同じ仕事をClaudeに何度も相談していると、「資料を渡したのはどのチャットだったかな」と探すことがあります。新しい会話のたびに、お店の情報や文章のルールを説明し直すのも手間ですよね。

Projects(プロジェクト)を使うと、関連するチャット・資料・指示を案件ごとにまとめられます。無料プランでも始められるので、まずは繰り返し相談する仕事や勉強を1つ選んでみましょう。

ざっくり言うと

Projectsは、同じ案件の資料や回答ルールを、複数のチャットで使うための作業場所です。

たとえば「A社ホームページ制作」というプロジェクトに会社案内を置けば、構成を考えるチャットでも、紹介文を書くチャットでも参照できます。文章の好みも共通の指示として設定できるため、毎回最初から伝え直す手間が減ります。

名前役割
Chats(チャット)構成、原稿、見積もりなど、作業ごとの会話
Project knowledge(共通資料)各チャットで参考にしてほしい文書や情報
Project instructions(共通指示)その案件で守ってほしい回答のルール
Project memory(メモリ)有効な場合に、会話から覚えた背景を次の相談へ生かす機能

ただし、同じ場所に入れただけで、別のチャットの全文が自動で伝わるわけではありません。共通資料とメモリの違いは、後半で具体例とともに確認できます。

イメージ

案件ごとに、資料とノートを置く仕事机を作る

月曜はA社の提案書、火曜は旅行、水曜はA社の見積もり。通常のチャットだけで相談を続けると、仕事も私用も同じ一覧に並びます。

Projectsは、A社の仕事だけを専用の机へまとめるイメージです。机の上には会社案内と制作ルールを置き、作業のノートは分けておきましょう。

  • 提案書を作るチャット
  • 見積もりの条件を整理するチャット
  • よくある質問への回答を考えるチャット
  • 共通で使う会社案内や仕様書
  • 言葉遣いや説明のしかたを決める指示

これなら、提案書を直すときに旅行の相談を探す必要はありません。ただし、別のノートに書いた決定まで、Claudeがいつも全部読んでいるとは限りません。どの作業でも使う情報は、共通資料にも残してください。

正確には

以下は、2026年10月3日に公式情報と照合した、通常のClaude ChatのProjectsの説明です。新しいProjectsのベータについては、後半で分けて紹介します。

チャット・資料・指示を、それぞれの場所へ置く

チャットは、目的ごとに分ける

プロジェクトの中には、複数のチャットを作れます。「A社ホームページ制作」なら、サイト構成、原稿作成、見積もり、打ち合わせの整理という分け方です。

1本の会話へ全部詰め込まずに済むため、原稿だけを見直したいときも、そのチャットを開けば続きから相談できます。同じ目的の修正は続け、新しい作業を始めるときにチャットを分けてみましょう。

Project knowledgeには、繰り返し参照する資料を置く

Project knowledgeは、プロジェクト内のチャットで共通して使える資料の置き場です。会社案内や仕様書などのPDF、テキスト、用語集、プログラムのコードなどを追加できます。

たとえば会社案内をここへ入れると、紹介文を書くたびに同じPDFを添付し直す手間が減ります。チャットで一度見せただけの資料と、プロジェクト全体で使う資料を区別してください。

公式の管理ヘルプでは、プロジェクト画面右側の資料欄にある「+」から追加すると案内されています。ファイルを追加した後は、意図した資料が一覧に入っているか確かめましょう。

Project instructionsには、回答のルールを書く

Project instructionsは、そのプロジェクト専用の指示です。「誰に向けた文章か」「どんな言葉遣いにするか」など、どのチャットでも守ってほしいことを書けます。

「Set project instructions」を開き、次のような指示を入れて「Save instructions」で保存してください。

このプロジェクトでは、ホームページ制作に詳しくないお客様へ説明します。丁寧な日本語で、専門用語には最初に出てきたところで短い説明を添えて回答してください。不明な情報は推測せず、確認が必要だと書いてください。

会社案内は「回答の材料」、上の指示は「答え方のルール」です。どちらもプロジェクト内の各チャットで使えますが、入れる内容の役割が違います。

最初のプロジェクトを作る

まずは、資料1つと短い指示から始めれば十分です。2026年10月3日時点の公式の作成手順は、次の流れです。

  1. Claudeを開き、左側の「Projects」を選ぶ
  2. 右上の「+ New Project」を押す
  3. 名前と説明を入力して作成する
  4. Project knowledgeへ、使いたい資料を追加する
  5. Project instructionsへ、共通の指示を書いて保存する
  6. そのプロジェクトの中でチャットを始める

