Claudeに質問したのに、答えがなんとなくズレる。 内容は間違っていなくても、自分の状況には合っていないことがあります。 そんなときは、質問に前提条件を足してみましょう。

前提条件とは、今回の答えを作るために知っておいてほしい背景です。 相手・目的・制約・材料から、答えに影響する情報を選んで伝えてください。

ざっくり言うと

種類伝える内容の例
相手初心者、既存のお客様、取引先、社内メンバー
目的理解してもらう、比較する、確認してもらう
制約予算、期限、文字数、使えない表現、変更してはいけない部分
材料元の文章、商品情報、PDF、表、URL、会議メモ

全部を書く必要はありません。 「その条件が変わると、Claudeの答えも変わるか?」で考えると選びやすくなります。

まずは5項目から書いてみる

迷ったら、次の項目から必要なものだけ埋めてください。

項目書くこと
やってほしいこと何を作る、調べる、比べるのか
相手誰に向けた答えなのか
目的何のために使うのか
制約守ってほしい条件
使う資料答えの根拠にする情報

営業時間変更のお知らせなら、次のように書けます。 架空のお店の例なので、このまま試してみましょう。

【やってほしいこと】
店舗のお客様向けに、営業時間変更のお知らせを書いてください。

【相手】
普段から店舗を利用しているお客様です。

【目的】
10月1日から平日の閉店時間が変わることを、誤解なく伝えたいです。

【制約】
Webサイトのお知らせ欄に掲載します。
200文字前後で、丁寧ですが堅すぎない文章にしてください。

【使う資料】
平日の閉店時間が20時から19時へ変わります。
理由や休日の営業時間は、情報がないので書かないでください。

イメージ

前提条件は「答えが変わる情報」を選ぶ

「営業時間変更のお知らせを書いて」だけでも、Claudeは文章を作れます。 ただ、誰に知らせるのか、いつから何時に変わるのかを推測しなければなりません。

短く伝えたいなら、必要な条件を1つの文章にまとめても大丈夫です。

店舗のお客様向けに、営業時間変更のお知らせを書いてください。
10月1日から、平日の閉店時間を20時から19時へ変更します。
Webサイトのお知らせ欄へ掲載します。
200文字前後で、丁寧ですが堅すぎない文章にしてください。
理由や休日の営業時間は、情報がないので書かないでください。

これなら、Claudeが補わなければならない情報が減ります。 一方、今回のお知らせに関係のない会社の沿革や社長の経歴まで書く必要はありません。 前提は多いほどよいのではなく、答えを決める情報を選ぶことが基本です。

正確には

相手・目的・制約・材料を具体的にする

2026年10月1日に確認したAnthropicの公式ガイドでも、明確な指示と背景、希望する出力形式を伝える方法が案内されています。 画面や機能の変更については、利用時にも公式情報を確認してください。

種類書き方の例
相手「相手は生成AIを初めて使う人です」「すでに取引のある企業担当者へ送ります」
目的「比較して、どちらを選ぶか判断したいです」「理解してもらうことが目的で、販売につなげる文章にはしません」
制約「300文字以内」「予算は10万円以内」「元の見出し構成は変えない」「専門用語には短い説明を付ける」
材料「資料Aは現在の料金表、資料Bは10月からの新料金表です。変更された項目だけ比べてください」

資料を渡すときは、何の資料なのかも添えましょう。 元の文章、PDF、表、URL、商品情報、会議メモなどが材料になります。 URLだけでは内容を取得できない場合もあるため、必要なら本文やファイルも渡してください。

役割と前提条件は別のもの

「あなたはWeb編集者として答えてください」は、どの観点で考えるかを決める役割の指示です。 「相手は生成AI初心者です」「1500文字以内です」「公式サイトへ掲載します」は、今回の仕事の前提条件に当たります。

伝えるもの例
役割採用担当者として確認してください
前提条件応募者は未経験者です。募集職種はWeb制作アシスタントです。書類選考で確認すべき点を5つに絞ってください

役割だけでは今回の事情が足りず、一般的な答えになることがあります。 まず前提をそろえて、必要なら役割も足してみてください。 Claudeに役割を与える書き方でも、指定の仕方を紹介しています。

出力の形も先に伝える

背景だけでなく、どんな形で答えてほしいかも大切です。 「表で」「箇条書き3つ」「300文字以内」「結論を先に」のように指定すると、使うときの形に近づけやすくなります。

比較する項目と完成形を指定した、架空のサービスの例です。

次の2つの架空のサービスを比較してください。
Aは月額1000円、操作は簡単で、文章作成だけができます。
Bは月額2000円、操作には慣れが必要で、文章作成と画像作成ができます。
料金、初心者の使いやすさ、主な違いを比較表にしてから、
違いを箇条書き3つで説明してください。
ここにない機能や条件は推測しないでください。

修正を頼むなら「修正前と修正後を並べる」「変更した理由も書く」と指定できます。 ただし、文字数などが必ず守られるとは限りません。 返ってきた内容を見て、必要なら同じチャットで調整しましょう。

長い資料は、役割と依頼を分けて伝える

ファイルの添付や長い文章の貼り付けでは、資料を渡すだけでなく、どう使ってほしいかも伝えてください。 どの資料を優先するのか、何を比べるのか、どこまで推測してよいのかをそろえます。

