ざっくり言うと
メールの挨拶、クレームの一次受け、名刺交換のお礼、見積依頼への返信。毎回似たような文章を書いているなら、その型をClaudeに覚えてもらえます。
覚えさせる場所は4つあります。同じチャットの中、案件ごとの作業部屋であるProjects、アカウント全体に効くInstructions for Claude、作業手順をまとめておくSkillsです。
一度覚えさせれば、あとは呼び出すだけで文章が仕上がります。
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正確には
渡した情報を再利用する仕組み
Claudeには、こちらが渡した情報を再利用する仕組みがいくつかあります。
2026年7月27日時点の公式ヘルプでは、Instructions for Claude、Project instructions、Skillsが案内されています。それぞれ効く範囲が違います。ここに、同じチャットの中で出す即席の指示も加えると、置き場所は全部で4つです。
Projectsは、案件ごとに作る作業部屋です。取引先A、クレームの一次受け、見積返信のように分けておくと、テンプレや資料が混ざりにくくなります。
Instructions for Claudeは、アカウント全体にかける共通ルールです。自分の肩書き、会社の呼び方、いつものメール構成など、毎回ほぼ同じ前提を入れる場所だと考えてください。
Skillsが向いているのは、特定の作業で繰り返し使う手順です。「取引先へのメールはこの順番で確認する」「校正はこの表記ルールに合わせる」のように、文体だけでなく進め方までまとめられます。
過去のやりとりは、チャット検索やメモリ機能から参照できる場合もあります。ただしテンプレ運用の主役にするなら、ProjectsやInstructions for Claudeのように、指示をはっきり置ける場所のほうが安定します。
注意点
画面の名前や場所は、更新で変わることがあります
Instructions for Claude、Projects、Skillsの画面や使える条件は、アップデートで変わる可能性があります。実際に操作するときは、記事の最後の「参考ソース」の公式ページで、そのときの内容を確かめてください。
ここで整理しているのは、どこに何を覚えさせるかという考え方のほうです。画面が新しくなっても、この考え方はそのまま使えます。
やってみよう
ルート1: 同じチャットの中でテンプレを使う
全プランで使えて、いちばん手軽な方法です。新しいチャットを開き、最初のメッセージでテンプレと使い方を一緒に渡します。
これから、お客様への返信メールを何通か作ってもらいます。すべての返信で次のテンプレを使ってください。
- 冒頭: お世話になっております。○○商店のタナカです。
- 本文: (案件ごとに変わる部分)
- 締め: 何かご不明点がございましたら、いつでもご連絡ください。何卒よろしくお願いいたします。
最初の案件はこれです: 「先方から見積書の納期短縮について相談があった。短縮可能と返信したい」
これ以降、同じチャットの中ならテンプレどおりの形で返ってきます。チャットを閉じるとリセットされるので、「この案件のあいだだけ」という使い方に向いています。
ルート2: 案件ごとの作業部屋(Projects)を作る
Claudeでは、案件ごとに作業部屋(Projects)を分けられます。作業部屋には、その部屋だけに効くテンプレや指示(Project instructions)を入れられるので、入れた指示は部屋の中のチャットすべてに適用されます。
Projectsは無料を含む全ユーザーが利用でき、無料ユーザーの上限は最大5件です。
たとえばクレームの一次受け専用の部屋なら、Project instructionsにこう書いておきます。
- 役割
「○○商店のお客様窓口担当として、クレームメールへの一次返信を作成してください」 - 必ず入れる3要素:
- 冒頭でお詫び(ご不便をおかけし誠に申し訳ございません)
- 状況の確認(原因が分かっているなら事実だけ、分からないなら確認に時間をいただく旨)
- 次のアクション(担当者がいつまでに連絡するか、期日つきで)
- 避けてほしい表現
「『〜させていただく』を多用しないでください」
「取引先A専用」「クレーム一次受け専用」「見積返信専用」と用途ごとに部屋を分けておけば、Project instructionsが効くのはその部屋の中だけです。ほかの案件のチャットには影響しません。
ルート3: アカウント共通の前提をInstructions for Claudeに入れる
毎日のメール返信のように、どの案件でも守ってほしいことは、SettingsのInstructions for Claudeに入れておきます。登録すれば、すべての会話で考慮されます。
