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コーダーのAI活用入門|コード生成で失敗しない使い方と確認

「スマホでボタンの位置が少しずれているから、AIに直してもらおう」

こんな小さな修正から、AIをコード作業に使い始める人も増えています。

実際、原因を探してもらったり、修正案を出してもらったり、同じようなコードを書く作業を手伝ってもらったりすると、かなり時間を短縮できます。

ただ、ここで気をつけたいのが、「画面が動いた=正しく直った」ではないことです。

ボタンを1か所直したつもりが別の画面まで変わっていたり、必要のないパッケージが追加されていたり、以前は動いていた機能が止まっていたりすることもあります。

AIが作ったコードは、最初から「完成品」と考えるより、確認が必要な修正案として扱う方が安全です。

といっても、AIが書いた何百行ものコードを、すべて読んで理解してから使うわけではありません。

大切なのは、自分で確認できる大きさに作業を小さくすることです。

この記事では、

直したい範囲を決める → AIに調べてもらう → 変更する → 差分を見る → 動作を確認する

という流れで、AIをコード作業に使うときの基本を見ていきます。

1. AIにコードを丸投げする前に、直したい範囲を1つに絞る

たとえば、スマートフォンでお問い合わせボタンの文字が2行になってしまったとします。

このとき、

「このサイトをスマホで見やすくしてほしい」

とAIへ頼むこともできます。

ただ、この頼み方では範囲がかなり広いため、AIはボタンだけでなく、文字サイズ、余白、レイアウト、別のコンポーネントまで変更するかもしれません。

そこで最初は、

「お問い合わせボタンの文字がスマホだけ2行になる問題を直す」

くらいまで作業を小さくします。

さらに、

  • 今はどうなっているのか
  • どうなれば修正完了なのか
  • どこまで変更してよいのか
  • 変更してほしくない場所はどこか

まで伝えられると、かなり確認しやすくなります。

たとえば、

画面幅375px前後で、お問い合わせボタンの文字が2行になります。
1行で表示されるようにしたいです。
まず原因を調べてほしいです。ほかのボタンやページは変更しないでほしいです。

くらいでも十分です。

プロンプトの文章を完璧に仕上げることが、ここでの本題ではありません。

何を直したいのかと、どこまで触ってよいのかは、人が先に決めておきます。

また、既存コードをAIへ渡す場面では、.env、APIキー、パスワード、顧客データなどの秘密情報が混ざっていないかも先に見ておきます。

仕事のコードなら、利用しているAIサービスのルールに加えて、会社や取引先との契約やリポジトリの運用ルールが優先です。

ポイント
最初からサイト全体を任せるより、「1つの画面」「1つの不具合」「1つの変更」に分ける方が、AIの失敗にも気づきやすくなります。

2. まず説明・候補出しから頼み、いきなり変更させない

AIでコードを書けるようになると、つい最初から「直して」と頼みたくなります。

でも、原因がまだ分かっていない段階では、最初の1回は変更ではなく調査に使うのがおすすめです。

先ほどのボタンなら、

まだコードは変更せず、原因として考えられる場所を教えてほしいです。
関係しそうなファイルと、確かめる理由も説明してほしいです。

と頼めます。

すると、

「ボタン自体のCSSかもしれない」

「親要素の幅が原因かもしれない」

「モバイル用のスタイルが上書きしているかもしれない」

といった候補を先に見ることができます。

ここで方向が合っていそうなら、次に変更を頼みます。

この順番にすると、AIが何をしようとしているのか分からないまま、いきなり大量のコードを書き換えられることを減らせます。

AIに直接ファイルを編集させられるツールでも考え方は同じです。

読むだけなのか、ファイルを書き換えるのか、コマンドを実行するのかでは、AIに許可していることが違います。

Claude CodeやCodexのようにPC上の開発作業まで進められるAIを使う場合は、なのはAI教室の「Claude Code・Codexの権限と承認の読み方」で、この違いを先に確かめておくと分かりやすいです。

AIに任せる範囲が広くなるほど、「何ができるAIなのか」より、「今このAIに何を許可しているのか」の方が効いてきます。

3. 変更したら、必ず差分を見る

AIにコードを変更してもらったら、すぐブラウザを開いて「直った」で終わらせず、その前に一度差分を見ます。

差分とは、簡単にいうと変更する前と後で、コードのどこが変わったのかです。

たとえば、

変更前:padding: 16px;
変更後:padding: 12px;

になっただけなら、変更内容はかなり追いやすいです。

一方で、ボタンの余白を直しただけなのに、

  • 関係のないファイルまで変更されている
  • コンポーネント全体が書き換えられている
  • 新しいライブラリが追加されている
  • 設定ファイルが変わっている
  • 大量のコードが削除されている

といった差分が出ていたら、一度止まった方が安全です。

もちろん、大きな変更がすべて間違いというわけではありません。

ただ、「なぜこの変更が必要なのか説明できない差分」が混ざっている状態で、そのまま先へ進まないことが大切です。

分からない部分があれば、

この変更は何のためですか?
今回の修正に必要ですか?
これを変更しなかった場合はどうなりますか?