たとえば、新旧2つの料金表を添付するときは、次のように区別できます。

  • 資料Aは現在の料金表、資料Bは10月からの新料金表
  • 依頼は変更された項目だけを表にすること
  • 条件は資料に書かれていない内容を推測しないこと

契約・料金・社内ルールなど、見落としたくない内容なら根拠も示してもらいましょう。 「判断に使った箇所も示してください」「契約解除の記載を抜き出してから説明してください」と頼むと、元の資料と比べやすくなります。

公式ガイドの長文向けの説明では、資料を先に置き、最後に質問を書く方法も紹介されています。 これは長い文章を直接貼るときの工夫で、短い質問まで同じ形にする必要はありません。

前提の置き場所は、使う範囲で決める

その場のメッセージ以外にも、共通の指示や資料を置く仕組みがあります。

使う範囲置き場所
今回の質問だけ今のメッセージ
この会話の続き同じチャット
幅広い会話で共通する指示Instructions for Claude
継続案件の資料や決まりProjectsのknowledgeやinstructions
自分や仕事に関する継続的な背景Memory

今回だけなら、今のメッセージ

今日の予算、今回の相手、今回だけの締切は、質問へ直接書くと伝わりやすくなります。 「今回の予算は5万円です」「明日の社内会議で使います」のように、別の仕事では変わる情報です。

共通の指示はInstructions for Claude

公式ヘルプでは、アカウント全体に適用する指示として案内されています。 普段の考え方、よく使う用語、回答の言語や説明の詳しさなどに向いています。

設定するなら、左下のイニシャルからSettingsを開き、Instructions for Claudeへ書いてください。 たとえば、次のような共通の希望です。

日本語で回答してください。専門用語には、初めて出てきたところで短い説明を付けてください。

今回だけの予算や期限は、質問のほうへ書きましょう。

継続案件ならProjects

Projectsでは、関連資料をproject knowledgeへ置き、共通の決まりをproject instructionsへ設定できます。 たとえば「A社サイト制作」の案件なら、会社概要、商品資料、ブランドルール、記事の書き方をまとめる使い方です。

Projectsの公式ヘルプでは、knowledgeの資料をそのProject内のチャットで使うと説明されています。 instructionsに書いた指示も、そのProject内で適用されます。

ただし、同じProjectにあるだけで、別チャットの全文がすべて自動共有されるわけではありません。 Memoryや過去チャットの検索で文脈を使う場合もありますが、確実に参照してほしい資料や決まりはknowledgeやinstructionsへ置いてください。

継続的な仕事や好みはMemory

Memoryは、過去のチャットから仕事や好みなどの背景を使う機能です。 公式ヘルプでは、役割、仕事の文脈、伝え方の好み、継続中の案件などを扱うと案内されています。

利用できるかどうかや設定は、アカウントや組織の条件で変わります。 有効な場合でも、今回の依頼文を省略できる万能な保存場所ではありません。

Memoryがあっても、今回だけの条件は書く

Memoryに仕事や好みが入っていても、毎回変わる情報は質問へ書いてください。 たとえば、次のような条件です。

  • 今日時点の予算
  • 今回だけの締切
  • 最新版の料金
  • 今回の相手
  • 今日決まった方針
  • 今回の資料のうち、どれを正本にするか

「いつもの書き方でお願いします」だけでは、どの情報を使うべきか曖昧になる場合があります。 今回は予算5万円、最新版は今日添付した料金表、古い金額は使わない、といった条件も一緒に伝えましょう。

長く使う情報はProjectsやMemoryへ、今回だけの条件は今のメッセージへ書きましょう。

前提が増えたら、見出しで分ける

短い質問なら普通の文章で十分です。 前提・資料・指示が増えたら、「目的」「前提」「資料」「制約」「出力」の見出しで区切ってみてください。 資料の内容と、Claudeへの指示を見分けやすくなります。

複雑な依頼では、公式ガイドにあるXMLタグという目印も使えます。 背景は<context>と</context>という目印で囲んでください。 指示は<instructions>と</instructions>の間に書いて区別できます。 初心者のうちは、まず見出しで分けるだけで十分です。

判断クイズ

第1問

Claudeに「おすすめのパソコンを教えて」と聞きたいとき、どちらの前提が役立ちますか?

A. 自分の好きな色だけを詳しく説明する。
B. 予算、用途、持ち運ぶかどうかを伝える。

第2問

毎回同じ会社のブランドルールと商品資料を使います。どう整理しますか?

A. 毎回すべての資料を説明し直すしかない。
B. Projectsへ案件の資料や共通の指示をまとめる。

第3問

Memoryに「自分はWeb制作者」と入っています。今日だけ予算5万円の案件を相談するときは?

A. Memoryがあるので予算は書かなくてよい。
B. 今回の予算5万円を、今のメッセージに書く。

まとめ

難しい書き方より、相手・目的・制約・材料のうち、今回の答えに必要な情報を選ぶことが大切です。 共通の指示や継続案件の資料は設定に置き、変わる条件は質問のたびに伝えてください。

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