ざっくり言うと
顧客の名前、社外秘、個人情報はGeminiに貼らない。これが基本です。
相談したいことがあるなら、名前を伏せたり、具体名を出さない形に言い換えたりして聞きましょう。会社の仕事で使うなら、勤め先のルールも先に確かめてください。
Temporary Chat(一時チャット)やKeep Activityのオフは、履歴や学習に使われる範囲を抑えるための補助の設定です。ここまでなら秘密の情報を入れてよい、という線引きではありません。
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正確には
Geminiとの会話がどう扱われるかは、Keep Activityという設定で変わります。Googleの公式ページ(プライバシーハブ)には、次のように書かれています。
- Keep Activityがオンのとき、会話はサービス改善やAIモデルの学習に使われることがある(人によるレビューを含む)
- Keep Activityをオフにすると、フィードバックを送らないかぎり、その後のチャットは学習に使われない
- Temporary Chat(一時チャット)も、モデルの学習には使われない
- ただしどちらも、回答の提供と安全・セキュリティのために最大72時間は保持され、人が確認する場合がある
会社契約のWorkspaceは扱いが違う
Google Workspace(会社契約のGmailなど)の対象プランでは、扱いが公式に明記されています。Workspaceのデータを、許可なく組織の外のモデル学習や人によるレビューに使うことはない、という内容です。
一方、個人のGoogleアカウントで使うGemini Appsは、設定によっては学習に使われます。会社の情報を扱うなら、この違いは押さえておいてください。
つなぐ機能が増えるほど、預ける情報も増える
2026年7月15日に更新されたプライバシーハブには、データとして扱われる可能性のあるものが並んでいます。
- Gemini Liveの音声・動画・画面共有
- Connected Apps(外部サービスとの連携)でつないだ中身
- MCPツールでやり取りした内容
- Chromeやリモートブラウザで見ているページ
外とつなぐ機能を使うときほど、何が渡るのかを確かめたいところです。設定の入口は、このあとのTemporary ChatとKeep Activityのところで説明します。
エージェント機能「Gemini Spark」を使うとき
Gemini Sparkは、個人向けGemini Appsのエージェント機能です。2026年8月12日時点で、使うには次の3つが必要です。
- 18歳以上の個人Googleアカウント
- Google AI ProまたはGoogle AI Ultraのサブスクリプション
- Keep Activityを有効にしていること
以前は、米国の外だとUltraが必要でした。いまはProでも対象になり、日本からでも使えます。ただし、欧州経済領域(EEA)、ナイジェリア、スイス、英国は対象外です。
使える地域でも、預ける情報は増えます。リモートブラウザにはCookieや認証セッションの情報が、リモートコンピューターにはコード・ファイル・作業データが保存される場合があります。
外部のページに仕込まれた指示でAIが動かされてしまうプロンプトインジェクションにも注意してください。メールや文書の情報を意図せず参照・送信したり、望まない操作を実行したりする可能性があります。任せきりにせず、結果は自分で確かめましょう。
Sparkに他社のツールをつなぐカスタムMCPにも、条件があります。2026年8月12日時点では、米国の18歳以上の個人アカウント向けで、Keep Activityをオンにする必要があり、英語でのみ使えます。他社のMCPをGoogleが管理・監視・保護するわけではありません。書き込みの前に確認が表示されても、安全が保証されるわけではないため、接続先・共有するデータ・実行する内容を毎回確かめてください。
なお、ここで説明しているのはGemini Appsの機能です。Gemini APIなど、開発者向けの機能の話ではありません。
貼らないもの、貼る前に確かめること
そのうえで、入力欄に貼り付ける前に、次の3つだけ確かめてください。
- これは社外の人に見せても大丈夫な情報か
- お客さんの名前や連絡先が混ざっていないか
- 契約金額や社内の数字など、外に出すと困るものが入っていないか
ひとつでも引っかかったら、伏せ字(マスキング)にしてから貼るか、貼らずに済む聞き方を考えましょう。
名前と金額を伏せて聞く
Temporary Chatでできること、できないこと
Googleの公式発表によると、Temporary Chatは特別なチャットです。履歴に残らず、過去のチャットを参照して答える仕組みにも使われません。履歴を残したくない試し打ちには向いています。ただし、機密情報や個人情報の入力先にはしないでください。