Team・Enterpriseでは、作成時の公開範囲も確認してください。自分と招待した相手だけで使うか、組織全体で使うかによって、資料を見られる人が変わります。

作る内容の一例を挙げると、このくらいの準備です。

項目入れる内容の例
名前A社ホームページ制作
説明会社紹介サイトの構成と原稿を相談する場所
共通資料現在有効な仕様書のPDFを1つ
共通指示お客様向けの丁寧な日本語にし、専門用語を短く説明する

名前を付けただけで終えず、資料と指示も入れてから相談してみましょう。画面の名称が違う場合は、上の公式手順と手元の表示を見比べてください。

別のチャットへ渡したい決定は、共通資料にする

同じプロジェクトの中なら、前の相談を何もかも知っていると思いやすいところです。けれども、別のチャットの会話全文が、そのまま自動で共有されるわけではありません。

たとえば、構成を考えるチャットで、次のように決めたとします。

A社のホームページは11月公開。トップページは白と青を基調にする。

その後、別のチャットで原稿を書き始めても、この条件が必ず使われるとは限りません。公開月やデザインの方針をプロジェクトの共通資料へまとめれば、次の作業でも参照しやすくなります。

どのチャットでも使いたい決定事項は、元の会話だけに残さず、Project knowledgeやProject instructionsへ反映しましょう。
内容置く場所
会社名、公開月、決まった仕様Project knowledge
丁寧な言葉遣い、専門用語の説明などProject instructions
今回だけ直したい段落、試しに考える案今のチャット

公式の管理ヘルプでも、共通利用する情報はknowledgeへ追加するよう案内されています。Claudeに要約を作ってもらう場合も、採用した条件と古い案が混ざっていないか確認してから保存してください。

メモリがオンなら、案件ごとの背景も引き継げる

Memory(メモリ)は、会話から今後も役立つ情報を覚え、新しい相談にも使う機能です。新しいメモリでは、各プロジェクトに独立した記憶とProject summary(プロジェクトの要約)が用意されます。

たとえば、同じ案件を相談するうちに、その仕事の目的や文章の好み、進めている作業などが、別のチャットでも役立つ場合があります。同じ仕事を続けるための記憶で、他の案件やプロジェクト外の会話とは別です。

共通資料と似て見えますが、置き方が違います。knowledgeは自分で用意した文書、メモリは会話から覚えた背景です。

Project knowledge

自分で選んだ資料や決定事項を置きます。「この仕様書の日付を使ってほしい」「正式な商品名をそろえたい」ときの参照先に向いています。

Project memory

会話から得た仕事の背景や好みを、次の相談に生かします。過去の全発言を一字一句保存して、そのまま再現する機能ではありません。

2026年10月3日時点では、Free・Pro・Maxでメモリが標準でオンです。Team・Enterpriseでは組織側の許可に加え、利用者本人の設定も関係します。

メモリの公式ヘルプで、利用条件と設定画面を確認してください。正確な金額や文章を使いたいときは、メモリ任せにせず、共通資料へ残しておくと確認もしやすくなります。

なお、有料プランの過去チャット検索では、同じプロジェクト内の以前の会話を探せます。これは資料の共有やメモリとは別の機能で、別のプロジェクトまでまとめて探すものではありません。

途中から長い仕事になっても、既存のチャットを移せる

普通のチャットで始めた相談が、1か月続く仕事になることもあります。その場合はプロジェクトを作り、今までのチャットを移してみましょう。

  1. 移したいチャットを開く
  2. チャット名の横にあるメニューを開く
  3. 「Add to project」を選ぶ
  4. 移動先のプロジェクトを選ぶ

