RAG(検索拡張生成)とは
RAG(Retrieval-Augmented Generation / 検索拡張生成)を初心者向けに超訳。AIが「学習していない情報」をどうやって答えに使うのか、その仕組みと身近な使われ方を、公式ソースに沿って解説します。
ざっくり言うと
ChatGPT のファイル添付・Web 検索機能や、企業の社内 AI チャットボットの多くは、この RAG の考え方を使って作られています。
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正確には
RAG は、2020年に Meta(当時 Facebook AI Research)などの研究者が論文「Retrieval-Augmented Generation for Knowledge-Intensive NLP Tasks」(Lewis et al., arXiv:2005.11401)で提案した手法です。Meta AI の公式ブログでも、「生成モデルに外部知識ソースへのアクセスを与えることで、知識集約型タスクの精度を高める一般的な手法」として紹介されています。
IBM の解説では RAG を 「大規模言語モデル(LLM)の出力を、生成前に外部の権威ある知識ベースを参照することで最適化するプロセス」 と定義しています。Microsoft Learn(Azure AI Search のドキュメント)や Google Cloud の解説でも同様に、「LLM に外部データを与えて回答品質を高めるアーキテクチャ」として説明されています。
仕組みの3ステップ
RAG の基本的な処理の流れは、公式各社の解説でほぼ共通しています。
| ステップ | 何をする? | ざっくり言うと |
|---|---|---|
| 1. Retrieval(検索) | ユーザーの質問に関連する文書を、知識ベースから取ってくる | ベクトル検索などで「似た意味の文書」を引っ張る |
| 2. Augmentation(拡張) | 取ってきた文書を、質問と一緒にプロンプトに詰める | LLM へのお題に資料を“添付”する |
| 3. Generation(生成) | LLM が、渡された文書を参考にして回答を作る | カンニングペーパーを見ながら答える |
なぜ RAG が必要なのか
LLM 単独には、構造上いくつかの弱点があります。RAG は、そこを補うために生まれた標準的な手法です。
- ナレッジカットオフ問題: LLM は学習データの締切日(カットオフ)以降の情報を知らない。→ RAG なら更新後の文書を検索して渡せる
- 社内情報・専門情報を知らない: 一般公開されていない情報(社内規定・契約書・特定業界の資料)は学習されていない。→ RAG なら自社のナレッジベースを参照できる
- ハルシネーション: 知らないことを“それっぽく”作ってしまう。→ RAG で 根拠となる文書を一緒に渡す ことで、事実に基づいた回答に近づけられる(ただし完全には防げない)
IBM・Microsoft・Google Cloud のいずれの解説でも、RAG の主な動機として「更新された情報を扱うこと」「ドメイン固有知識の活用」「ハルシネーションの低減」が共通して挙げられています。
身近な使われ方
注意点
確認のコツ
よくある勘違い
やってみよう
LLM の学習時点については別記事「ナレッジカットオフとは」で扱っています。RAG はこの“知識の境界線”を超えるための代表的な道具、と押さえておけば大丈夫です。
参考ソース
- Meta AI - Retrieval Augmented Generation: Streamlining the creation of intelligent natural language processing models(Tier 1)
- Lewis et al. - Retrieval-Augmented Generation for Knowledge-Intensive NLP Tasks (arXiv:2005.11401)(Tier 1)
- IBM - What is retrieval-augmented generation (RAG)?(Tier 1)
- Microsoft Learn - Retrieval Augmented Generation (RAG) in Azure AI Search(Tier 1)
- Google Cloud - What is Retrieval-Augmented Generation (RAG)?(Tier 1)
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