本文へスキップ

はじめて編

AIに入れてはいけない情報。仕事で使い始めた日の最初の10分

この記事は5で読めます

仕事でAIを使い始めたら、最初の10分でやっておきたい安全確認をまとめました。入れてはいけない情報の具体例、迷ったときの判断手順、うっかり入れてしまったときの対応まで順番に紹介します。

送信ボタンの手前で、一度止まれるように

お客様から届いた苦情のメールを丸ごと貼り付けて、「返信の下書きを作って」と打とうとしたところで、手が止まる。このメール、貼っていいんだったかな。

そこで止まれたなら、もう半分は正解です! 困るのは、止まらずに貼ってしまい、しかも何がまずかったのか分からないまま使い続けることのほうですよね。

AIへの入力は、自分のパソコンの中だけで完結する作業ではありません。書いた文章はインターネット越しに運営会社のサーバーへ届き、サービスや設定によっては、AIを改善するために使われることもあります。しかも、送った文章を取り消すボタンはありません。

だから覚えるのは、消し方ではなく、入れる前に止まる基準です。最初の10分で、3つだけ用意しましょう。

1. 学習に使う設定を確認する(3分)

いま使っているAIの設定画面を開き、会話を学習に使うかどうかの項目を確認してください。ChatGPTの場合は、次の順に進みます。

  1. 画面の左下または右上にある自分のアカウント名を押して、「設定」を開きます
  2. 一覧の中から「データコントロール」を選びます
  3. モデルの改善に会話を使うかどうかの切り替えが表示されるので、仕事で使うならオフにします

表示や項目の名前は変わる場合があります。見つからないときは、使っているサービスの公式ヘルプで「学習」または「オプトアウト」と検索してください。

2. 入れない情報を、紙1枚にする(5分)

次のものは、文章でもファイルでも画像でも入れません。予約画面やレジ画面のスクリーンショットも、同じ扱いです。

  • お客様の氏名、住所、電話番号、メールアドレス、SNSのアカウント
  • 予約名簿、来店履歴、注文番号、購入や支払いの記録
  • 契約書の原文、取引先から非公開として預かった資料
  • 未公開の売上、原価、見積金額、資金繰りの数字
  • 従業員の個人情報、評価、まだ発表していない人事
  • 公開前の商品、企画、キャンペーンの内容
  • パスワード、認証コード、クレジットカード番号

これを1枚の紙かメモに書き写して、パソコンのそばに置いてください。頭の中だけに置いておくと、急いでいる日にかぎって抜けます。

3. 置き換えのルールを3つ決める(2分)

実際の仕事の文章を渡すときは、貼り付ける前にこの3つを置き換えます。

  • 会社名 「A社」「B社」に置き換える
  • 個人名 「営業の方」「工場の方」のような役割だけにする
  • 金額 「(金額)」と書く

置き換えても、下書きの出来はほとんど変わりません。もし名前を伏せると急に出来が落ちるなら、原因は頼み方のほうにあります。

迷ったときの判断手順

判断がつかない文章に出会ったら、上から順に進めてください。

  1. その文章の中から、固有名詞・数字・連絡先を探します
  2. 見つけたものについて、「これがそのままSNSに書かれたら困るか」を考えます
  3. 困るなら、上の置き換えルールを当てはめられるか試します
  4. 置き換えると意味が通らなくなる場合は、その部分は渡さず、文章の構成や言い回しだけをAIに頼みます
  5. それでも判断がつかないときは、入れずに、社内の責任者か依頼元へ確認します

5番まで来たら、その日は入れないほうが得です。急いで貼って手に入るのは十数分ですが、失うものは十数分では戻ってきません

もう入れてしまった場合

慌てなくて大丈夫です。順番に手を打ちましょう。

  1. その会話を削除します(履歴の一覧で、該当する会話のメニューを開き、削除を選びます)
  2. 学習に使う設定を、上の手順1でオフにします
  3. パスワードやカード番号を入れてしまった場合は、削除だけで終わらせず、そのパスワードを変更し、カード会社へ連絡してください
  4. 会社の仕事で起きたことなら、隠さずに責任者へ報告してください

削除しても、保存期間の扱いや、すでに始まっている処理への影響は、サービスによって異なります。「消したから完全になかったことになる」とは考えず、次から入れない仕組みを作るほうへ切り替えましょう

会社で複数の人が使うなら

ここまでは、自分ひとりで守れる範囲の話です。スタッフが数人いる場合、口頭で伝えるだけでは必ず抜けが出ます。

図書室には、そのまま社内へ配れるAI利用ルールのひな形を3種類(基本・お店向け・オフィス向け)置いています。入れてよい情報と禁止情報、人が確認する範囲まで書いてあるので、会社名と日付を書き換えれば、そのまま共有できます。

AIに入れてはいけない情報。仕事で使い始めた日の最初の10分 | はじめて編 | 実習室 | なのはAI教室