見るという考え方は同じです。
段階ごとに、次へ進んだ人数や回数、起きたエラー、届いた問い合わせを分けると、どこが弱いのかを比べられます。
サイト全体の購入率だけでは、買い物客が離れている場所までは分かりません。「どの画面から次の画面へ進めていないか」まで分けて見ます。
数え始める前に、商品ページの閲覧、カートへの追加、購入完了をそれぞれどう数えるかを決めます。
同じ人が何度も見た回数と、実際に訪れた人数を混ぜて数えると、段階ごとの比較ができなくなります。
社内のテスト注文を購入件数へ含めてしまうと、同じように数字が実態からずれます。
注文の数がまだ少ないうちは、割合だけを見ても実態が分かりません。
自分で画面を操作したときの気づきや、届いた問い合わせの内容も一緒に見ます。
2. 商品ページで止まる理由
商品ページで多くの人が離れているなら、購入を決めるために必要な情報がそろっているかどうかが分かれ目です。
商品そのものが悪いと決めつける前に、「誰向けの商品か」「何が届くか」「いくらかかるか」が伝わっているかを見ます。
商品ページで確かめる項目は次のとおりです。
- 誰向けの商品で、どんな場面で使うのかが分かる
- その特徴が使う人の何の役に立つのかが分かる
- サイズ、素材、使い方、届くものを確認できる
- 全体、細かい作り、大きさを画像で見られる
- 価格、送料、配送、返品の案内へすぐたどり着ける
- 運営者情報と問い合わせ方法が分かる
- 色やサイズなどの選択肢を迷わず選べる
商品ページがよく見られていても、喜べるとは限りません。
必要な情報が見つからず、何度も同じページを行き来しているだけかもしれないためです。
その商品を知らない家族や知人にページを見てもらい、「買う前にまだ知りたいことはある?」と聞きます。
自分では気づけない説明不足が、そこで見つかります。
ページに長くとどまっていることが、よい反応だとは限りません。じっくり読んでいるのか、必要な条件を探して迷っているのかは、画面と操作の両方を見ないと分かりません。
商品ページに多い原因は、「ECの商品ページが売れない7つの原因|まず確認したいポイント」で詳しく整理しています。
3. カートで止まる理由
カートで離れる人が多いときは、商品ページに書かれていなかった費用や条件が急に現れていないかを確かめます。
商品を選ぶところまで納得していても、思っていなかった送料や会員登録の案内が出てくると、「もう一度考えよう」と手が止まります。
買い物客の立場になって見直す点は、次のとおりです。
- カートの中で、商品、種類、数量を確認して変更できる
- 税、送料、手数料を含めた支払総額が分かる
- 発送や到着の目安を確認できる
- クーポンを持っていなくても、そのまま購入へ進める
- 会員登録が必要なのか、登録せずに買えるのかが分かる
- 在庫切れや、一度に買える数の上限が文章で分かる
- カートから商品ページへ戻っても、選んだ内容が消えない
割引クーポンの入力欄が大きく目立っていると、クーポンを持っていない人が「どこかで探してから買うべきかな」と迷ってしまいます。
一部の人だけが使う機能が、クーポンを使わずに購入する人の操作を妨げていないか、見せ方を見直します。
なお、インターネット通販の最終確認画面には、表示しなければならない項目が特定商取引法で定められています。
消費者庁の特定商取引法ガイド「通信販売」によると、分量、販売価格と送料、支払時期・方法、引渡時期、返品特約を含む申込みの撤回・解除に関する事項などが表示の対象です。
自分のサイトのどの画面に何を表示すべきか判断に迷ったときは、公的な相談窓口や専門家に相談します。
商品ページとカートで価格や条件が食い違っていないかを見比べます。あわせて、注文を確定する前に内容を見直して直せるかどうかも、実際に操作して試します。
4. 入力・決済で止まる理由
入力と決済の画面で手が止まる原因の一つは、何を直せばよいか分からないエラーです。
スマートフォンで操作しにくくないかも、あわせて見ます。
入力する項目が多いことだけが負担ではありません。
