「先週作った提案書のチャットが見つからない」「同じ仕事の説明を、新しいチャットのたびに繰り返している」。そんなときは、ChatGPTのProjects(プロジェクト)を使うと整理しやすくなります。

プロジェクトは、同じテーマのチャット・参考資料・共通の指示を1か所にまとめる作業場所です。 たとえば「A社の提案準備」に資料を置き、提案書・見積もり・質問への回答を別々のチャットで進められます。

ただし、プロジェクトに入れれば過去の内容を一字一句必ず覚えてくれるわけではありません。 また、別の案件と情報を分けたい場合はメモリ設定、ほかの人と共有する場合は閲覧権限の確認が必要です。この記事では、作成からチャットの整理、資料の追加、共有時の注意まで順番に説明します。

ざっくり言うと

やりたいことプロジェクトでできること注意点
仕事や勉強のチャットをまとめるテーマ別の作業場所を作り、会話を整理する1つのチャットとプロジェクトは別のもの
毎回同じ資料を説明したくないプロジェクトの資料・指示を複数のチャットで使う必要な数字や最新版は回答時に確認する
前に作ったチャットも整理したい対応するチャットを既存プロジェクトへ移す移動できない種類のチャットもある
別の案件の情報を混ぜたくない「プロジェクト専用メモリ」を選ぶ通常のメモリ設定とは参照範囲が異なる
仲間と進めたいプロジェクトを招待制などで共有する参加者はプロジェクトのチャットや資料を見られる

最初は、1つのテーマに1つのプロジェクト、その中に目的別のチャットという使い方がおすすめです。

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1. プロジェクトとは? 普通のチャットとの違い

通常のチャットでも、同じ会話の中なら続きの質問ができます。ただし、「資料を整理するチャット」と「見積もりを考えるチャット」のように話題を分けると、前提をもう一度伝える場面が出てきます。

プロジェクトでは、関連する会話に共通して使いたい情報をまとめられます。

  • チャット:実際にやり取りする場所。1つのプロジェクトの中に複数作れる
  • プロジェクトの資料(Sources):PDF、文書、表、画像、貼り付けた文章などの参考情報
  • プロジェクトの指示:その仕事だけで守ってほしい文章の調子、読む人、確認ルールなど

たとえば「A社のホームページ提案」というプロジェクトを作れば、「提案の構成」「見積もりの検討」「想定質問」の3つのチャットを分けながら、共通の資料と指示を使えます。

ただし、プロジェクトは資料の保管庫そのものでも、正確さを保証する機能でもありません。ChatGPTが内容を取り違える可能性はあるため、料金・日付・契約条件などは必ず元の資料と照合してください。

正確には

2. 最初のプロジェクトを作る手順

パソコンのChatGPTで、次のように始めます。

  1. ChatGPTにログインし、サイドバーの「新しいプロジェクト(New project)」を選びます。
  2. 名前を付けます。例:「A社|ホームページ提案」「英語の勉強」。
  3. アイコンと色を選び、プロジェクトを作成します。
  4. 必要に応じて、プロジェクト内の「•••」メニューから「プロジェクト設定(Project settings)」を開きます。
  5. 共通の指示を追加し、そのプロジェクトの中で新しいチャットを始めます。

メニューの表示名や位置は端末・契約・更新状況によって多少異なる場合があります。

最初は大きく分けすぎない

プロジェクト名を「仕事」「その他」だけにすると、中が雑多になりがちです。反対に「見積もりの1回目」「提案書の2回目」まで別々のプロジェクトにすると、資料が分散します。

おすすめの単位は継続して同じ前提を使うテーマです。案件なら案件ごと、勉強なら科目や学習テーマごとにまとめ、個々の作業をチャットで分けると使いやすくなります。

3. 資料と共通の指示を追加する

プロジェクトを作ったら、まず参考資料と、その作業で守りたいルールを設定します。

資料は「プロジェクトの資料」に置く

プロジェクトの資料欄から、PDF、文書、表、画像などを追加できます。対応する環境では、文章を直接貼り付けたり、ChatGPTの回答を「プロジェクトに保存(Save to project)」して再利用することもできます。

たとえば提案作業なら、次のように分けておくと確認しやすくなります。

資料使い道
依頼内容をまとめたメモ依頼の目的・範囲をそろえる
最新の料金表金額・サービス内容の根拠にする
以前の決定事項前回決まった内容を振り返る

チャットの途中で添付したファイルと、プロジェクトの資料欄に登録したファイルを混同しないことが大切です。別のチャットでも繰り返し使いたい資料は、プロジェクトの資料一覧にあるか確認しましょう。

