Geminiでは、同じチャットで会話を続けると、それまでのやり取りを踏まえて答えてくれます。

基本はとてもシンプルです。同じ話なら続きのチャット、別の話なら新しいチャットで分ければ大丈夫です。

ただし現在のGeminiには、過去のチャットを参照する「メモリー」や、会話の途中から別ルートを作る「新しいチャットに分岐」、履歴に残さない「一時チャット(Temporary Chat)」もあります。

この記事では、それぞれをどう使い分ければいいかを初心者向けに整理します。

ざっくり言うと

迷ったら、次の4つで判断すると分かりやすいです。

  • 同じ仕事・同じ資料の続きを話す
    → 続きのチャット
  • 目的・相手・守るルールが変わる
    → 新しいチャット
  • 今までの流れを残したまま別案を試す
    → 新しいチャットに分岐
  • 履歴やパーソナライズに残したくない
    → 一時チャット(Temporary Chat)

いちばん大事なのは、「あとで見返したときに、何の話をしていたチャットか分かる単位」で分けることです。

イメージ

Geminiのチャットは、1冊ずつ分かれた打ち合わせノートのようなものです。

同じノートに書き続ければ、前のページを見ながら会話を続けられます。

たとえば、最初に文章を作ってもらったあとで、

もう少し短くして。
箇条書きにして。

と頼めば、同じチャットなら直前までの流れを踏まえて修正してくれます。

一方、旅行の相談をしていた途中で突然「取引先へのお詫びメールを書いて」と頼むような場合は、新しいチャットに分けたほうが整理しやすくなります。

正確には

「続きのチャット」を使う場面

前のやり取りが、そのまま次の質問に必要なら続きのチャットを使います。

たとえば、次のようなケースです。

  • 同じ文章を何度か直す
  • 同じ資料について質問を続ける
  • 同じ旅行についてホテル、交通、持ち物を相談する
  • さっき出してもらった案を比較する
  • 途中まで作った企画をさらに詰める

同じチャットなら、「さっきの案」「2つ目の候補」「この文章」のような言い方でも、前の流れを踏まえて理解してもらいやすくなります。

「新しいチャット」を使う場面

話の目的や前提が変わったら、新しいチャットに切り替えます。

目安は、次の3つです。

  • 相手が変わる
  • 目的が変わる
  • 守るルールが変わる

たとえば、同じ「メール作成」でも、

  • 取引先へのお詫びメール
  • 採用応募者への返信
  • 友人への連絡

は、それぞれ別のチャットにしたほうが分かりやすくなります。

前の会話のトーンや条件を必要以上に引きずりにくくなり、あとで履歴から探すときにも楽です。

「新しいチャットに分岐」とは?

Geminiには、会話の途中の特定の地点から、別のチャットを作る機能があります。

これが「新しいチャットに分岐」です。

たとえば、企画案を相談していて、途中までは同じ条件のまま、

  • A案をそのまま詰めたい
  • 同じところからB案も試したい

というときに便利です。

回答の下にあるメニューから 「新しいチャットに分岐」 を選ぶと、その地点から別ルートの会話を始められます。

元のチャットと分岐したチャットは別々に残るため、片方を削除しても、もう片方まで一緒に削除されるわけではありません。

Google公式ヘルプでは、Web版だけでなくAndroid版、iPhone・iPad版でも分岐方法が案内されています。

分岐と普通の新しいチャットの違い

普通の「新しいチャット」は、まっさらな別の会話として始めます。

一方の「新しいチャットに分岐」は、そこまでの会話の流れを土台にして、別ルートを作りたいときに使います。

  • 前の流れがいらない
    → 新しいチャット
  • 前の流れを残して別案を試したい
    → 新しいチャットに分岐

と覚えると迷いません。

新しいチャットにすると、前の内容は全部リセットされる?

