Claudeで複数の選択肢を比較してもらう書き方
この記事は約10分で読めます
ざっくり言うと
「AとB、どっちがいい?」とだけ聞くと、返ってくる答えはぼんやりしがちです。「会計ソフトAとBを、初期費用・仕訳入力の手間・法改正への対応の3つの軸で表にして」と頼めば、見比べられる形で返ってきます。
コツは3つです。
- 比べる軸を、自分で決めて渡す
- 表の形で出してもらう
- 最後の判断は自分でする
Claudeなら、比較表を作ったところで終わりません。できあがった表はArtifactsという別のウィンドウに置けるので、その場で直したり、リンクにして人に見せたりできます。
イメージ
正確には
Claudeは、こちらが書いたプロンプト(AIへの指示文)をもとに答えを組み立てます。だから、指示が具体的なほど、欲しい形に近い答えが返ってきます。
Anthropic公式ドキュメントの「はっきり、直接、くわしく」(※原文:Be clear, direct, and detailed)には、こんな説明があります。Claudeは「自社の慣習や仕事の流れをまだ知らない、優秀だけど新しい従業員」だと思ってほしい、というものです。必要な前提も、欲しい答えの形も、すべて言葉にして伝えてください、ということですね。比較の依頼は、この「欲しい形」を先に決めておくと差がはっきり出ます。
比べる軸は、自分で決めて渡す
ただ「比較して」とだけ頼むと、軸の選び方はClaudeにゆだねられます。比べる軸を自分で決めて渡すかどうかで、返ってくる比較の使いやすさが変わります。自分が知りたい角度とズレることもあるので、何で比べるかは先に書いておきましょう。
- 「会計ソフトAとBを、初期費用・仕訳入力の手間・法改正への対応の3つの軸で比較して」
- 「記帳代行の委託先AとBを、月額と、繁忙期に増えた分も引き受けてもらえるかの2つで比較して」
- 「勤怠管理ツールA・B・Cを、導入の手間・困ったときの問い合わせ方法・給与計算とのつながりで比較して」
表の形で出してもらう
文章でずらずら説明されるより、表に並んだほうが違いは一目で分かります。Anthropic公式ドキュメントでも、欲しい答えの形を具体的に指示するほど、Claudeは指定どおりに整えてくれると説明されています。
- 「比較表で出して」「表形式でまとめて」
- 「1列目に軸、2列目にA、3列目にBを置いた表で」
- 「メリット・デメリットを項目ごとに表にして」
自分の状況を伝えて、向き不向きを聞く
比較表が出てきたら、そこからもう一歩踏み込みます。
- 「うちは職員3人の事務所で、顧問先は個人事業主が中心です。どちらが向いていますか?」
- 「この条件だと、どちらを選ぶべき?判断の理由も教えて」
- 「逆に、どんな事務所なら反対側を選んだほうがいい?」
向いている理由と向いていない理由を両方たずねると、判断材料がかたよりません。
お手本を1つ見せると、もっと近づく
Anthropicの現行公式ドキュメントでは、関連性・多様性・構造を意識したお手本を3〜5個渡す方法がすすめられています。そこまで用意できなくても大丈夫です。前に自分で作った比較表を1枚貼るだけでも、軸の並べ方も、列の作り方も、どれくらい細かく書くかも伝わります。
比較で大変なのは、表を作るところではありません。その表を持って、所長や共同経営者、家族と話すところです。Claudeには、この続きを助けてくれるしくみが2つあります。
比較表はArtifactsで開いて、その場で直す
比較表のように、そのまま使える1枚の資料を頼むと、チャットの右側に別のウィンドウが開きます。これがArtifacts(アーティファクト)です。
ふつうのチャットだと、表は会話の中に流れます。質問を続けるうちに、どんどん上へ行ってしまいますよね。Artifactsに置いた表は、1枚の資料としてそこに残ります。
助かるのは、直すときです。
- 「法改正への対応の行を足して」と頼むと、表だけが書き換わる
- 自分でその場にタイプして直すこともできる
- 「表の中だけ直して」と添えると、チャットに長い説明が流れない
できあがった表は、そのまま人に見せられます。共有のしかたはプランで分かれます。