対応する場合は、Google Driveのファイル・フォルダやSlackのチャンネルへのリンクをプロジェクトの資料として追加することもできます。追加時に接続やアクセス許可を求められる場合があります。ただし、Google Driveアプリを使っても、プロジェクト内でDriveの全内容があらかじめ自動同期されるわけではありません。 必要な情報をその都度参照する方式です。

プロジェクトの指示には「何を守るか」を書く

「•••」→「プロジェクト設定」で、そのプロジェクト専用の指示を設定できます。たとえば次のように書けます。

このプロジェクトでは、A社向けのホームページ提案を進めます。
・提案文は、専門用語を減らした自然な敬語にする
・料金、納期、サービス範囲は添付の最新版資料を優先する
・資料にない条件は勝手に決めず、「要確認」と明示する
・回答の最初に結論を書く

プロジェクトの指示はそのプロジェクト内で適用され、アカウント全体のカスタム指示より優先されます。すべての会話に共通する好みと、A社だけのルールを分けられるのが利点です。

4. 以前のチャットをプロジェクトに移す

すでにある会話を整理したいときは、新しく作り直す必要がない場合があります。

  1. サイドバーで移したいチャットを見つけます。
  2. チャットのメニューから「プロジェクトに移動(Move to project)」を選ぶか、対応する画面ではプロジェクトへドラッグします。
  3. 移動先を選び、プロジェクトのチャット一覧に入ったことを確認します。
  4. 元の場所へ戻したい場合は、対応するチャットのメニューから「プロジェクトから削除/移動(Remove from project)」を選びます。

移したチャットには、移動先のプロジェクトの指示や資料の前提が適用されます。

ただし、GPTを使って作成したチャットなど、プロジェクトへ移動できない会話もあります。 「プロジェクトに移動」が表示されない場合は、その会話を無理に操作するのではなく、必要な内容を確認してからプロジェクト内で新しいチャットを始めてください。

なお、共有プロジェクトへチャットを移す前には、過去のやり取りを参加者に見せてもよいか必ず確認してください。移動後はそのプロジェクトの閲覧範囲が関係します。

5. 「メモリ」は2種類の設定を使い分ける

プロジェクト内のチャットがどこまで過去の情報を参照できるかは、メモリ設定によって変わります。

設定主な違い向いている場面
デフォルトメモリプランや個人設定によっては、プロジェクト外の会話や個人のメモリも参照するふだんの前提も生かして作業したい
プロジェクト専用メモリプロジェクト外の会話や個人のメモリは参照せず、同じプロジェクト内の会話を参照できる別案件の情報を混ぜたくない

デフォルトメモリの参照範囲は、プランごとに違う仕組みです。Enterprise・Eduではデフォルトでもチャットの参照範囲がプロジェクト内に限られます。 一方、Businessを含むその他のプランでは、設定次第でプロジェクト外の会話を参照する場合があります。

2026年10月現在、あとから設定を変更できる

2026年10月12日確認のProjects公式ヘルプでは、作成後のメモリ変更も案内されています。設定する前に、最新の提供条件を確認してください。

  1. 対象プロジェクトを開きます。
  2. 「•••」→「プロジェクト設定」を開きます。
  3. メモリ(Memory)で「デフォルト」または「プロジェクト専用」を選びます。
  4. 保存します。変更の反映には数時間かかる場合があります。

ただし、共有プロジェクトは自動的にプロジェクト専用メモリとなり、デフォルトへ戻せません。 また、メモリ機能を使うにはアカウントや組織側のメモリ設定が必要な場合があります。項目が見当たらないときは「設定」→「パーソナライズ」→「メモリ」と、契約・ワークスペースの設定を確認してください。

ここでいうメモリは、関連する情報を回答の前提として参照する機能です。すべてのチャットを丸ごと正確に再現する保証はありません。確定した条件は、最新版の資料や短い決定メモに残しておくと安全です。

6. ファイル数・共有できる人数の上限

次の上限は、2026年10月12日にProjects公式ヘルプで確認した値です。プラン変更や共有前には、改定されていないか確認しましょう。

ChatGPTのProjectsは、ログインした利用者が対象で、作成できるプロジェクト数そのものに上限はありません。 ただし、プロジェクトに入れられるファイル数はプランによって違います。

