ざっくり言うと
Geminiへメールを頼むたびに、「丁寧な口調で」「最初に用件を」「300文字以内で」と書いていませんか。同じ指示を何度も入力するなら、よく使う文を保存しておくと楽になります。
一字一句残したい文章はメモへ、繰り返したい作業のルールはGeminiの設定へ、と分けて考えましょう。設定に慣れていなければ、メモからコピーして使うだけでも十分です。
| 使い回したいもの | 向いている方法 |
|---|---|
| 定型メールや会社紹介の原文 | メモやGoogle Driveへ、そのまま保存する |
| メール作成・議事録整理など、特定の作業のルール | 使える場合はSkills(スキル)に保存する |
| すでに作ってある専用の担当AI | 既存のGemを使い、Skillsへの移行予定を確認する |
| 話題が変わっても共通する、回答の好み | Instructions for Geminiに登録する |
| 過去の会話を踏まえた、自分向けの回答 | Memory(メモリー)を使う |
名前が多く見えますが、全部を使う必要はありません。まずは「文章を残したい」のか、「いつもの頼み方を省きたい」のかを選んでください。
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正確には
一字一句残したい定型文は、メモやDriveに保存する
お客様への定型メール、会社の正式プロフィール、商品の正式名称。こうした文章を毎回同じ表現で使いたいなら、元の文章を保存しておきましょう。契約文のひな形や、決まった注意書きも同じです。
Geminiに「覚えておいて」と頼むだけでは、次回も一字一句同じ文章が出る保証はありません。原文を残しておけば、必要なときにその文章を渡し、変更してよい箇所だけを指定できます。
宛名と納期だけ変えたい場合の頼み方
たとえば、次のような納期連絡をメモへ保存しているとします。名前も用件も架空の練習用です。
今回の宛先が「青空雑貨店」、納期が「10月20日」なら、次のように原文と変更内容を一緒に渡してみましょう。
次の納期連絡メールを、今回の内容に合わせてください。
宛名を「青空雑貨店様」、納期を「10月20日」に変更してください。
それ以外の文面は変えないでください。
原文:
見本商店様
ご連絡ありがとうございます。
10月15日までに見本資料を提出する予定です。
どうぞよろしくお願いいたします。
できた文章は、宛名と日付以外が変わっていないか、原文と見比べてください。変更が2か所だけなら、自分で置き換えるほうが早いこともあります。AIに頼む場合も、原文が手元にあれば確かめられますね。
指示のテンプレは、固定部分と入れ替える部分を分ける
毎回同じ文章を使うのではなく、毎回違う用件をメールにしたい場合もあります。そのときは、文章の作り方をテンプレにしましょう。
固定してよいのは、「丁寧に」「要点を変えずに」「300文字以内」といったルールです。相手・用件・元の文章など、その都度変わるものだけ入れ替えます。
| 指定すること | 今回の例 | 次回に変えるか |
|---|---|---|
| 相手 | 取引先 | 相手が変わる場合だけ変更する |
| 口調 | 丁寧な「です・ます」調 | 通常はそのまま使う |
| 長さ | 300文字以内 | 必要なときだけ変更する |
| 内容の扱い | 要点を変えず、事実を追加しない | そのまま使う |
| 元の文章 | 打ち合わせ資料を10月12日までに送る | 今回の用件へ入れ替える |
自分のメモには「ここに元の文章を貼る」と目印を置いて構いません。ただし、Geminiへ送る前に、目印を実際の文章へ置き換えてください。空欄が残っていると、何を直すのか伝わりません。
入れ替える項目を増やしすぎると、毎回の準備が面倒になります。「普段変わるのは用件だけ」という使い方なら、相手や口調は固定しておくほうが続けやすいでしょう。
同じ作業を何度もするなら、Skillsにルールを保存する
Skillsは、繰り返し使う指示を保存し、Geminiのチャットから呼び出す機能です。メール作成や議事録整理など、作業ごとに必要なルールをまとめられます。
2026年10月3日に確認したSkillsの公式ヘルプでは、次の条件が必要です。
- 18歳以上であること。
- 個人のGoogleアカウントでログインしていること。
- 「アクティビティの保存(Keep Activity)」がオンであること。
個人アカウントへ順次提供されているため、条件を満たしてもまだ表示されない場合があります。仕事・学校のアカウントは、現時点では対象外です。見当たらなければ、メモから貼り付ける方法で続けましょう。
何を保存すると、入力が減る?
