GrokのExpertモードで深く考えさせる
この記事は約9分で読めます
ざっくり言うと
GrokのExpert(エキスパート)モードは、答える前にじっくり考えてもらうためのスイッチです。
2026年7月29日時点のGrokでは、入力欄のモードセレクターからAuto / Fast / Expert / Heavyの4つを選びます。じっくり考えさせたいときに選ぶのがExpertです。「Think(シンク)」は、Grok 3時代に使われていた旧称です。
複雑な計算、論理パズル、戦略立案、コードレビューなど、即答よりも精度がほしい場面で力を発揮します。
イメージ
正確には
Thinkは、Grok 3と同時に発表された機能のひとつとして、xAI公式のニュースリリースで紹介されました。その後、画面の作りが変わりました。2026年7月29日時点のGrokでは、入力欄のモードセレクターからAuto / Fast / Expert / Heavyを選ぶ形です。
じっくり考えるモードにあたるのがExpertです。xAI公式は「しっかり考える」モードとして案内しています(※原文:thinks hard)。xAI Docsでは、この仕組みがReasoning(推論)として説明されています。推論モデルは、通常より多くの計算時間を使って複雑な問題に取り組みます(用語集:推論モデル)。
4つのモードと切り替え方(2026年7月29日時点)
Grokの入力欄にあるモードセレクター(いま選ばれているモード名が表示されている部分)から切り替えます。
| モード | 何をするモードか | こんなときに |
|---|---|---|
| Auto | 質問の難しさをGrokが見て、FastとExpertを自動で切り替える | 迷ったらこれ。ふだん使いの既定として便利 |
| Fast | すばやく答える。いちばん軽い動き方 | 短い質問、下書き、雑談 |
| Expert | 時間をかけてしっかり考える(旧「Think」にあたるモード) | 複雑な計算、論理パズル、戦略立案、コードレビュー |
| Heavy | 複数のエージェントが並列で検討し、答えを突き合わせる(公式説明はTeam of Experts) | 特に難しい調査・分析。上位プラン向け |
エージェントとは、1つずつ指示しなくても自分で段取りを決めて動くAIのことです(用語集:AIエージェント)。
普段はAutoのままで構いません。難しい質問なら、GrokがExpertへ自動で振り分けてくれます。「これは絶対にじっくり考えてほしい」というときだけExpertを手で選ぶ、という使い分けが実用的です。
答えが返るまでの時間の違い
- 通常モード
質問を受けたらすぐ答え始めます(秒〜十数秒) - Expertモード
通常より時間を使い、必要ならやり直しや別解も試したうえで答えます(数十秒〜数分のことも)
xAI公式のニュースリリースでは、この推論機能について「思考の途中で誤りに気づいて修正する」「別の選択肢を探る」ことができると説明されています。
待っているあいだ、画面が止まったように見えることがあります。「あれ、固まったかな?」と思っても、そのまましばらく待ってみてください。
どのプランで使えるか(2026年8月25日時点)
- 無料
回数制限つきで、Expert(じっくり考えるモード)を試せます。何回まで使えるかの具体的な数字は公式非公表です - SuperGrok($30/月)
利用上限が引き上げられ、Expertを日常的に使えるようになります - SuperGrok Plus($100/月)
Chat・Imagine・Voice・Buildの利用量が大きく増え、混雑時も優先されます - Heavyモード
最上位のSuperGrok Heavyなどの上位プラン向けです。無料やSuperGrokでは選べないことがあります。2026年8月25日時点で、公式の料金ページにHeavyの金額の記載はありません
X(旧Twitter)から使っている場合、Grokの利用上限が増えるのはPremium(980円/月)、さらに高い上限になるのはPremium+(6,080円/月)です。どちらもSuperGrokそのものは含みません。逆に、SuperGrok HeavyにはX Premium+が追加費用なしで付きます。
プランの内容と上限は、たびたび改定されます。金額は2026年8月25日に公式の料金ページで確認したものです。契約する前に、最新の条件を確かめてください。xAIと直接契約するなら grok.com、X経由なら X Premiumのヘルプ が窓口です。
モデルが新しくなると、考え方の設定も変わります
xAI公式のモデル一覧とReasoning(推論)のドキュメントでは、Grokの一部のモデルに推論の設定が用意されていると案内されています。2026年7月16日に発表されたGrok 4.5も、APIでは推論量をlow / medium / highから選べるモデルとして案内されました。APIは、ほかのソフトウェアからAIを呼び出すための接続口です(用語集:API)。
Grok 4.5は、発表の時点ではGrok Build、Cursor、APIでの提供が案内されていました。その後2026年7月22日に、grok.com、X、iOS、Androidへの展開が発表されています。
ただし、APIで指定する reasoning_effort と、一般向けGrokのモードセレクターは、同じ設定を指すものではありません。一般向けの画面では、前に挙げたAuto / Fast / Expert / Heavyから選ぶ形です(2026年7月29日時点)。APIの細かい設定は xAI Docs で確かめられます。
じっくり考えさせる仕組みは、単発の機能というより、Grokシリーズの軸になっている使い方です。モデルや画面の世代が変わるたびに、見え方も変わります。
やってみよう
ステップ1:考えがいのある質問を選ぶ
Expertモードは、即答で済む用事には向きません。条件が多い、手順が長い、矛盾がないか確かめたい——そんな質問こそExpertの出番です!