プラン1プロジェクトのファイル上限共有参加者の上限
Free55人
Go・Plus2510人
Pro40100人
Business・Enterprise・Edu40原則100人

ファイルは一度に最大10個まで追加できます。これとは別に、1ファイルの容量・形式や一定時間内のアップロード回数にも制限があります。

上限になったら、不要になった資料を整理する、1つの資料にまとめる、仕事の単位でプロジェクトを分ける、といった方法を検討してください。古い資料を消す前に、ほかの作業でも使っていないか確認しましょう。

7. 共有する場合は、チャットと資料の公開範囲を確認する

プロジェクトの「共有(Share)」からメンバーを招待できます。利用可能な環境では、「招待された人のみ」と「リンクを知っている人」を選べます。関係者だけで進めたい場合は、招待制を選びましょう。リンク共有では、リンクを知るログイン済みユーザーが参加できるためです。

共有プロジェクトの参加者は、そのプロジェクトのチャット・資料・参加者一覧を見られ、追加されたファイルをダウンロードできます。 「チャットできる権限」と「資料や指示を編集できる権限」が分かれる場合もありますが、閲覧できる範囲が自分だけになるわけではありません。

共有前に、次の3点を確認してください。

  1. チャット:過去の相談、個人名、別案件の話が含まれていないか
  2. 資料:取引先から預かったファイルを、参加者が閲覧・保存しても問題ないか
  3. 参加者:招待相手、共有リンクの設定、権限が適切か

1つのチャットだけの共有リンクとプロジェクト全体の共有は別です。個別チャットの共有リンクを送っただけで、ほかのプロジェクトのチャットや資料まで見えるわけではありません。

8. 削除・データの扱い・安全な運用

プロジェクトで扱う情報の共有範囲、メモリの参照範囲、モデル改善への利用、削除は、それぞれ別の設定・ルールです。

  • モデル改善への利用:個人向けアカウントでは「設定」→「データコントロール」→「すべての人のためにモデルを改善する(Improve the model for everyone)」で確認できます。Business・Enterprise・Eduなどの組織向けワークスペースでは、初期状態では学習に利用しない方針です。
  • チャットとファイルの保持:通常のチャット、プロジェクト内の資料、別途Libraryに保存されたファイルは管理の扱いが異なります。チャットだけを削除してもLibraryのファイルが残る場合があります。
  • プロジェクトの削除:「•••」→「プロジェクトを削除(Delete project)」は元に戻せません。チャット・指示・プロジェクトにだけ保存した資料も削除対象です。サーバーからは通常30日以内に削除される予定ですが、法的・安全上の例外があります。

長く続く作業では、次のように使うと混乱を減らせます。

  1. プロジェクトは案件・テーマで分ける。 個々の作業は「構成案」「確認事項」「最終原稿」のようにチャットを分ける。
  2. 共通資料は最新版を明示する。 古い見積書や途中の案と混ざらないよう、日付・版を資料名に付ける。
  3. 重要な決定は原本に残す。ChatGPTの回答だけを契約・料金・最終仕様の正本にしない。

プロジェクトを作ったら最初に、公開してよい練習用の資料を1つ入れ、共通指示を2〜3行書いて使ってみると、仕組みを確かめやすくなります。

よくある質問

やってみよう

判断クイズ

第1問

A社の提案書、見積もり、質問対応を別々のチャットで進めます。前提を共有しやすい方法は?

  • A. 「A社案件」プロジェクトを作り、共通資料と指示を登録する
  • B. 3つのチャットを無関係な場所に置き、前提は毎回思い出してもらう

第2問

別の取引先の会話を参照させたくありません。まず検討する設定は?

  • A. プロジェクトのアイコンを別の色にする
  • B. プロジェクト専用メモリを選ぶ

第3問

チームにプロジェクトを共有する前に、最初に確認することは?

  • A. 過去のチャットや資料を全員に見せてもよいか
  • B. 名前とアイコンの見栄えだけ

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締めに

まとめ

ChatGPTのプロジェクト機能は、同じテーマのチャット・資料・共通指示をまとめて、継続作業を進めやすくする機能です。

まずは1つのテーマでプロジェクトを作り、共通の指示と公開してよい資料を入れ、作業別にチャットを分けてみましょう。別の案件と参照情報を分けたいときはプロジェクト専用メモリ、複数人で使うときは共有範囲を確認します。

便利に整理することと、情報を正確・安全に扱うことは別です。 重要な数字は元の資料に戻って確認し、機密情報は共有前に見直してください。