書く中身は、たとえばこの3つです。
- 自分について
「○○商店の代表 タナカ。従業員10名前後の小規模商社。日本語での丁寧なビジネスメールが基本」 - 応答してほしいスタイル
「メール返信を頼んだら、件名 → 本文(挨拶+本題+締め)の順で出力してください」 - 必ず使う挨拶と締め
「冒頭は『お世話になっております』で始めて、締めは『何卒よろしくお願いいたします』で終えてください」
Project instructionsとの使い分けで迷ったら、こう考えてください。どの案件にも共通するルールはInstructions for Claude、その案件だけの作業マニュアルはProject instructionsです。
ルート4: 文体と手順をSkillsにまとめて再利用する
Skillsは、指示・スクリプト・参考資料をフォルダにまとめておき、必要な作業でClaudeが読み込む仕組みです。文体だけでなく、確認項目や出力形式まで手順として書けます。
使い始める前の確認は、次の3つです。
- 使えるプランは、Free・Pro・Max・Team・Enterpriseのすべて
- Code executionを有効にしておく
- 置き場所は、Customize > Skills
向いているのは、メールの構成、校正ルール、定型レポートなど、繰り返し出てくる作業です。
Skillsにまとめる中身は、たとえばこの4つです。
- どんなときに使うSkillかが分かる説明
- 必ず守るメール構成と確認項目
- 文体が伝わる短い例(顧客名や金額は入れない)
- 出力の前に事実と宛先を確認する手順
そのまま使えるテンプレ4つ
パターン1: メール挨拶テンプレ(Instructions for Claudeに登録)
メールの返信を頼まれたら、必ず以下の構造で書いてください。
- 件名: (内容に応じて簡潔に)
- 冒頭: お世話になっております。○○商店のタナカです。
- 本文: (依頼内容)
- 締め: ご不明点がございましたら、いつでもご連絡ください。何卒よろしくお願いいたします。
パターン2: クレーム一次受けテンプレ(Projects + Project instructionsに登録)
このプロジェクトでは、クレームのお詫びメール一次受けを担当してもらいます。すべての返信で次の3要素を必ず入れてください。
1. 冒頭でお詫び(ご不便をおかけし誠に申し訳ございません)
2. 状況の確認(原因が分かっている場合は事実だけ・分からない場合は確認に時間をいただく旨)
3. 次のアクション(担当者からいつまでに連絡する、など期日付き)
パターン3: 名刺交換のお礼テンプレ(Instructions for Claudeに登録)
名刺交換のお礼メールを頼まれたら、自己紹介の3行を必ず入れてください。
- 1行目: 会社名・氏名・役職
- 2行目: 事業内容を1文で
- 3行目: 当日のお礼+今後のご縁を期待する一文
パターン4: 見積依頼への返信(同じチャットの中、または専用のProject)
これから見積依頼に対する返信メールを何通か書きます。すべての返信で次の4項目を必ず確認質問してください。
1. 納期(いつまでに必要か)
2. 数量(初回 / 月間目安)
3. 予算感(目安レンジで大丈夫)
4. ご決裁の時期(意思決定者と判断時期)
思ったとおりに使ってくれないときは、その場で言い直す
作り直しではなく、言い直しで直るのが基本です。たとえば、こんなふうに伝えてください。
- 「今のメール、冒頭の挨拶が違います。テンプレどおりに書き直してください」
- 「3つ目の『次のアクション』が抜けています。期日付きで足してください」
- 「Instructions for Claudeに『〜させていただく』は避けると書いてあります。書き直してください」
何度でも頼み直せます。使いながら不満なところを言葉にして、Instructions for Claude、Project instructions、Skillsを少しずつ直してください。その繰り返しで、テンプレが自分の仕事になじんでいきます。
締めに
テンプレ運用は、Claudeに自分の仕事の書き方を覚えてもらう作業です。最初から完璧な型を作ろうとしなくて大丈夫です!
- まず同じチャットの中で試して、効き目を確かめる
- 何度も使うものは、ProjectsやInstructions for Claudeへ移す
- 確認の手順まで残したいものは、Skillsにまとめる
この順で少しずつ育てていくのが現実的です。一度作っておけば、メール返信もクレーム対応も、名刺交換のお礼も見積依頼への返信も、同じ手順で作りやすくなります。