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著作権・利用規約のキホン

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ざっくり言うと

AIと著作権の話は、3つの場面に分けて考えると、ぐっと整理できます。

①AIが何を学習しているか。②自分が何を入れるか。③出てきたものをどう使うか。

この3つは、ルールも気をつけるところも違います。

学習・入力・出力。頭の中にこの3つの引き出しを用意しておくと、ニュースで「AIの著作権が問題になっています」と聞いたときも、「これはどの場面の話だろう?」と冷静に分けられます。

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ニュースで「AIが著作権侵害だ」と言われるときは、よく聞くと①の話と③の話が混ざっています。話している人が、それぞれ別の引き出しを指しているのですね。

自分の中で分けて聞くと、なぜ話がかみ合わないのかが見えてきます。

最初に持っておくと安全なのは、「AIだから特別」ではなく「普通の資料と同じように扱う」という感覚です。

会社の資料を勝手に外へ渡さない。他人の文章をそのまま営業資料に貼らない。似すぎたデザインを広告に使わない。昔から言われてきたことばかりですよね。

AIを間に挟むと、つい別のルールがあるように見えます。でも入り口と出口で見れば、注意点はかなり重なります。

正確には

日本では、文化庁の文化審議会著作権分科会法制度小委員会が、令和6年3月15日に「AIと著作権に関する考え方について」を取りまとめて公表しました。ここで、AIをめぐる著作権の論点が「AI開発・学習段階」と「生成・利用段階」に分けて整理されています。

仕事では、この公的な整理を、3つの場面(学習データ / プロンプト入力 / 生成物の利用)に分けると意識しやすくなります。

3つの場面で、何が問題になるのか

場面何が問題になるかざっくりの考え方(2026年7月時点)
①学習データAI開発会社が、ネット上の文章や画像を許可なく学習に使ってよいか日本では、著作物に表現された思想・感情を享受する目的がない情報解析などは、著作権法第30条の4の対象になり得る。ただし、享受目的が併存する場合や権利者の利益を不当に害する場合などは対象外
②プロンプト入力自分が、他人の著作物(他社の文章・画像など)をプロンプトに貼り付けて使うこと入力そのものが複製にあたる可能性がある。社外秘・個人情報・他社の著作物の扱いに注意。各社の利用規約は「権利を持っているコンテンツだけ入力できる」と定めていることが多い
③生成物の利用出てきた文章や画像を、商用利用してよいか。既存の著作物に似ていたらどうなるか出力の契約上の扱いは各社で異なる。規約のうえで使えても、既存の著作物との類似性と依拠性が認められれば侵害になり得る(文化庁の考え方)

①学習データ:認められる場合はありますが、無条件ではありません

文化庁の整理によると、日本の著作権法第30条の4が定めているのは、次の内容です。著作物に表現された思想・感情を自ら享受したり、他人に享受させたりする目的がない場合に、必要な限度でその著作物を利用できる、というものです。ここでいう「享受」は、その作品の中身そのものを味わうこと、と考えてください。

AI学習のための情報解析も、この対象になり得ます。ただし、AI学習ならすべて自動的に適法になるわけではありません。目的や利用方法に応じて、個別の判断が必要です。

たとえば、学習データに含まれる著作物の創作的表現を出力させる意図があり、享受目的が併存すると評価される場合は、第30条の4が適用されない可能性があります。また、著作権者の利益を不当に害する場合を除外する、ただし書もあります。

なお、特定の作家の「作風」だけなら、アイデアに当たり著作権法で保護されないのが一般的です。ただし、具体的な創作的表現の利用とは分けて考える必要があります。

②プロンプト入力:いちばん気をつけたいのは、ここです

学習データのルールは、AIを作る会社の話でした。でも、プロンプトに何を入れるかは、自分の責任になります。

たとえば、こんな使い方です。

  • 他社のWebサイトの文章をそのままコピペして「要約して」と指示する
  • 雑誌記事の写真をアップロードして「これに似た画像を作って」と指示する

こうした行為は、入力した時点で複製にあたる可能性があります。各社の利用規約でも、「自分が権利を持つか、適切に利用権限があるコンテンツだけ入力できる」という趣旨が定められているのが一般的です。これはOpenAI、Anthropic、Google、xAIとも同様です。

③生成物の利用:出てきたものは、誰のもの?

