ざっくり言うと

AIを仕事で使う前に決めておくことは、5つです。

  • その情報を入れていいか
  • プランは合っているか
  • ルールを決めたか
  • 裏取りは誰がやるか
  • 最後に責任を持つのは誰か

先に決めて、それから使い始めてください。逆の順番になると、あとで困ります。

便利な道具ほど、使い始める前に決めておくことが増えます。AIも同じです。動かす前に、5分だけ立ち止まりましょう。

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覚え方は「入れる・選ぶ・決める・確かめる・背負う」の5語です。順番に、情報・プラン・ルール・ファクト・責任のことだと思ってください。

正確には

個人情報保護委員会は、生成AIの利用について事業者へ注意喚起を出しています。AIへの指示文(プロンプト)に個人データが含まれていて、それを本人の同意なく入力する場合の話です。提供している事業者がそのデータを機械学習に使わないことなどを、十分に確認するよう求めています。

IPAの2026年の資料は、クラウド上のAIへ営業秘密を入力しないことを、基本の対策として挙げています。

「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」も、使う側に次のようなことを求めています。ひとつは、個人情報や機密情報を不適切に入力しないこと。もうひとつは、出力の精度とリスクを確かめたうえで、責任を持って事業での利用を判断することです。

下の表は、この内容を業務利用前の5項目にまとめたものです。

業務利用前の5項目チェックリスト

#項目Yesの状態(開始の基本条件)Noの状態(止まる)
1機密情報の扱い何を入れていいか・何はNGかを書き出した「とりあえず貼り付け」で使っている
2プラン選び適用規約・学習利用・保持・管理機能を確認し、会社が使うプランを決めた顧客情報を扱える契約・権限か確認していない
3利用ルール自分や社員向けに利用ルール(文書)を作った各自の判断にまかせている
4ファクトチェック誰が・いつ・どう裏取りするか決めた出力をそのまま納品している
5責任分担AI出力の最終責任者を1人決めた「AIが間違えました」で済ませる気でいる

すべてYesなら、業務で使い始める準備はできています。1つでもNoが混じっていたら、そこだけ先に整えてから進みましょう。

各項目をもう少し詳しく

  1. 機密情報の扱い
    個人情報保護委員会は、個人情報や個人データを入力するときの条件について注意喚起しています。IPAは、クラウド上のAIへ営業秘密を入力しないよう示しています。お客様の氏名や連絡先、契約金額、社内のまだ公開していない数字は、はっきりした利用権限と安全な契約・環境を確認できない限り入力しないでください。
  2. プラン選び
    多くのAIサービスは、プランによって扱いが変わります。入力したデータを学習に使うかどうか、記録の保存期間、管理者向け機能の有無が変わってきます。OpenAIも、Enterprise/Business向けの説明ページで、API(外部のソフトからAIを呼び出す仕組み)と法人プランでは入力を既定で学習に使わないと明示しています。無料版で顧客情報を扱うのは避けてください。
  3. 利用ルール
    2026年7月27日に確認した「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」は、提供者が示した利用上の留意点や規約を、使う側が守るよう求めています。あわせて、個人情報・機密情報を不適切に入力しないこと、出力のリスクを確かめることも挙げています。一人で使う場合も、この条件を短いルールにしておくと、判断がぶれません。
  4. ファクトチェック
    生成AIには、事実と違うことを自然な文章で書いてしまう癖があります。これをハルシネーションと呼びます。数字・固有名詞・日付・法律・医療にかかわる部分は人が裏を取る、と先に決めておきましょう。
  5. 責任分担
    同じガイドラインは、使う側が出力の精度とリスクを確認し、責任を持って事業での利用を判断することを示しています。「AIが間違えました」だけでは、確認の責任を果たしたことになりません。誰が確認し、誰が最終的に使うと判断するのか。ここを先に決めておいてください。

注意点

無料か有料かだけでは判断できません

やってみよう

A4一枚に「うちのAI利用5箇条」を書く

5項目の中身をもっと知りたくなったら、同じ「使う前に知っておくこと」の章に、1つずつ掘り下げた記事があります。情報漏洩のリスクと対策、「学習に使わない」設定、ファクトチェックの基本などです。気になったところから開いてみてください。