同じメニューから別のプロジェクトへ移したり、「Remove from project」で外したりすることもできます。会話を手入力でやり直す必要はありません。

メモリを使う場合は、会話をどの案件に置くかも大切です。A社のプロジェクトへ旅行の相談を入れてしまったなら、外しておくと案件の背景を整理しやすくなります。

操作やメモリとの関係は、チャット移動の公式案内で確認できます。ただし、チャットを移すことと、内容を共通資料に登録することは別です。

無料でも使える。Freeの作成上限は5件

Projectsは、有料プランだけの機能ではありません。2026年10月3日時点の公式概要では、無料ユーザーも利用でき、作成できるプロジェクトは最大5件です。

一方、付随する機能まで全プランで同じになるわけではありません。違いを整理すると、次のようになります。

機能2026年10月3日時点の提供条件
プロジェクトの作成無料を含む全ユーザー。Freeは最大5件
RAGによる資料容量の拡張Pro・Max・Team・Enterprise
組織のメンバーへの共有Team・Enterprise。管理者の許可が必要
過去チャット検索Pro・Max・Team・Enterprise。組織設定による制限あり

RAGの仕組みは次の節で説明します。利用前には、この表だけで判断せず、各機能の公式ページで現在の条件も確かめましょう。

資料が増えると、RAGで必要な部分を探して使う

Claudeが一度に読める情報量には上限があります。この範囲をコンテキストウィンドウと呼びますが、まずは「一度の回答に使える情報の量」と考えれば大丈夫です。

有料プランでは、プロジェクトの資料がその上限へ近づくと、自動でRAGに切り替わります。RAGは、入れてある資料から質問に関係する部分を探し、回答に使う仕組みです。

2026年10月3日時点の対象は、Pro・Max・Team・Enterpriseです。

RAGの公式ヘルプでは、資料の容量を最大10倍まで拡張できると案内されています。自分で有効にする設定は不要ですが、対象プランや条件は利用前にも確認してください。

たとえば資料が20本あっても、営業時間を聞くために毎回すべてを読み込むのではなく、関係する箇所を探して使います。資料を多く置けることと、すべての内容を必ず答えに反映できることは違います。

探してもらいやすくするには、資料の渡し方も整えましょう。

  • 「資料1」より「会社案内・2026年10月版」のような名前にする
  • 同じ案件の関連資料をまとめ、使わない資料を混ぜない
  • 質問に「会社案内の営業時間を確認して」と資料名を添える

組織で共有するときは、相手と権限を確認する

Team・Enterpriseでは、管理者が許可していれば、プロジェクトを組織内で共有できます。たとえば共通の会社案内と文章ルールを置き、複数の担当者がそれぞれ原稿を作る使い方です。

2026年10月3日時点の共有の公式ヘルプでは、主に次の権限が案内されています。

権限できること
Can view(閲覧)資料や指示を見て、そのプロジェクト内でチャットする
Can edit(編集)資料や指示を変更し、メンバー設定も更新する

共有は、プロジェクト名の近くにある「Share project」から行います。相手と権限を選ぶ前に、会社の利用ルールと、資料を見せてよい範囲を確認してください。

プロジェクトを共有しても、個々のチャットは手動で共有するまで非公開です。ただし、その会話の内容をknowledgeへ追加すれば、共有相手も使える資料になります。

「Public」は、この設定では組織全体への共有を指します。自分と招待した人だけにするのか、組織の全員にするのかを確かめ、機密資料や顧客情報を置く前に共有範囲を見直しましょう。

よく使うものはStar、終わったものはArchiveへ

Starで、よく使うプロジェクトを見つけやすくする

毎日使う仕事や、長く続ける勉強のプロジェクトには「Star」を付けてみましょう。一覧やサイドバーからアクセスしやすくなります。

Projects一覧で対象の「…」から「Star」を選ぶか、プロジェクトを開いて右上の星印を押してください。案件が増えても、よく使うものを探す手間を減らせます。

Archiveは削除ではなく、一覧の整理

終わった仕事でも、後から見返すかもしれませんよね。その場合は「Archive」でアーカイブすると、会話や資料を残したまま一覧を整理できます。

プロジェクト右上の「…」からアーカイブし、再開するときはアーカイブの一覧から「Unarchive」で戻してください。2026年10月3日時点の操作は、公式の管理ヘルプで確認できます。

同じチャットを続けるか、Projectsへまとめるか

直前の文章を直すだけなら、そのチャットを続ければ十分です。「2案目を短くして」という依頼は、同じ会話の流れで進めたほうが伝わりやすくなります。

Projectsが役立つのは、同じ案件の中で作業が分かれるときです。ホームページ制作なら、構成、原稿、検索で見つけてもらう工夫、お客様への説明、修正内容の整理などが考えられます。

