WordPressのユーザー権限を分けるには?役割の選び方と変更前の確認

制作会社やライターにWordPressの記事作成を頼むとき、管理者権限を付ける必要があるか迷うことがあります。
記事の下書きや公開だけを任せるなら、通常は管理者権限は必要ありません。依頼する作業に合わせて、その人が使える機能を決めます。
WordPressでは、こうした操作の範囲を「権限グループ」で分けられます。この記事では、権限グループの選び方と、ユーザーの追加・権限変更の手順を説明します。
対象:レンタルサーバーなどに設置したWordPressで、1つのサイトを管理する場合の説明です。WordPress.comや、複数サイトをまとめて管理するマルチサイトでは、権限や画面が異なります。プラグインや独自設定がある場合も、実際に使える操作を確認してください。
目次
権限グループごとにできること
次はWordPress本体の標準設定を簡略化したものです。機能の追加や変更がある場合は、実際のサイトで確認してください。
権限グループ | 主にできること | 任せる仕事の例 |
|---|---|---|
管理者 | サイト設定、ユーザーや、機能を追加するプラグインなどを管理 | サイト全体の管理・保守 |
編集者 | 他の人の記事を含む投稿や固定ページを編集・公開 | 記事全体の編集・公開管理 |
投稿者 | 自分の投稿を編集・公開し、画像などをアップロード | 自分の記事を公開まで担当 |
寄稿者 | 自分の未公開投稿を作成・編集。標準では公開・画像アップロードはできない | 下書きを作って確認を受ける |
購読者 | 自分のプロフィールを管理 | ログインしてプロフィールを管理 |
標準の投稿者は自分の記事を公開でき、公開済みの自分の記事を編集・削除することもできます。寄稿者は標準では記事を公開できず、自分が書いた記事でも公開後は編集できません。画像のアップロードもできません。
編集者は他の人の投稿に加え、固定ページも編集・公開・削除できます。担当してもらう範囲が広すぎないか確認しましょう。
マルチサイトには、ネットワーク全体を管理する「特権管理者」もあります。単一サイトの管理者とは管理範囲が異なります。
出典:WordPress公式 Roles and Capabilities(確認日:2026年11月3日)
担当する作業に合う権限を選ぶ
権限は役職名ではなく、実際にお願いする作業から選びます。
依頼内容 | 標準権限の候補 | 先に確認したいこと |
|---|---|---|
下書きの文章だけを作る | 寄稿者 | 画像追加・公開・公開後の修正は誰が行うか |
自分の記事を画像付きで公開する | 投稿者 | 公開前の確認を必須にするか |
複数人の記事を確認し、公開する | 編集者 | 固定ページや他の投稿の変更も任せてよいか |
プラグインの追加・更新や利用者の管理 | 管理者(単一サイトの標準設定) | 必要な作業・期間を限定し、終了後に権限を見直す |
文章や画像の更新だけなら、通常は管理者権限を付けずに対応できます。プラグインの導入・更新やユーザー管理まで必要な場合は、単一サイトでは管理者が候補です。標準の役割だけでは必要な作業と許可したい範囲がぴったり一致しない場合もあります。
たとえば「下書きと画像追加はできるが、公開はできない」という条件は、標準の寄稿者・投稿者のどちらかを選ぶだけでは満たせません。
不足する操作のためにすぐ管理者へ上げるのではなく、担当の分担や権限の追加方法を制作会社などに相談してください。権限を追加すると、その操作が想定より広い範囲に影響することもあるためです。
新しく担当者を追加する前に
担当者ごとにアカウントを用意し、それぞれに必要な権限を設定します。
同じアカウントを共有していると、担当者が離れたときに、その人だけのアクセスを止めにくくなります。
アカウントを追加する前に、次の内容を決めておきます。
- 担当者と連絡先
- 作業する内容と期間
- 必要な権限
- 公開前の確認者
- 作業終了後に権限を見直す担当者
すでに使っているアカウントを変更する場合は、その人が使っている機能も先に確認します。プラグインや独自設定により、標準の権限名だけでは必要な操作を判断できないことがあります。
管理者の権限を変更する際は、自分たちで管理画面へ戻れる別の管理者が確保されているかを先に確認してください。不明なまま作業すると、必要な設定を戻せなくなるおそれがあります。