メール担当なら、毎回の用件やお客様の名前まで登録する必要はありません。「いつ、どのように文章を整えるか」を保存しておき、今回の用件はチャットで渡します。
メール担当を作るなら、各欄へ次のように入力してください。
| 設定する欄 | メール担当を作る場合の例 |
|---|---|
| 名前 | customer-mail |
| 説明 | お客様向けメールの下書きを頼まれたときに使う |
| 指示 | 用件を最初に書く。丁寧な「です・ます」調で、300文字以内にする。元の内容にない事情や約束を足さない。不明な事実は推測せず、確認する |
「何に使うか」を説明へ書いておくと、使う場面が分かりやすくなります。たとえば議事録担当なら、「会議メモから決定事項・担当者・期限を整理するとき」と書く方法です。
パソコンで保存し、チャットから使う
ウェブ版では、サイドバーの「設定(Settings)」→「Skills」を開きましょう。「手動で作成(Create manually)」を選び、名前・説明・指示を入力して「作成(Create)」を押してください。
使うときはチャット欄に / を入力し、表示された候補から使いたいSkillを選びます。その後に、今回の用件を入力しましょう。メール担当なら、毎回「丁寧な口調で」と書き直す手間を減らせます。
先ほどの customer-mail を選んだあとなら、次の用件だけを伝えて試せます。架空のお店の案内です。
次の用件でメールを作ってください。
10月15日は店内の設備点検のため、開店時刻を午前10時から午後1時に変更します。
閉店時刻は通常どおり午後6時です。
「300文字以内」「事情や約束を足さない」といったルールは、Skillに保存したものを使う形です。今回の日付や時刻まで固定の指示に入れず、用件だけをその都度渡しましょう。
有効なSkillは、質問の内容に合うとGeminiが自動で使う場合もあります。今回は確実にそのルールを指定したい、というときは自分で選んでください。ルールを保存していても、完成した文の日付や数量は確かめましょう。
操作は2026年10月3日の公式案内に沿っています。呼び出しの記号は変更が予定されているため、表示が異なる場合は公式の作成・利用手順を参照してください。
すでにGemを使っている人は、移行予定を確認する
Gemは、用途ごとの指示や「Knowledge」と呼ばれる参考資料をまとめて使う機能です。「メール担当」「議事録担当」「商品説明文担当」といったGemを作っている人もいるでしょう。
現在のGemは、Geminiのメニューから「Gems」を開き、使いたいものを選んで会話を始められます。Gemsの公式ヘルプに、既存のGemを開く手順が案内されています。
ただし、個人アカウントのGemsは、2026年11月からSkillsへ移行する予定です。2026年10月3日に確認したGoogleの移行案内では、アカウントごとに時期が分かれています。
| アカウント | Gemsの提供終了・Skillsへの移行予定 |
|---|---|
| 個人のGoogleアカウント | 2026年11月 |
| Workspaceのビジネス・企業・非営利 | 2027年3月 |
| Workspaceの教育 | 2027年6月 |
既存のGemと対応する添付ファイルは、自動移行される予定です。今すぐ全部を作り直す必要はありません。大切な指示と元の資料を手元に残し、移行が近づいたら上の公式案内で対象と日程を確かめてください。
これから繰り返す指示を保存するなら、Skillsが自分の画面にあるか見てみてください。まだ提供されていない場合は、利用中のGemやメモを使い続けられます。Gemの基本は、Gemsを作る入門も参考にしてください。
Instructionsは、普段から共通する回答の好みを登録する
メールに限らず、どの話題でも「先に結論を知りたい」と思うことがありますよね。こうした好みは、Instructions for Geminiに登録できます。
特定の仕事のルールはSkills、通常のチャットに共通する書き方の好みはInstructions、と分けると整理しやすくなります。登録する内容は、たとえば次の3つです。メールの宛名や案件の事情など、特定の仕事でしか使わない情報は分けておきましょう。