これらを1本の会話へ詰め込むと、原稿の話へ戻るだけでも探す必要が出てきます。共通資料をプロジェクトへ置き、作業ごとにチャットを分けてみてください。

状況向いている方法
1回だけの質問通常のチャット
同じ話の続きを何往復か相談する同じチャット
数日から数か月続く案件Projects
同じ資料を複数の作業で使うProjects
案件ごとに回答のルールを変えるProjects

会話の区切り方は、新しいチャットと続きのチャットの使い分けでも確認できます。

新しいProjectsのベータは、通常のChatと分けて確認する

2026年10月3日時点で、Anthropicは新しいProjectsを段階的にベータ提供しています。まず対象となっているのは、Claude Codeを使う一部のPro・Maxユーザーです。

Claude Codeは、プログラムの開発などを助ける機能です。新しい版のProjectsでは、1つの依頼を複数の作業に分け、クラウド上で並行して進める形になります。

通常のChatのProjectsは、資料を共有しながら自分で相談を分ける作業場所です。新しいベータでは、Claudeが依頼を複数の作業へ分けて進める点が異なります。

公式のベータ案内では、対象者にはCodeの画面やデスクトップアプリのCodeタブにProjectsが表示されるとされています。従来のChatやCoworkのプロジェクトは、引き続き使えます。

同じPro・Maxでも、全員に同時に表示されるわけではありません。手順が合わないときは、通常のChatかCode側のベータかを確認し、最新の案内を参照してください。

何度も戻ってくる仕事や勉強に使う

プロジェクトに向いているのは、資料を少しずつ育てながら相談するテーマです。ホームページ制作以外にも、次のように使えます。

使い方共通資料へ置くものチャットの分け方
お客様ごとの仕事会社案内、仕様、文章ルール提案、見積もり、説明文
ブログや動画、SNSの継続制作過去の原稿、用語集、表記の決まり企画、構成、原稿
勉強や資格学習教材、自分のノート章ごとの質問、復習、練習問題
長期の調査参考資料、分かったことの一覧論点ごとの確認、比較、まとめ

たとえば学習なら、共通の教材を置き、苦手な章だけ別のチャットで質問できます。記事制作なら、毎回同じ表記ルールを伝える手間を減らせます。

一度聞いて終わる天気や簡単な質問まで、プロジェクトにする必要はありません。最近何度も開いている仕事や勉強があれば、そこから1つ選びましょう。

資料の更新と、回答の確認も忘れずに

資料を入れるだけで、回答の正確さが保証されるわけではありません。特に次の4点は、使い続けるときに確認してください。

  • 共通の決定事項を残す
    別のチャットでも使う結論は、共通資料や指示へ反映しましょう。メモリだけに任せないようにしてください。
  • 大事な数字は元資料へ戻る
    金額、公開日、契約条件、固有名詞は、Claudeの回答と元の文書を照らし合わせてください。
  • 古い資料を区別する
    最新版が決まったら、不要な旧版を外すか、ファイル名に「旧」「参考」と付けて使い分けましょう。
  • 共有相手を見直す
    資料を追加する前や担当者が変わったときに、アクセスできる人と権限を確かめてください。

たとえば公開月を11月から12月へ変えたのに、古い仕様書が残っていたら、回答に11月が出る可能性があります。新しい資料を入れるだけでなく、どれが現在有効なのかも分かる状態にしておきましょう。

判断クイズ

第1問

どのチャットでも、お店の正式名称を同じ表記で使ってほしいときは?

A. 最初のチャットにだけ書く。
B. 共通資料かProject instructionsへ入れる。

第2問

通常のチャットで始めた相談が、1か月続く仕事になりました。整理するには?

A. プロジェクトを作り、Add to projectで移す。
B. 今までの会話をすべて手入力し直す。

第3問

仕様書をProject knowledgeへ入れたので、回答に書かれた金額は必ず正しいですか?

A. 必ず正しい。
B. 元の仕様書でも確認する。

まとめ

Projectsの基本は、資料をknowledgeへ、回答のルールをinstructionsへ置き、個別の作業はチャットで分けることです。メモリが有効なら案件の背景も使われますが、必要な文面や数字は共通資料に残してください。

まずは何度も相談する仕事を1つ選び、資料1つと指示1〜2行から始めましょう。チャットを増やす前に共通の前提を用意しておくと、後からの相談が進めやすくなります。

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