追加・変更するときの流れ
ここでは通常の単一サイトで管理者が操作する流れを示します。画面名や項目はWordPressの版・設定によって異なるため、表示が違う場合はサイトの管理担当者に確認してください。
新しく追加する
- 管理画面の「ユーザー」から新規ユーザーの追加画面を開きます。
- ユーザー名と、その人が受け取れるメールアドレスなど必要事項を入力します。
- 依頼する仕事に合う権限グループを選び、内容を確認して追加します。
- 必要に応じて本人にログイン方法を案内し、本人が利用できることを確認します。
- 担当者ごとの作業範囲・利用期間を記録します。
ユーザー名はログインにも使われます。メールアドレスは、本人が確認できるものを指定してください。
入力項目や通知の表示は環境により異なります。パスワードを平文のメールやチャットに書いて送らず、安全な設定方法を用意してください。
出典:WordPress公式 Users Add New screen(確認日:2026年11月3日)
既存ユーザーの権限を変える
- 「ユーザー」一覧で対象者と現在の権限を確認します。
- 変更前の権限と、変更する理由を記録します。
- 対象者の編集画面で権限グループを選び、更新します。
- 一覧へ戻って、対象者の表示が意図した権限になっているか確認します。
- 本人に、担当する操作ができるか確認してもらいます。
一括変更は便利ですが、対象を誤ると複数人に影響します。少人数なら一人ずつ確認する方が確実です。
意図しない変更をした場合は、確保した管理者から対象ユーザーの権限を元に戻します。戻せない、管理画面へ入れない場合は、サーバー設定やデータベースを推測で変更せず、保守担当者に相談してください。
出典:WordPress公式 Users screen(確認日:2026年11月3日)
変更後は「できること」と「できないこと」を確認する
設定画面で役割の名前が変わっていても、実際の業務に必要な操作ができるかは別に確認します。
たとえば、下書きを担当する人なら、本人がログインし、投稿の作成と保存ができることを確認します。
「公開させたくない」場合は、公開ボタンの扱いも確認します。テスト用の環境や記事を使い、本番で意図せず公開しない方法を管理者と決めてから試してください。
画像を扱う人にはアップロードの可否、編集担当者には他の人の記事を開けるかも確認します。
プラグインや独自機能があるサイトでは、標準権限でも追加機能側の表示や操作が変わることがあります。必要な画面が出ない、逆に見せたくない項目が見える場合は、その画面名と状況を記録して管理担当者に相談しましょう。
作業が終わったアカウントを見直す
外部の担当者への依頼が終わったら、引き続きログインする必要があるかを確認します。
不要になった権限は見直しますが、削除前に、そのアカウントが作成した記事などの扱いを必ず確認してください。WordPressのユーザー削除画面では、対象ユーザーの投稿を削除するか、別のユーザーに引き継ぐかの選択が関わる場合があります。
投稿を失わないためにも、画面に表示された内容と既存のバックアップを確認し、影響が分からない場合は保守担当者に依頼します。退職や契約終了の判断と、投稿の削除は別です。
普段使っていない管理者や、誰が使っているか分からないアカウントも、一覧を確認するきっかけになります。見覚えがないからといって直ちに削除せず、関係者に確認してください。
権限以外も合わせて確認する
権限の設定に加えて、ログイン情報の管理や、使っていないアカウントが残っていないかも確認します。
更新やバックアップの管理については、「WordPress・PHPのセキュリティ総合ガイド」をご覧ください。
管理体制が分からないときは
以前の担当者が作ったサイトで、誰が何を管理しているのか分からないこともあります。
WordPress本体の更新やバックアップの状況も含めて確認したい場合は、Studio AttraitのWordPress無料診断にご相談ください。初回の簡易診断は原則1サイト・1環境が対象で、侵入テストやコード監査は含みません。
まとめ
WordPressの権限は、担当者が実際に行う作業に合わせて選びます。
記事の作成・公開だけなら、まず管理者以外の権限で必要な作業ができるか確認しましょう。
変更前に現在の権限と戻す方法を確保し、変更後は担当者が必要な操作をできるかを確認してください。










