ざっくり言うと
Temperature(温度)とは、AIが次の言葉を選ぶときのばらつきを調整する設定値です。
一般に、低い値ほど確率の高い候補に集中しやすく、高い値ほど答えの振れ幅が広がる傾向があります。
ただし、指定できる値の範囲も既定値も、モデルごとに違います。2026年7月27日時点の現行モデルには、そもそもTemperatureの変更を受け付けないものもあります。
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同じ質問でも、返ってくる答えの傾向は変わることがあります。ただし、低ければ正確、高ければ創造的、と単純に決まるものではありません。
正確には
文章を書くAI(大規模言語モデル)は、次に来る言葉を確率で選んでいます。「この言葉が◯%、あの言葉が◯%」と見比べているイメージです。
Temperatureは、その確率の差(確率分布)を、はっきりさせるか、なだらかにするかを決めます。値を下げると確率の高い言葉が選ばれやすくなり、上げると確率の低い言葉にも選ばれるチャンスが生まれます。
各社のAPIでは、同じ名前の設定でも扱いが違います。
| 提供元 | 2026年7月27日時点の扱い |
|---|---|
| OpenAI(Chat Completions) | 一般リファレンスは0〜2を案内。ただし利用するモデルが受け付けるパラメータを個別に確認 |
| Anthropic(Messages API) | 対応する一部モデルでは0.0〜1.0。Claude Opus 4.7以降(Opus 4.8を含む)とClaude Sonnet 5では、temperature・top_p・top_kの非既定値が400エラーになるため省略 |
| Google AI(Gemini API) | 対応モデルでは0.0〜モデル固有のmaxTemperature。Gemini 3.6 Flashなど新しい系列ではサンプリング設定が非推奨・無視され、将来モデルではエラーになると案内 |
0にすれば、毎回同じ答えになる?
完全に同じとは限りません。Anthropicの対応モデル向けAPIリファレンスは、0.0でも結果が完全に決定的にはならないと説明しています。
ほかにも、Temperature以外の生成設定、モデルの更新、入力した文脈などが結果へ影響します。0なら必ず同じ答えを再現できる、とは考えないでください。
Temperatureと、Top-p・Top-kの違い
Temperatureと一緒によく出てくるのが、top_p(Nucleus Sampling)とtop_kです。どれも候補の選び方に関わりますが、効き方が少しずつ違います。
| 設定 | やっていること |
|---|---|
| Temperature | 確率の差を、平らにするか尖らせるかを変える |
| Top-p | 上位の合計確率が p になるまでの候補だけに絞る |
| Top-k | 上位 k 個の候補だけに絞る |
OpenAIのChat Completionsリファレンスは、temperatureとtop_pの両方ではなく、どちらか一方を調整するよう案内しています。非対応のモデルでは、どちらも指定しません。
WebのChatGPTやClaudeでは設定できる?
Temperatureは、どのAIサービスにも共通で付いている設定ではありません。対応するAPI・モデルで指定する、生成時の設定です。
チャット製品が設定を画面に出していない場合、中でどんな値が使われているかを、使う側から言い当てることはできません。
調整したいときは、まず使うAPI・モデルがTemperatureを受け付けるかを確認してください。受け付けない場合は、目的・語り口・出力の形をプロンプトへ書き込み、代表的な入力で試して見比べます。
使う場面
まずは既定値から試してください
いきなり数値を動かさず、既定値のまま、ふだんの仕事で使うような入力を何回か試してみてください。
そのうえで、使うモデルがTemperatureを受け付けているかを確かめます。答えのまとまりや幅を変えたいときだけ、公式の範囲内で一段ずつ動かしてください。
- 分類・抽出
形式と値が安定しているかを見て、必要なら対応範囲内で低い方向を試します - 説明文・文章案
まずは既定値を基準にして、目的に合う表現かどうかを比べます - アイデア出し
案の幅が足りないときだけ、対応範囲内で高い方向を試します
どの値がどんな作業に向くか
| まず試す値 | 向いている確認 |
|---|---|
| 低め | 要約、分類、事実ベースの回答、コード修正 |
| 中くらい | メール文、説明文、通常の相談 |
| 高め | アイデア出し、表現案、ネーミング |
確かめるときは、同じプロンプトを3回ほど実行して、答えの揺れ方を見比べてください。
- 低めで、毎回ほぼ同じ方向に収まるか
- 中くらいで、自然な言い換えが出るか
- 高めで、目的から外れすぎないか
注意点
仕事で使うときは、条件をそろえて比べてください
Temperatureだけを見て、良し悪しを決めないでください。プロンプト、出力の形式(スキーマ)、モデルのバージョン、ほかの生成設定をそろえたうえで比べます。
分類や抽出では、正解データを使った評価と、アプリ側の検証も必要です。
関連用語
- Top-p — 上位の候補を合計確率で絞る、別の設定です。
- Top-k — 上位から決まった個数だけを残す設定です。
- パラメータ — 同じ言葉でも、こちらは学習で決まるモデル内部の数値です。
- 推論(Inference) — 学習済みのモデルが、入力から答えを組み立てる工程です。
やってみよう