入力欄が何のために必要なのか、どう書けばよいのかが分からないことも、手が止まる原因になります。
テストするときは、正しく入力する場合だけを試すのではありません。
あえて空欄のまま進めたり、決められた形式と違う書き方をしたりして試します。
- 必ず入れる欄と、入れなくてよい欄を見分けられる
- 氏名、住所、電話番号など、それぞれの欄が何に使われるか分かる
- 入力例と、使える文字の種類が示されている
- エラーが起きた場所と直し方が、文章で示される
- エラーが出ても、正しく入力した内容まで消えてしまわない
- 戻る操作をしても、購入を最初からやり直さずに済む
- 使える支払い方法と、選べない支払い方法がある理由が分かる
- 注文を確定する前に、商品、数量、金額、配送先を見直せる
W3Cのフォームチュートリアルでは、入力欄に目的が分かるラベルと書き方の案内を付ける方法が説明されています。
入力内容を確認し、その結果を入力した人へ伝える方法も紹介されています。
コードを直せなくても、記録を残すところは自分でできます。
エラーが起きた画面、使った端末、入力した内容、本来どうなってほしいのかを記録に残します。
記録が残っていれば、制作担当者へ具体的に伝えられます。
支払い方法を増やすかは、要望の多さだけで決まりません。
使える人の範囲、手数料、入金の時期、返金のしかた、日々の手間、安全性を、利用するサービスの公式情報で確かめます。
これらの条件は変わることがあるため、必ず最新の案内を見ます。
なお、カード番号などの決済情報そのものは、テストの記録にもスクリーンショットにも残さないよう注意が要ります。
5. 自分で購入テストを行う
最後は、自分で商品を選ぶところから購入完了画面までを、通して操作します。
管理画面のプレビューだけでは、公開されているページの送料、通知メール、決済、在庫の動きまでは確かめられないためです。
始める前に、使っているショップシステムの公式案内で、テスト注文、テスト決済、キャンセル、返金のやり方を調べます。
テスト用の仕組みがなく、本物の注文や決済が発生する方法しかないこともあります。
その場合は、誰がいつテストし、あとでどう取り消すかを決めてから、慎重に進めます。
テストでは、次の条件を変えながら見ていきます。
- パソコンとスマートフォンで同じ商品を購入する
- 在庫あり、在庫切れ、種類違いの商品を試す
- 正しい入力、空欄のまま、形式違いの入力をそれぞれ試す
- 前の画面へ戻る、数量を変える、商品を削るなど途中の操作を試す
- 購入完了画面、買い物客へ届くメール、自分へ届く注文通知を確認する
問題を見つけたら、どのページのどの操作でつまずいたのかを、その場でメモに残します。
あとから直す順番を決めるときの材料になります。
スクリーンショットを残すときは、テストで入力した住所や電話番号が写っていないかを確かめて、必要な範囲だけを保存します。
購入テストは、商品ページだけで終わりません。カート、入力、注文確認、完了画面、通知メールまでを一つの流れとして見ます。
テストが終わったら、残ったテスト注文と顧客情報を、利用サービスの手順に沿って取り消します。
テストで減った在庫の数も、あわせて元へ戻します。
ここまでは、実際に購入操作を試して、買い物客が離れている場所を見つける方法を紹介しました。
数字から分析する方法は、「商品ページのCVRを改善するには?購入前の迷いを減らす見直し方」で詳しく説明しています。
まとめ
買い物客が離れている場所を見つけるための要点を振り返ります。
- 一覧、商品ページ、カート、入力、決済、完了へと流れを分ける
- どの段階から次へ進めていないのかを確認する
- 商品ページの説明、画像、価格、運営者情報を見直す
- カートで初めて分かる費用や条件を減らす
- 入力エラーの場所と直し方が伝わるか確かめる
- パソコンとスマートフォンの両方で、完了画面と通知まで試す
まずはスマートフォンで商品を一つ選び、説明を読まずに購入完了まで進めるかを試します。
最初に手が止まった場所が、いま直すべき場所です。

