ざっくり言うと
Claudeの一番の持ち味は、長い文書を丸ごと読んで、全体をつかんだうえで答えてくれることです。
分厚いPDF、何回ぶんもの議事録、関連資料の束をまとめて渡し、「まず全体を要約して」「次にこの章を詳しく」と頼めば、読む時間がごっそり浮きます。
イメージ
正確には
一度に扱える文章の量には上限があります
Claudeが一度にまとめて扱える文章の量をコンテキストウィンドウと呼びます。量はトークンという単位で数え、上限はモデルによって違います。
2026年7月27日時点のClaude公式ヘルプによると、有料版Claude上で使えるモデルの上限は次のとおりです。
- Opus 5 / Sonnet 5:100万トークン
- Opus 4.6〜4.8 / Sonnet 4.6:50万トークン
- その他のモデル:20万トークン
実際に入る量は、添付する形式や会話の内容でも変わります。
丸ごと渡せると、できるようになること
長い資料を丸ごと渡せると、こんなことができるようになります。
- 部分だけ読ませたときより、文書同士の関係や前後関係を踏まえた回答が出やすい
- 一度全部読ませてあるので、「3章のあの話、もっと詳しく」と続けて聞ける
- 「PDFその1とPDFその2を比べて、違いを表にして」が成立する
- 1回ぶんではなく、数回ぶんの議事録を時系列で整理できる
ファイルの渡し方は2通り
ファイルの渡し方は2通りあります。
- チャットに直接添付
単発の質問や、1〜2ファイルの分析に向く - Projects(プロジェクト機能)に登録
何度も参照する資料や、続いていく案件に向く
公式ヘルプ「Upload files to Claude」によると、ファイルはドラッグ&ドロップするか、入力欄左下の「+」から選んでアップロードします。PDF・DOCX・CSV・画像などに対応し、XLSXにはCode executionの有効化が必要です。PDFは100ページ以下なら図表などの視覚要素も分析し、101〜1000ページはテキストのみを処理します。
Projectsは、関連する資料をひとつの「プロジェクト」にまとめて、その中でチャットする機能です。公式ヘルプ「What are projects?」によると、無料を含む全ユーザーが利用でき、無料ユーザーは最大5件まで作成できます。RAGの対象プランは、2026年7月29日時点で公式ページ間の案内が分かれています。RAG専用ページでは「全プラン」、Projectsの概要・管理ページでは「有料プラン」とされているため、無料プランでは公式ヘルプと実際の画面表示を確認してください。
上限と対応形式は変わります
上限や対応する形式は変わることがあるので、迷ったら記事の最後の「参考ソース」の公式ページで確かめてください。
注意点
機微な情報を含む資料は、そのまま貼らない
やってみよう
ここで大事なのは、1つめのステップでいきなり細かい質問をしないことです。全体像から部分へ進むと、長い文書に強いClaudeのよさが引き出せます。
そのまま使える頼み方の例3つ
パターン1:提案書と過去の資料を比べる
添付したPDFは、A社からの今回の提案書と、半年前の同じA社の見積書です。
次の3点を表形式で整理してください。
1. 金額・期間・スコープが、半年前と比べてどう変わったか
2. 値上げ / 値下げになっている項目とその理由(本文に書かれていれば)
3. こちらから確認すべき追加質問
パターン2:続きものの議事録の流れを追う
添付した3つのPDFは、同じプロジェクトの第1回〜第3回の会議議事録です。
議題ごとに、「最初に出た案 → 議論の変化 → 最終的に決まったこと」の
流れがわかるように、時系列で整理してください。
固有名詞・数字・期日はそのまま残してください。
パターン3:長いレポートから自分に関係する部分だけ抜き出す
添付したPDFは業界の年次レポートです。
従業員10名前後の中小企業の経営者として、
自分の判断に関係しそうな箇所だけを抜き出して、平易な言葉で説明してください。
元の文書のどのあたりに書いてあったかも一緒に教えてください。
役割(立場)、目的、出してほしい形(表・時系列・抜き出しなど)の3つを添えると、長い資料でもほしい答えに近づきます。
公式が挙げている長文のコツ
長い文書はプロンプトの前のほうに置いて、質問はうしろに書く。そして「関係する箇所をまず引用してから、答えて」と頼む。Claude公式ドキュメントの「Long context prompting tips」が挙げるコツは、この2つです。
この2つを合わせると、こんな聞き方になります。
添付した資料の中から、「○○について書かれている箇所」をまず引用してください。
そのうえで、引用部分をもとに次の質問に答えてください。
質問:○○についてどう判断するべきか?
この形で頼むと、根拠つきの回答が返ってきやすくなります。
最初の答えが浅かったときは
長い資料を読ませると、1回目は当たりさわりのない要約になりがちです。同じチャットの中なら前のやり取りを覚えているので、そのまま続けて聞き直してください。
- 「もっと具体的に、数字も入れて」
- 「○章の部分だけ詳しく」
- 「A社とB社の違いを、表で並べて」
- 「この内容に対する反論を、こちらの立場で3つ作って」
締めに
Claudeの長文処理が効くのは、読むのに数時間かかる資料の山を、対話しながら読み解いていく場面です。
1個ずつ要約させるだけなら、ChatGPTでもできます。資料の山を一度に渡して、横断で質問し、比べ、深掘りしていけるところがClaudeの持ち味です。
まずは社外秘でない練習用の資料で試してみてください。自分で書いたメモ、Webで配布されている公開資料、過去の自分の議事録あたりが手ごろです。「全部渡す → 全体を要約 → 章ごとに深掘り」の流れに慣れてから、少しずつ守備範囲を広げていきましょう!