- 個人アカウント向けに案内されている機能で、仕事・学校のアカウントでは使えない
- チャット画面のメニューから始められる
- Activityには保存されない
- ただし回答の処理と安全対策のため、最大72時間はGoogleに保持される
メニューの場所や名前は変わることがあります。見当たらないときは、記事の最後の「参考ソース」の公式ページで最新の案内を確認してください。
保存の設定Keep Activityをオフにする
公式ヘルプによると、設定からKeep Activityをオフにすると、その後のチャットはAIモデルの学習に使われなくなります(フィードバックを送った場合を除きます)。切り替える場所は次のとおりです。
- パソコン
gemini.google.comを開き、Settings & help(設定とヘルプ)からActivityへ進む - スマホ
Geminiアプリでプロフィールアイコンを押し、Activity / Keep Activityへ進む
オフにするときは、次の点も知っておいてください。
- オフにしても、回答と安全対策のため最大72時間はチャットが保持される
- オフにすると、Workspace・Googleフォト・YouTubeなど一部のConnected Appsが使えなくなることがある。連携を使いたい人は、オフにせず「貼る内容を選ぶ」ほうで守るのが現実的
- 録音・動画・画面共有には、サービス改善に使うかどうかの設定が別にある。公式ヘルプによると、こちらは最初からオフになっている
- 過去のチャットは手動で削除できる
会社の仕事で使うときに確かめること
会社のメールや資料をGeminiで扱うなら、始める前に確かめておきたいことが4つあります。
- 個人アカウントではなく、会社のWorkspaceアカウントで使っているか
- Connected Apps(Drive・Gmail・Calendarなど)を使うなら、Geminiがアクセスできる範囲はどこまでか
- 会社で使うなら、Workspaceの管理者設定はどうなっているか
- 「Geminiを使ってよいか」「何を貼ってはいけないか」を、上司や会社のIT担当者に聞いたか
本人アバターを作るとき
自分の顔と声でアバターを作る場合、その録画はGoogleアカウントに保存され、本人の許可を確かめるためにも使われます。
録画とそこから作られたデータは、コンテンツの生成と安全・セキュリティ対策に使われ、人によるレビューが入る場合もあります。国や地域の法律によっては、生体情報にあたる可能性もあります。
録画は自分で削除できますが、すでに作った動画までは消えません。3年間使わなかった録画は自動で削除されます。生成AIモデルの学習には、不正利用や危害への対処を除いて使われません。
この録画は、通常のGemini Apps Activityとは別に管理されます。撮る前に、Googleアカウントと所属先の設定、同意のルールを確認してください。
やってみよう
上から順に、3つだけやっておきましょう。
ステップ1:貼る前に3秒止まる
コピーして貼るまでは一瞬ですよね。手が速い人ほど、うっかり貼ってしまいがちです。Ctrl+Vを押す前に3秒だけ止まって、自分にこう聞いてください。
「これ、知らない人に見えても困らない?」
困ると感じたら、そのまま貼らない。この一呼吸だけでも、うっかり入力による事故はかなり減らせます。ステップ2:マスキング用の置き換えメモを作る
よく使う置き換えを、メモ帳や表計算ソフトに用意しておくと手早く処理できます。
- 会社名
A社・B社にする - 人名
田中さんなら「Bさん」のようにする - 金額
350万円なら「数百万円規模」か「(伏せる)」にする - 日付
12月3日なら「先日」にする - メールアドレス
すべてexample@example.comに置き換える
毎回ゼロから考えず、置き換え方をあらかじめ決めておくのがコツです。
ステップ3:設定と履歴を一度だけ見直す
最初に1回だけ、次の4つを確認しておきましょう。操作の正確な場所は時期で変わるので、迷ったら公式ヘルプの案内を見てください。
- Keep Activityをオン・オフのどちらにするか決める
- 過去のチャットに機密が混ざっていないか流し見する
- 混ざっていたら、そのチャットを手動で削除する
- 会社で使うなら、Workspaceアカウントに切り替わっているか確認する
いちばん効くコツも書いておきます。「便利だから貼る」のではなく、貼らずに済む聞き方を探すことです。
たとえば「うちの顧客リストを要約して」ではなく、「顧客リストを要約するときに気をつけることを教えて」と聞いてみる。これなら本物のデータを渡さずに、考え方だけを受け取れます。
生のデータを渡さなくても、聞き方を工夫すればGeminiは十分に役立ってくれます。