会話の流れとしては別のチャットになりますが、必ずしも「Geminiが過去のことを何も参照しない」という意味ではありません。

Geminiには、過去のチャットを参照して回答をパーソナライズする「メモリー」機能があります。

2026年9月30日時点のGoogle公式ヘルプでは、次の条件を満たす個人アカウントで利用できます。

  • 18歳以上
  • 個人のGoogleアカウントでログインしている
  • 「アクティビティの保存」がオン
  • 「メモリー」がオン

条件を満たしている場合、新しいチャットから過去のGeminiチャットについて質問したり、過去の会話を参照して回答するよう頼んだりできます。

仕事用・学校用・管理対象のGoogleアカウントでは、このメモリー機能は利用できません。

そのため、「新しいチャット=過去の情報を完全に切断する機能」ではなく、「会話を別の流れとして整理する機能」と考えるほうが正確です。

過去のチャットをもう一度続けたいとき

過去の会話は、Geminiの「最近」のチャット一覧から開き直して続けられます。

たとえば昨日の旅行相談を続けたいなら、昨日のチャットを開いて、

昨日の続きから。ホテル候補を3つに絞って。

と頼めばOKです。

個人アカウントでメモリーをオンにしている場合は、新しいチャットから過去のチャットについて質問できる場合もあります。

ただし、確実に特定の内容を引き継ぎたいときは、元のチャットを開き直すか、必要な要点を新しいチャットに貼り付ける方法が分かりやすいです。

履歴やパーソナライズに残したくないなら「一時チャット」

Geminiには 一時チャット(Temporary Chat) があります。

一時チャットは、通常のチャットとは違い、最近のチャットやGeminiアプリ アクティビティに表示されません。

一時チャットでは、次のような機能も使えません。

  • Gems
  • 「アクティビティの保存」が必要な一部のConnected Apps
  • パーソナライズされた回答
  • 今後のパーソナライズ用として情報を保存する機能

Googleは、一時チャットをAIモデルの学習には使用しないと案内しています。

一時チャットは、個人のGoogleアカウントでログインしたGeminiのWeb版またはモバイルアプリで利用できます。仕事用・学校用アカウント、Gemini in Chrome、Googleメッセージでは利用できません。

Gemはどう使い分ける?

何度も同じ役割やルールでGeminiを使うなら、通常のチャットとは別に Gem を使う方法があります。

Gemは、Geminiの回答を自分の用途向けにカスタマイズして保存する機能です。

たとえば、

  • 丁寧なビジネスメール担当
  • 英語学習の先生
  • 企画のブレスト相手
  • 要約担当

のような役割を用意できます。

名前と指示を設定して保存できるほか、「Knowledge」にファイルを追加して、その内容を参考に回答させることもできます。

Googleドライブ上のファイルをKnowledgeに追加した場合は、Google公式ヘルプによると、そのファイルの最新バージョンがGemで使われます。

Gemは2026年11月からSkillsへ移行予定

2026年9月30日時点ではGemを利用できますが、Googleは2026年11月から、個人のGoogleアカウントではGemをSkillsへ移行する予定と案内しています。

既存のGemは自動的にSkillsとして再作成される予定です。

そのため、これからGemを覚える場合も、「繰り返し使う指示や仕事の型を保存する仕組み」と理解しておけば大丈夫です。

迷ったときは「あとで見返したい単位」で分ける

チャットを分けるか迷ったときは、あとでタイトルを見たときに何の話か分かるかを基準にすると整理しやすくなります。

たとえば、

  • 同じ資料の修正を続ける
    → 続きのチャット
  • 同じ旅行のホテル・交通・持ち物を相談する
    → 続きのチャット
  • 旅行相談の途中で仕事メールを書く
    → 新しいチャット
  • 同じ企画から別案を試す
    → 新しいチャットに分岐
  • 履歴に残したくない一時的な相談
    → 一時チャット

という分け方です。

ひとつのチャットに関係のない話題を詰め込みすぎると、「さっきの案」が何を指しているのか分かりにくくなります。

同じテーマはまとめ、テーマが変わったら分ける。それだけでGeminiのチャットはかなり使いやすくなります。

やってみよう

1. 続きのチャットを試す

まず、次の質問を送ってみてください。

日帰り旅行の準備で気をつけることを、短い文章で教えてください。

回答が出たら、同じチャットで次のように頼んでみましょう。

もう少し短くして。
今度は箇条書きにして。

前の回答を踏まえて修正してくれれば、「続きのチャット」の感覚が分かります。

2. 新しいチャットへ切り替える

全然違う話題に変わるタイミングで「新しいチャット」を作ってみましょう。

たとえば、旅行相談をしていたら、夕食レシピは新しいチャットに分けます。

3. 新しいチャットに分岐してみる

ひとつの回答から別案も試したいときは、回答下のメニューから「新しいチャットに分岐」を選びます。

元の案を残したまま、違う方向の会話を進められます。

判断クイズ

第1問

ひとつの提案書を作っていて、さっき作った文章を「もう少し短くして」と直したい。

A. 続きのチャット
B. 新しいチャット

第2問

途中までのやり取りと条件を引き継ぎ、元の企画案を残したまま別の方向も試したい。どちらが向いていますか?

A. まったく新しいチャット
B. 新しいチャットに分岐

第3問

履歴や今後のパーソナライズに残したくない、一時的な相談をしたい。

A. 続きのチャット
B. 一時チャット(Temporary Chat)

まとめ

Geminiのチャットは、同じテーマなら続き、別のテーマなら新しいチャットが基本です。

そこに、

  • 同じ流れから別案を試すなら「新しいチャットに分岐」
  • 過去の会話をまた使うなら「最近」のチャットを開き直す
  • 対象アカウントで過去チャットを横断して使うなら「メモリー」
  • 履歴やパーソナライズに残したくないなら「一時チャット」
  • 繰り返す仕事の型を保存するなら「Gem」

を使い分ければ十分です。

迷ったときは、「あとでこのチャットを見返したとき、何の話か分かるか?」で判断してみてください。