お金の相談なら、こんな頼み方になります。
私は55歳、配偶者あり、子どもは独立済みで、月の手取りは40万円、
住宅ローンの残債は1,200万円、貯金は600万円です。
今後10年で老後資金を1,500万円作るなら、
月いくら貯金に回し、ローンの繰上返済はどう組み合わせるのが現実的ですか?
前提と計算過程も書いてください。
最終的な判断は専門家に相談する前提で、考え方の整理としてお願いします。
コードを見てもらうなら、こう頼みます。
次のJavaScriptコードに、論理的なバグや見落としやすい落とし穴がないか、
ステップごとに検討して指摘してください。修正案も併記してください。
(ここにコードを貼る)
ステップ2:モードセレクターでExpertを選んで送る
Grokの入力欄には、モードを選ぶセレクターがあります。ここをExpertに切り替えてから質問を送ってください。通常モードよりも長く「考え中」の状態が続き、しばらくしてから回答が表示されます。Autoのままでも、難しい質問ならGrokが自動でExpertに切り替えてくれます。
- 無料プランでもExpertは試せますが、回数制限があります(上限の具体的な回数は公式非公表です)
- 待っているあいだにタブを切り替えても大丈夫です
- ただしブラウザを完全に閉じると、画面によっては結果を取りこぼすことがあります
待ち時間に別の作業をするなら、いつでも戻ってこられる状態にしておくのがおすすめです。
ステップ3:答えを叩き台として読み直す
Expertモードの回答は、丁寧に書かれているぶん説得力があります。そこが落とし穴です。
- 前提条件が自分の状況と合っているか確かめる(年齢・地域・職種など)
- 数字や固有名詞は、必要に応じて公式ソースや書籍で裏を取る
- しっくりこない箇所は「ここをもう一度別の角度から考えて」と追加で頼む
最後は自分の判断材料として使うのが、いちばん安全な向き合い方です。重要な意思決定は、専門家への相談とセットで考えてください。
考えがいのある問いを投げる。数十秒〜数分待つ前提で使う。答えは叩き台として裏を取る。この3つを意識するだけで、Expertモードは骨のある問いの相談相手になり、普通のチャットとは違う頼もしさを見せてくれます。
よくある質問
- Q. GrokのThinkモードが見つかりませんが、なくなったのですか?
- A. 名前が変わりました。Thinkは旧称で、いまは入力欄のモードセレクターにあるExpertがそれにあたります。Auto・Fast・Expert・Heavyの4つから選ぶ形です。
- Q. GrokのExpertモードは、どんな質問に使うと効きますか?
- A. 条件の多い計算、論理パズル、戦略立案、コードレビューなど、即答より正確さがほしい質問です。単純な用事では遅くなるだけなので、普段はAutoに任せておけば大丈夫です。
- Q. GrokのExpertモードは、答えが返るまでどれくらいかかりますか?
- A. 通常より時間を使うため、数十秒から数分かかることもあります。画面が止まって見えても、そのまま待ってください。タブは切り替えても構いませんが、ブラウザを完全に閉じると結果を取りこぼすことがあります。
- Q. GrokのExpertモードは無料プランでも使えますか?
- A. 回数制限つきで試せます。何回まで使えるかは公式で公表されていません。日常的に使いたいときは、SuperGrok以上で上限が引き上げられます。
公開: 更新: ✓ 公式情報と照合:
参考ソース
- xAI公式 - Grok 3 Beta — The Age of Reasoning Agents(公式情報)
- xAI公式 - Introducing Grok 4.5(公式情報)
- xAI公式 - Bringing Grok 4.5 to iOS, Android, Web, and X(公式情報)
- xAI公式 - Grok(公式情報)
- xAI Docs - Reasoning(公式情報)
- xAI Docs - Models(公式情報)
- Grok(grok.com)(公式情報)
- X Help Center - About X Premium(公式情報)
- xAI公式 - Pricing(公式情報)
- Grok公式 - Plans(公式情報)
この教科書は無料で全文公開しています。仕事で使えるところまで進みたい方は、実習と資料がそろった生徒プランをどうぞ。
あわせて読みたい
- AI基礎 | AIの種類と仕組み約6分
生成AI(GenAI)の仕組み
生成AIが文章や画像を作れるのはなぜでしょうか。データからパターンを学ぶ段階と、使うときに答えを作る段階に分けて、公式・公的な情報に沿ってやさしく説明します。文章を作るAIが言葉を1つずつ選んでいく流れもたどります。内容を見る - AI基礎 | 用語集約6分
Chain-of-Thought(連鎖推論)
Chain-of-Thought(CoT・連鎖推論)とは、AIに「答えを出す前に、考える手順を整理して」と頼むやり方です。複雑な問題で答えが安定しやすくなる理由、効く場面と効かない場面、出てきた答えの見直し方をやさしく整理しました。内容を見る