ざっくり言うと

ファクトチェックとは、AIや誰かが言ったことが本当かどうかを、もとの正しい場所で確かめる作業です。

AIは、事実と違う内容もすらすらと書きます。だから「AIは下書き、ファクトチェックは仕上げ」と覚えてください。

仕上げをサボると、間違った数字や法律を、そのままお客様に伝えてしまいます。

コツはひとつだけです。情報の種類によって、確かめに行く場所を変えてください。

数字なら公式の統計、人物なら本人や所属先の公式ページ、法律なら法令のデータベース、企業の基本情報なら国の登録台帳。行き先は、あらかじめ決まっています。

イメージ

正確には

総務省は『インターネットとの向き合い方~ニセ・誤情報にだまされないために~第2版』という公的な教材を公開しています。不確かな情報とどう付き合うかをまとめたものです。

文部科学省の生成AI教材も、同じことを伝えています。AIが作った内容には誤りが混ざることがあるので、生成AI以外の信頼できる情報と比べて確かめてほしい、という説明です。

裏取り(元の情報にあたって自分で確かめること)は、AIが登場する前からの基本です。国はネット情報全般について、ずっとこの習慣をすすめてきました。AIが広まったことで、その大切さがさらに増しています。

情報源には強さの違いがあります

情報源は、強さで3つに分けると整理しやすくなります。強いほうから、Tier 1・Tier 2・Tier 3と呼びます。

Tierどんな情報源?例扱い
Tier 1公式・公的な発信元官公庁サイト、公式ドキュメント、企業の公式発表、査読付き論文大本命。最優先で確認する
Tier 2編集体制のある主要メディア大手新聞社、ITmedia、日経クロステック等Tier 1が見つからないときの補助として使う
Tier 3誰でも編集・発信できる情報Wikipedia、個人ブログ、SNS、まとめサイト、note記事証拠には使わない。きっかけ集めまで

情報の種類で、確かめに行く場所が変わります

よく使う行き先を表にまとめました。

情報の種類まず見る場所(Tier 1)用途の例
数値・統計(人口・GDP・市場規模など)総務省統計局、各省庁の白書、内閣府統計「日本の高齢化率は◯%」を裏取り
人物(著名人・歴史上の人物)本人・所属団体・公的機関の公式ページ、原資料経歴・役職・代表作の確認
法律・条例e-Gov法令検索(デジタル庁)「◯◯法 第◯条」の正確な条文
企業の基本情報(名称・所在地・法人番号)国税庁 法人番号公表サイト法人の実在性・基本3情報の確認
AIツールの機能・料金各社公式サイト・公式ヘルププラン・モデル名・対応言語の確認
医療・健康厚生労働省、PMDA、学会公式サイト用法・副作用・推奨基準の確認

AIは、知らないことも自信たっぷりに書きます

OpenAIも公式ヘルプで、ChatGPTが事実と異なる回答を作ることがあると明記しています。こうしてもっともらしい誤りが出てくることをハルシネーションと呼びます。

AIの本職は、もっともらしい文章を作ることです。だから知らないことでも、堂々とした調子で書いてきます。

これはAIの出来が悪いという話ではなく、そういう仕組みの道具だというだけです。正しいかどうかを確かめるのは、使う人の仕事になります。

注意点

やってみよう

30秒で終わるファクトチェックの手順

ハルシネーションの仕組みや、仕事での裏取りの実例は、別の記事で扱います。

まずは「AIは下書き、ファクトチェックは仕上げ」を口ぐせにしてみてください。言葉の意味をもう一度おさらいしたいときは、用語集のファクトチェックのページもどうぞ。