ざっくり言うと

深層学習(ディープラーニング)とは、人の脳の神経細胞のつながりをまねた仕組みを、何層も重ねて学習させる方法のことです。この仕組みのことを、ニューラルネットワークと呼びます。

覚え方はシンプルです。ディープ=深い=層が多い。まずはこれだけで大丈夫です。

深層学習は、機械学習という大きなくくりの中にある手法のひとつです。機械学習とは、たくさんの例を読み込ませて、規則をコンピューターに見つけさせるやり方を指します。

いま広く使われている文章生成・画像生成・音声認識の多くも、深層学習を土台にしています。

イメージ

正確には

総務省『令和元年版 情報通信白書』では、深層学習について「人間の脳神経回路を模したニューラルネットワークを多層構造化したもの」と説明されています。そして、この深層学習の登場が第3次AIブームの中心的なきっかけになった、と位置づけられています。

IBMとGoogleの解説でも、深層学習は、隠れ層を複数持つ深いニューラルネットワークを使う機械学習として説明されています。隠れ層とは、入り口と出口のあいだにある、途中の層のことです。

ただし、層をどこから数えるかは資料によって違います。「合計3層以上なら深層学習」のように、一律に線を引くことはできません。

機械学習と深層学習は、どこが違うのか

似た言葉が並ぶとややこしいので、表で見比べてみましょう。

項目機械学習(従来手法)深層学習(ディープラーニング)
位置づけAIの中の一分野機械学習の中の一手法
仕組み人が特徴量を設計する手法が多い有用な特徴表現の多くをデータから学習
層の数ニューラルネット以外の手法も多く、層では比べられない複数の隠れ層を持つ
得意な領域表データ・数値予測など画像・音声・自然言語など、複雑なデータ
データと計算比較的少ないデータ・計算で有効な場合がある一から大規模に学習する場合は多く必要になりやすい

表にある「特徴量」とは、判断の手がかりに使う数値のことです。売上を予測するなら、気温や曜日がそれにあたります。

従来の機械学習では、この手がかりを人が考えて指定する場面が多くあります。深層学習では、有用な特徴表現の多くをデータから段階的に学べます。ここが大きな違いです。

とはいえ、まるごとおまかせになるわけではありません。データの準備、仕組みの設計、結果の評価は、これまでどおり人の仕事として残ります。

使う場面

自分の仕事で、どちらの話か見分ける

「深層学習を使っています」と言われたら、まず扱うデータの種類を見てください。

  • 写真や動画を読み取る
  • 音声を文字にする
  • 長い文章を要約する、文章を作る
  • センサーの波形から異常を見つける

このあたりは、深層学習が使われやすい場面です。反対に、店舗別の売上表や顧客名簿のような表だけを扱うなら、深層学習でなくても足りることがあります。

見るべきなのは、言葉の迫力ではありません。データがどれくらい複雑か、そして判断の理由をあとから説明できるかどうかです。

導入をすすめられたら、その場で「なぜ深層学習が必要なのですか」と聞いてみてください。この一言があるだけで、必要のないAI導入を避けやすくなります。

まずは「表なら機械学習、画像・音声・言葉なら深層学習寄り」と仮に置いておけば十分です。

深層学習で、何ができるようになったのか

総務省の白書でも触れられているとおり、2010年代に入って深層学習が実用レベルに達しました。それまで機械には難しいとされてきた仕事が、かなり実用化されています。代表的なのは、次の3つです。

  • 画像認識
    写真を分類したり、写っているものを見つけたりする精度が大きく上がりました
  • 音声認識
    会議の文字起こしやスマートスピーカーが、実用レベルになりました
  • 自然言語処理(人の言葉を扱う技術)
    翻訳・要約・文章づくりが進みました。ChatGPTもここです

ChatGPTや主要な画像生成AIなど、広く使われる生成AIの多くも、深層学習を土台にしています。

注意点

やってみよう

深層学習がどう応用されて、ChatGPTのような「文章を作るAI」になったのか。気になった方は、同じカテゴリの「LLMとは」「生成AIの仕組み」へ進んでみてください。