- Free・Pro・Maxのプラン
「Publish(公開)」ボタンで公開リンクを作れます - Team・Enterpriseのプラン
「Share」ボタンから「Share & copy link」を選ぶと、組織の中だけで見られるリンクになります
所長に見せて「この軸も足してほしい」と言われたら、その場で書き足して、もう一度見てもらえます。表を作り直してメールに添付する往復が減ります。
Artifactsを使う前に、設定をひとつだけ確かめてください。オンにするのは「Code execution and file creation」という項目で、Free・Pro・Maxのプランなら設定画面の「Settings > Capabilities」から開けます。Team・Enterpriseのプランでは、組織の設定にある「Organization settings > Capabilities」に同じ項目があります。
リンクを作る前に、中身も見直しましょう。公開リンクは、URLを知っている人なら誰でも開けます。顧問先の名前や、まだ社外に出せない金額が入った表は、公開しないでください。公式ヘルプによると、Artifactを共有すると、見た人が元の会話の添付ファイルまで開ける場合があります。
検討が長引くなら、Projectsに資料をためる
導入の検討は、1日では終わりませんよね。候補が増えたり、見積もりが届いたりして、話は何週間か続きます。そこで使えるのがProjects(プロジェクト)です。案件ごとにチャットをまとめておける場所で、次の2つを一緒に置いておけます。
- ナレッジベース
参考にしたい資料をアップロードしておく置き場 - プロジェクト指示
そのプロジェクトの中だけで効く、答え方のルール
この2つは、そのプロジェクトのどのチャットからも使えます。会計ソフトの入れ替えなら、こんな形です。
- Claudeのサイドバーから「Projects」を開く(直接開くなら claude.ai/projects)
- 右上の「+ New Project」を押して、「会計ソフトの入れ替え」と名前を付ける
- プロジェクト指示に「初期費用・仕訳入力の手間・法改正への対応の3つの軸で答えて」と書く
- 候補の資料や届いた見積もりを、ナレッジベースに入れる
こうしておくと、新しいチャットを始めても、毎回同じ前提を書き直さずに済みます。「候補にCを足したら表はどうなる?」と、同じ軸のまま聞き直せます。
あるチャットで話した内容は、別のチャットへ自動では引き継がれません。次のチャットでも使いたい結論は、要約してナレッジベースに入れておいてください。
作れるプロジェクトの数はプランによって違い、2026年7月29日時点の公式ヘルプでは、Free($0)は最大5プロジェクトまで、Pro($20/月)以上は無制限と案内されています。Team・Enterpriseのプランなら、プロジェクトを組織のメンバーと共有でき、閲覧・編集の権限も決められます。
共有するときは、見える範囲に注意してください。各チャットは手動で共有するまで非公開ですが、ナレッジベースに入れた資料は共有相手が使える範囲に入ります。プランごとの条件も改定されます。実際に共有する前に、記事の最後の「参考ソース」の公式ヘルプで確かめてください。
やってみよう
同じテーマでも、聞き方ひとつで返ってくる答えは変わります。3つのビフォー・アフターで、その差を見てみましょう。
例1: 会計ソフトの候補を2つに絞って相談する
ビフォー
会計ソフトのAとB、どっちがいい?
これだと「事務所の規模によります」のような答えで終わりがちです。
アフター
会計ソフトのAとBを、以下の3つの軸で比較表にしてください。
- 初期費用と月額の考え方
- 仕訳入力にかかる手間
- 法改正があったときの対応の速さ
表は「軸 / A / B」の3列で、各セルは1〜2行で簡潔にお願いします。
軸を3つ挙げて、表の列の並びと、各セルの分量まで指定しました。ここまで書けば、返ってくる形はほぼ決まります。
例2: 事務所の事情をふまえて選ぶ
ビフォー
結局どっちがおすすめ?