と、そのままAIへ聞けます。

AIの説明自体が必ず正しいとは限りませんが、変更理由を確かめる材料にはなります。

そして、元に戻せる状態も残しておきます。

Gitを使っているなら変更前にコミットする、まだGitに慣れていなければフォルダをコピーしておくなど、方法は難しくありません。

なのはAI教室の「変更前後を確認する習慣」では、差分・画面・テスト・Gitの状態を見る基本的な流れをまとめています。

AIコード生成でかなり大事な感覚
いい変更は、「AIがすごいコードを書いた変更」より、人が何を変えたのか追える変更です。

4. ブラウザ表示・テスト・エラーを確認する

差分に問題がなさそうでも、コードを見ただけでは修正完了ではありません。

コードを見た次は、実際に動かす番です。

先ほどのボタンなら、まずスマートフォン幅で1行になったかを確かめます。

でも、それだけではなく、

「パソコン表示は崩れていないか」

「隣のボタンは変わっていないか」

「押したときのリンクは動くか」

まで見ておきます。

一つ直すと、関係する別の場所に影響が出ることがあるからです。

コードの種類によっては、さらに次も確かめます。

  • ブラウザのコンソールに新しいエラーが出ていないか
  • ビルドが正常に通るか
  • 型チェックや静的解析で問題が出ていないか
  • 既存の自動テストが通るか
  • 変更した機能を実際に操作できるか

ここで気をつけるのは、AIが作ったテストだけを信用しすぎないことです。

AIが実装とテストの両方を書いた場合、同じ思い込みで両方を作ってしまうことがあります。

たとえばお問い合わせフォームなら、「正しい内容を入力して送信できた」だけではなく、

  • 空欄で送ったらどうなるか
  • 間違ったメールアドレスを入れたらどうなるか
  • とても長い文字を入れたらどうなるか
  • 送信ボタンを連続で押したらどうなるか
  • 通信に失敗したらどうなるか

といったケースもあります。

特にログイン、フォーム、個人情報、ファイルアップロード、決済などに関係する部分は、見た目以上に慎重な確認が必要です。

Webアプリケーションのセキュリティを確かめるときは、OWASP Top 10のような開発者向け資料も判断材料になります。

また、入力フォームではブラウザ側でエラーを表示するだけでは安全対策として十分ではなく、サーバー側でも入力を確かめる必要があります。

とはいえ、ここまでの項目を一度に覚えるのは大変です。

まずは、

「直した場所を見る」→「その周辺を見る」→「エラーを見る」→「失敗する場合も試す」

という順番だけでも、AIコードをそのまま採用するよりかなり安全になります。

5. 本番へ反映するかは、人が決める

ローカル環境やテスト環境で問題なく動いたら、最後に本番へ反映します。

ここもAIに任せられる作業は増えていますが、公開してよい状態かどうかの判断までAIへ丸投げしないのが前提です。

本番反映の前に、少なくとも次を確かめます。

  • 変更内容を説明できる
  • 関係のない変更が混ざっていない
  • 必要なテストを行った
  • 元の状態へ戻せる
  • APIキーや個人情報などがコードやログへ入っていない
  • 新しいパッケージや設定変更がある場合、その理由が分かる
  • 本番で問題が起きたとき、どこを戻せばよいか分かる

そして、仕事としてコードを納品する場合は、AIとの会話がなくても次の人が保守できる状態にしておきます。

AIが生成したコメントが大量に残っていたり、同じ処理が何か所にも増えていたり、なぜ追加されたのか分からないライブラリが入っていたりすれば、動いていても後から修正しにくくなります。

必要なら、最後にAIへ、

今回変更したコードについて、不要な重複や依存関係がないか確かめてほしいです。
ただし、まだ変更はせず、改善候補だけ教えてほしいです。

とレビューを頼むのもいい方法です。

ただし、そこで出てきた改善案を全部適用する必要はありません。

せっかく小さく直したのに、最後の「ついでの改善」で大量に書き換えてしまったら元も子もありません。

今回直すべきものが直ったなら、そこで手を止めます。

案件全体でのAIの使い方は、フリーランスのWeb制作でAIを使うには?効率化と品質を両立する考え方でも紹介しています。

AIで作られたサイトの修正を頼む前の整理は、AIで作ったサイトを直したい|よくある失敗と修正を頼む前の整理にまとめてあります。

まとめ|AIコード生成は「小さく頼んで、確認して進む」

AIは、コード作業をかなり助けてくれます。

分からないコードの中身を、かみ砕いてもらえます。

不具合の原因なら、候補を並べてくれます。

修正案もいくつか出してくるので、テストで見る観点はそこから増やせます。

こうした使い方だけでも、開発中に止まってしまう時間を減らせます。

一方で、AIがコードを書けることと、そのコードをそのまま公開してよいことは別です。

安全に使う基本は、とてもシンプルです。

  1. 直したい場所を1つに絞る
  2. まず説明してもらう
  3. 小さく変更する
  4. 差分を見る
  5. 画面とテストで確認する
  6. 本番へ出すかは人が決める

難しいコード生成から入らなくても、AI活用は始められます。

次に「ここをちょっと直したい」という場所が出てきたら、まずAIへコードを書かせる前に、

「どこが原因だと思う? まだ変更せず説明して」

と聞いてみるのが、次の一手になります。

AIコード生成の使い方は、そこから始めるだけでも十分です。

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