- 最初に結論を短く書いてほしい。
- 長い説明で並列の内容があるときは、箇条書きを使ってほしい。
- 専門用語には、初めて聞く人にも分かる短い説明を付けてほしい。
パソコンでInstructionsを登録する手順
2026年10月3日に確認したInstructionsの公式ヘルプでは、ウェブ版は次の手順です。
- Geminiの「設定とヘルプ」を開いてください。
- 自分向け設定の「Personal Intelligence」を開き、その中の「Instructions for Gemini」という指示の設定を選びましょう。
- 「追加(Add)」を選び、希望する書き方を入力して「送信(Submit)」を押してください。
Personal Intelligenceは、自分に合わせた回答の設定をまとめている項目です。登録後は、同じ画面から指示を編集したり、オン・オフを切り替えたりできます。
試すときは、書き方の希望を繰り返さず、普段どおりに質問してみましょう。たとえば「雨雲はどうやってできるの?」と尋ね、結論から始まるか、難しい言葉に説明があるかを見ると確かめやすいでしょう。
使えないアカウント・適用されない機能もある
Instructionsは個人のGoogleアカウント向けです。仕事・学校・保護者の管理対象アカウントでは使えず、Gemsなど一部の機能にも適用されません。
「通常のチャットでは好みの書き方になるのに、Gemでは違う」という場合は、Gem自身の指示を確認してください。登録先を取り違えたまま何度も書き直すより、どの機能で回答しているかを確かめましょう。
Memoryは、過去の会話を踏まえる機能
Memory(メモリー)は、以前の会話を使って、自分に合う回答を作る機能です。たとえば前に話した仕事や興味が、次の相談に生かされることがあります。
一方、定型メールを一字一句そのまま保存して取り出すための機能ではありません。「以前の事情を踏まえてほしい」のか、「この文章を変えずに使いたい」のかで、目的が違います。
Memoryの公式ヘルプで確認した利用条件は、次のとおりです。2026年10月3日時点の情報です。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 年齢 | 18歳以上 |
| アカウント | 個人のGoogleアカウント |
| 保存設定 | Keep Activityがオン |
| 対象外 | 仕事・学校・保護者の管理対象アカウント、Gems内やLive利用中の会話など |
Liveで話している最中には使えませんが、通常のテキストチャットから、過去のLiveの会話を参照するよう頼むことはできます。Memoryを使っても、過去の内容を必ず正しく反映できるわけではありません。
原文を正確に使いたいときは、メモやDriveから今回のチャットへ渡してください。前の会話を続けるか迷ったときは、新しいチャットと続きのチャットの使い分けも確認できます。
まとめ:最初は、よく使う指示を1つ残す
まずはメモを1枚作り、いつも使う指示と、うまくいった入力例を保存しましょう。毎回変わる用件だけを入れ替えれば、設定を増やさなくても使い回せます。
何度も同じ指示を貼っていると気付いたら、使えるアカウントではSkillsへ移す方法があります。普段の書き方の好みはInstructionsへ、変えたくない原文はメモへ。役割を分けておくと、あとで直す場所も見つけやすくなります。
やってみよう
判断クイズ
第1問
会社紹介文を一字一句変えずに使いたいとき、原文を残す場所はどちらがよいでしょうか?
A. メモやGoogle Drive。
B. Memoryだけに任せる。
第2問
Skillsが使えるアカウントで、毎週同じルールの議事録整理をします。入力を減らす方法はどちらですか?
A. 毎回、すべてのルールを打ち直す。
B. 固定の作業ルールをSkillとして保存する。
第3問
Instructionsが使える個人アカウントです。通常のチャットでは、どの話題でも結論を先に書いてほしいとき、どちらへ登録しますか?
A. 議事録用のSkillだけ。
B. Instructions for Gemini。