ざっくり言うと

メモリ機能とは、AIが会話で知った名前・職業・好み・以前の依頼内容などを覚え、別の日の会話でも参照するしくみです。

「毎回、自己紹介からやり直さなくて済むAI」にするための機能だと思ってください。

ChatGPT・Claude・Geminiには、どれも会話をまたいで過去の文脈を生かすメモリ機能があります。ただし、何を記憶するか、どのアカウントで使えるか、どう削除するかは、サービスごとに違います。

イメージ

今の会話のあいだだけ参照される情報は、コンテキストウィンドウという別のしくみが受け持ち、その会話の外には持ち越されません。

メモリは、会話が終わったあとも情報を残すしくみです。今の会話で使うだけの情報なのか、次の会話へ持ち越す情報なのか。ここが分かれ目になります。

正確には

主要なAIチャットサービスには、それぞれ違うしくみの「会話をまたぐ記憶」があります。

  • OpenAI(ChatGPT)のメモリは、会話・ファイル・接続アプリなどから役立つ文脈を記憶し、応答のパーソナライズに使います。2026年7月27日に確認した公式ヘルプでは、記憶内容を継続的にまとめるMemory summaryと、従来のsaved memoriesが案内されています。
  • Anthropic(Claude)には、過去のチャットからメモリを作成する機能があります。新しいしくみでは、記憶を項目・カテゴリごとに管理し、Projectsごとにも別のメモリ空間を持ちます。公式ヘルプでは複数の方式が案内されており、設定画面やしくみはアカウントによって異なる場合があります。
  • Google(Gemini)は、Personal Intelligence→Memoryの設定で、過去のGeminiチャットを応答のパーソナライズに利用できます。利用には年齢・アカウント・Gemini Apps Activityの設定などの条件があります。

今の会話だけの記憶と、次の会話へ持ち越す記憶

似ていますが別物なので、ここで一度整理しておきます。

見るところコンテキストウィンドウメモリ機能
寿命その会話で参照する情報設定や保存状態に応じて、別の会話でも再利用される情報
単位トークン数で測られる上限要約・記憶項目・過去チャットからの文脈など、サービスごとに異なる
管理会話が長くなると古い内容が参照範囲から外れ得る設定で確認・停止・削除する。削除方法はサービスごとに異なる
たとえると接客中に聞いた話ノートに書き留めた内容

コンテキストウィンドウは今だけの範囲、メモリは次に見返すノートです。名前が似ているぶん、混同しやすいところです。

メモリは、会話履歴をそのまま再生する機能とは限りません。記憶項目や要約として保存するしくみもあれば、過去の会話から必要な文脈をまとめるしくみもあります。画面に表示される要約が、応答に使われ得る情報のすべてとは限りません。

メモリに残る情報、残さないほうがよい情報

サービスによりますが、保存対象になりやすいのは次のような情報です。

  • 名前・職業・住んでいる地域などのプロフィール
  • 「敬語より砕けた口調が好き」といった好みや文体
  • 「Pythonで開発している」「英語学習中」などの、いま取り組んでいること
  • 過去に頼んだ作業の要約や、その続きにあたる情報

一方で、パスワード、顧客の連絡先、公表前の売上などは、便利そうに見えてもメモリ向きではありません。

次も使うと便利で、残っても困らない情報だけを残しましょう。この線引きが、メモリとの付き合い方です。

使う場面

どんなときに便利?

注意点

メモリに残った情報の保存期間や、モデル改善への利用は、サービス・プラン・設定で異なります。仕事で使う前に、利用中のサービスのヘルプ、プライバシーポリシー、組織向け設定を確認してください。

関連用語

メモリの話は、次の言葉とセットで覚えておくと、頭の中で混ざりません。

  • コンテキストウィンドウ — 会話1回ぶんの中で、AIが一度に見ていられる範囲です。会話をまたぐと持ち越されません
  • トークン — 文章を数えるときの単位です。コンテキストウィンドウの上限は、この数で測られます
  • システムプロンプト — はじめからAIに与えられている、裏方の指示です
  • 学習(トレーニング) — データを読ませてAIを育てる工程です。会話が使われるかどうかは、サービス・プラン・設定で異なります

やってみよう

メモリ管理画面をのぞいてみる

メモリは便利な反面、自分がAIに何を渡したかを意識しないとリスクになる機能です。上の関連用語もあわせて押さえておくと、安心して使いこなせるようになります。