ざっくり言うと
音声合成(Text-to-Speech, TTS)とは、入力した文字をコンピューターが合成音声に変えて読み上げる技術です。
原稿を渡せば、ナレーションの音声がその場でできあがります。人間らしさや発音のよさは、サービス・モデル・言語・原稿によって変わります。
逆向き、つまり声を文字に変えるほうはSpeech-to-Text(STT)と呼ばれます。名前がよく似ているので、矢印の向きで見分けると迷いません。
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身近なところでは、カーナビの案内、スマホの読み上げ機能、動画のナレーション、電話の自動応答などがあります。
ただし、人が録音した音声を流している場合もあります。音が出る仕組みのすべてがTTSというわけではありません。
正確には
TTSは、受け取った文字をデジタルの音声データに変えるしくみです。書き出せる形式にはMP3やWAVなどがあります。使える形式や声、抑揚・間・感情の付け方は、サービスとモデルによって違います。
主要なクラウド各社が、それぞれ公式にTTSのサービスを出しています。
| 提供元 | サービス名 | 特徴(公式情報より) |
|---|---|---|
| OpenAI | Audio API(Text to speech) | 内蔵の音声と、話し方の指示に対応。カスタム音声は一部の対象顧客に限定 |
| Google Cloud | Text-to-Speech AI | テキスト・SSML・自然言語プロンプトによる制御を、対応モデルごとに案内 |
| Microsoft Azure | Azure Speech in Foundry Tools | Text to speechとCustom Neural Voiceを提供 |
| Amazon Web Services | Amazon Polly | 複数の言語・音声に加え、辞書やSSMLによる発音・抑揚の制御を提供 |
表にあるSSMLとは、読み方や間の取り方を細かく指定するための書き方のことです。
料金、対応している言語の数、選べる声の種類は更新が多いため、各社の公式ドキュメントで具体的な数値を確かめてください。
TTSはこんな場面で使われています
- 本を音声にしたオーディオブックで、移動中や家事の合間に耳から読めます
- カーナビや地図アプリが、曲がる場所を声で教えてくれます
- YouTubeやショート動画の解説ナレーションを作れます
- 画面の文字を読み上げるソフトが、目の不自由な方や、耳で文章を確かめたい人を助けます
- 「ご用件の方は1を押してください」のような、電話の自動応答(IVR)の案内に使われます
- スマートスピーカーやチャットボットが声で返事をするときにも動いています
使う場面
個人事業主・小さな会社での使いどころ
派手な使い方を狙わなくても、TTSは地味に効きます。
- 商品説明の動画に、台本から作った説明音声を載せる
- 営業時間外の案内や予約受付など、電話の自動応答メッセージを用意する
- オンライン講座のスライド原稿を読み上げて、音声教材の下地にする
- SNSのショート動画に、短いナレーションを足す
- 自分が書いた長文をTTSに読ませて、不自然なところを耳で見つける
「自分の声で録るほどではないけれど、無音も寂しい」。そんな場面と特に相性がよいです。
注意点
よくある勘違い
TTSが引き受けるのは、文字を音にするところまでです。原稿の中身までよくしてくれるわけではありません。
読み上げが自然でも、文が長すぎたり、説明の順番が分かりにくかったりすると、聞き手には伝わりにくくなります。
特に気をつけたいのは、次のような原稿です。
- 商品名や会社名など、読み方を間違えると困るもの
- 金額、日付、時間、住所など、聞き間違いが事故につながるもの
- 医療、法律、金融など、誤解されたときの影響が大きいもの
- 冗談や皮肉など、声色で印象が変わるもの
公開の前に、3か所で聴いてみてください
画面で原稿を読むだけでは、音の聞こえ方までは分かりません。できた音声を、スマホのスピーカー、イヤホン、少し騒がしい場所の3か所で再生してみてください。
小さなスピーカーだと聞き取りにくい言葉、イヤホンだと強く響きすぎる息づかい、周りの音に埋もれる単語が見つかります。
聴きながら確かめるのは、次の4つだけで十分です。
- 名前・数字・日付を正しく読んでいるか
- 文が長すぎて、息継ぎが不自然になっていないか
- 声の明るさが、お店やサービスの雰囲気に合っているか
- AIの音声だと伝える案内や、利用条件に問題がないか
料金、商用利用、声の種類、クローン音声の扱いは、サービスや時期によって変わります。使う前に公式ページと利用規約を見る、というひと手間を前提にしておくと安心です。
関連用語
- 音声認識(Speech-to-Text) — 人が話した声を文字に変える、TTSとは逆向きの技術です。
- マルチモーダル — 文字・画像・音声など、複数の種類の情報をまとめて扱える性質です。
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