各社の条件は同じではありません。まずは、生成物の扱いを契約のうえでどう定めているかで比べてみます。

会社生成物の扱い(契約上の定め)
OpenAI / Anthropic適用法上可能な範囲で、出力に関する自社の権利をユーザーへ譲渡すると規定
Google(Gemini API)生成コンテンツの所有権をGoogleが主張しないと規定
xAI(個人向け)入力も出力も利用者のものと規定。生成した画像を含め、商用利用もできる。利用者はxAIに規約に基づく一定の使用権を渡し、ブランドガイドラインのとおりGrokへのクレジット表記を求められる。ベータ・プレビュー・トライアルの機能は、個人的・非商用の利用に限る

ただし、これらは「提供会社との契約のうえで、どう扱えるか」の説明です。個々の生成物に著作権が成立することや、第三者の権利を侵害しないことまで保証するものではありません。

商用利用してよいかどうかは、使う時点のサービス・プランの規約と、生成物の内容を分けて確認します。

さらに、文化庁の「考え方」では、生成物が既存の著作物と似ていて(類似性)、それをもとに作られたといえる(依拠性)場合には、著作権侵害となり得ると整理されています。AIで作ったから侵害にならない、ということはありません。

そこで、生成物を使う前は、次の2つを別々に見てください。

規約のうえで使えるか

規約に商用利用できると書いてあるかを確認します。

誰かの作品に似すぎていないか

そっくりなロゴ、キャラクター、写真風の人物、既存の広告に近い表現がないかを確認します。

少しでも心配なら、公開する前に画像検索で似たものがないか確かめましょう。広告・商品パッケージ・有料で販売するものに使う場合は、専門家や取引先の確認を挟むと安心です。

この点は、別記事「AI生成物の著作権はだれのもの?」で、各社の規約の違いや似た作品が出てきたときの対応まで、もう一段深く扱います。

注意点

やってみよう

よくある質問

Q. AIと著作権の話は、何から整理すればいいですか?
A. 学習・入力・出力の3つの場面に分けてください。AIが何を学習しているか、自分が何を入れるか、出てきたものをどう使うか。この3つは、ルールも気をつけるところも違います。
Q. 他社のサイトの文章をコピーして、要約を頼んでもいいですか?
A. 貼り付けた時点で複製にあたる可能性があります。各社の利用規約でも、自分が権利を持つか、適切な利用権限があるコンテンツだけ入力できるという趣旨が定められているのが一般的です。
Q. AIの学習は法律で認められていると聞きました。何を入れても大丈夫ですか?
A. その整理は、主にAIを開発・学習する段階の話です。利用者が他人の本や記事、画像、社外秘の資料を自由に貼り付けてよい、という意味ではありません。入力と出力は、別々に確認してください。
Q. 特定の作家の作風をまねた文章や絵を作ってもいいですか?
A. 作風だけならアイデアにあたり、著作権法で保護されないのが一般的です。ただし具体的な創作的表現の利用とは分けて考える必要があり、出てきたものが既存の作品に似すぎていないかは別に確かめてください。

公開: 更新: ✓ 公式情報と照合:

参考ソース

判断クイズ

「AIと著作権」の話を、学習・入力・出力のどの場面かに分けられますか?

3問です。答えるとその場で解説が出ます。全問終えたら、「回答を記録する」で学習の記録に残せます。

1. ニュースで「AIが著作権侵害だ」と話題になり、同僚から「うちもAIを使うのは危ないのでは」と聞かれました。まず何をしますか?
2. 他社サイトの記事を丸ごとコピーして、AIに「要約して」と貼り付けようとしています。どう考えますか?
3. AIで作ったイラストを商品のパッケージに使いたい。規約には商用利用できると書いてありました。これで大丈夫でしょうか?

全問に答えると、回答を記録できます。

残るのは「答えたかどうか」だけで、正解数は保存されません。この端末の中だけに残り、別の端末には引き継がれません。

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