理由が見えないので、「なんとなくAかな」という弱い答えになりがちです。
アフター
うちは職員3人の事務所で、顧問先は個人事業主が中心です。
記帳のもとになる資料は、顧問先ごとにバラバラの形で届きます。
この条件だと、AとBのどちらが向いていますか?判断の理由を3つ挙げてください。
また、逆に「こういう事務所ならBのほうが向いている」という反対のパターンも教えてください。
自分の状況、理由の数、反対のパターン。この3つがそろっているので、かたよりのない判断材料が出てきます。
例3: 委託先をメリットとデメリットで見比べる
ビフォー
AとBの違いを教えて
どの方向の違いを知りたいのかが伝わらないので、ぼんやりした説明になりやすくなります。
アフター
記帳代行の委託先AとBについて、それぞれのメリットを3つ・デメリットを3つ、表形式で挙げてください。
列は「項目 / メリット / デメリット」で、行をAとBの2行にしてください。
挙げてもらう数、表の列と行の並び。ここまで決めたので、見比べやすい形で返ってきます。同じ材料でも、聞き方だけでここまで変わります!
よくある質問
- Q. ClaudeにAとBを比べてもらうとき、どう頼めばいいですか?
- A. 比べる軸を自分で決めて渡し、表の形で出してもらいます。「初期費用・仕訳入力の手間・法改正への対応の3つの軸で比較表にして」のように書くと、見比べられる形で返ってきます。
- Q. Claudeの比較表が出たあと、何を聞き足すといいですか?
- A. 自分の状況を伝えて、向き不向きを聞きます。判断の理由と、逆にどんな場合なら反対側を選んだほうがいいかも一緒にたずねると、判断材料がかたよりません。
- Q. Claudeで作った比較表を、そのまま人に見せられますか?
- A. Artifactsに置いた表なら見せられます。Free・Pro・Maxは「Publish」で公開リンク、Team・Enterpriseは「Share」から組織の中だけで見られるリンクを作れます。公開リンクはURLを知る人なら誰でも開けます。
- Q. Claudeの比較表の中身は、そのまま信じていいですか?
- A. 料金・機能・対応状況は、そのまま信じずに確かめてください。候補の公式サイトを開き、料金ページと機能のページで元の数字を見ます。整理はClaude、決めるのは自分という分担が安全です。
公開: 更新: ✓ 公式情報と照合:
参考ソース
- Claude Docs - Be clear, direct, and detailed(公式情報)
- Claude Docs - Use examples (multishot prompting) to guide Claude's behavior(公式情報)
- Anthropic Blog - Best practices for prompt engineering(公式情報)
- Claude Help Center - What are artifacts and how do I use them?(公式情報)
- Claude Help Center - Publish and share artifacts(公式情報)
- Claude Help Center - What are projects?(公式情報)
- Claude Help Center - How can I create and manage projects?(公式情報)
- Anthropic公式 - Claude(公式情報)
この教科書は無料で全文公開しています。仕事で使えるところまで進みたい方は、実習と資料がそろった生徒プランをどうぞ。
あわせて読みたい
- ChatGPT | 基本の使い方約7分
ChatGPTで複数の選択肢を比較してもらう書き方
「どっちがいい?」とだけ聞くと、答えはぼやけます。比べる観点を自分で決めて表で出してもらい、その表をCanvasで開いて行ごとに直していく進め方を、お店の道具選びを例にやさしく解説します。内容を見る - Grok | 基本の使い方約9分
Grokで複数の選択肢を比較してもらう書き方
「A案とB案、どっちがいい?」をGrokに頼むときのコツ。比べる軸を先に決めて「表にして」と足すと比較表が返ってきます。公式サイトの数字とX上の生の声を1つの表に並べる方法も解説します。内容を見る - AI基礎 | AIの種類と仕組み約6分
ChatGPT・Claude・Gemini・Grokの関係
ChatGPT・Claude・Gemini・Grokは、作っている会社も中のモデルも別々のサービスです。会社の名前・モデルの名前・私たちが開く画面の名前がどうつながっているのかを一覧にまとめました。内容を見る