GPT とは(OpenAIのモデル名)
この記事は約7分で読めます
ざっくり言うと
GPT(ジーピーティー)とは、OpenAIが開発している基盤モデルのシリーズ名です。基盤モデルというのは、いろいろなサービスの土台として使われるAI本体のことだと思ってください。
名前は、Generative Pre-trained Transformerという英語の頭文字を並べたものです。「生成する」「事前に学習した」「Transformerという構造を使う」という、もともとの設計の考え方がそのまま名前になっています。
GPTは、ひとつの決まった製品の名前ではありません。世代や用途の違うモデルがいくつもあります。提供中のモデル名、扱える入力と出力、使えるツール、料金は、そのつど更新されます。
ツールの紹介や見積書で「GPT搭載」という言葉を見かけたことはありませんか。あれは「このシリーズのどれかを使っています」という程度の説明です。どのモデルかまでは、その一言では分かりません。
イメージ
ですから、GPTとChatGPTは同じものではありません。ChatGPTは、Webやアプリから使うAIアシスタントのサービスです。
GPTモデルのほうは、そのChatGPTを支える側で使われるほか、APIを通して自分の会社のアプリに組み込むこともできます。
正確には
GPTという3文字は、次の3つの言葉の頭文字です。
| 単語 | 意味 | この名前で表していること |
|---|---|---|
| Generative | 生成する | 入力に応じて新しい出力を作る |
| Pre-trained | 事前学習した | 個別の依頼を受ける前に、広いデータからパターンを学ぶ |
| Transformer | モデル構造の名前 | Attentionという仕組みを中心にしたニューラルネットワークを使う |
OpenAIが最初に出したGPTの論文では、次の2つを組み合わせました。ラベルのついていない大量の文章で言語モデルをまず学習させ、そのうえで個別の作業向けに追加の調整をする、という進め方です。
その後のモデルでは、学習のやり方も、扱える入力と出力も、使えるツールも広がりました。頭文字の意味が分かっても、いま提供されているモデルの仕様までは、そこから決まりません。
Transformerという構造と、次の言葉を当てるしくみ
Transformerは、2017年の論文『Attention Is All You Need』で発表されたモデル構造です。文章のどの部分とどの部分が関係しているかを、Attentionという仕組みで扱います。この論文は、順番に並んだデータを効率よく処理できることを示しました。
GPT系の文章づくりでは、トークンの並びをもとに、次のトークンを予測する処理が土台になります。トークンは、文章を細かく区切ったかたまりのことです。
「次の単語を当てている」と説明されることもありますが、トークンと単語は必ずしも同じではありません。
ただし、次のトークンの予測だけでGPTの振る舞いを説明し切ることはできません。追加の学習、答えを出すまでの処理、画像の入力、検索やコードの実行など、組み合わされる機能はモデルや製品ごとに違います。
GPTはLLMの一種で、LLMのすべてがGPTではありません
GPTは、OpenAIが開発しているモデルのシリーズ名です。LLM(大規模言語モデル)全体を指す一般名ではありません。
| 開発元 | モデルシリーズの例 |
|---|---|
| OpenAI | GPT |
| Anthropic | Claude |
| Gemini | |
| Meta | Llama |
「GPTはLLMの一種で、LLMのすべてがGPTではない」と覚えておくと、話が混ざらずにすみます。
なお、GPTモデルには画像や音声も扱えるものがあります。「GPTは文字だけ」とも限りません。
使う場面
「GPT対応」と書いてあっても、中身はまちまち
GPTには、世代、性能、用途、提供が始まった時期の違うモデルがあります。名前が似ていても、入力できる形式、使えるツール、出力の上限、知識カットオフ、いま使える状態かどうかは、同じとは限りません。
GPTとChatGPTの違い
| 項目 | GPT | ChatGPT |
|---|---|---|
| 正体 | OpenAIのモデルシリーズ | OpenAIのAIアシスタントサービス |
| 主な利用経路 | APIやOpenAI製品の内部 | Web、デスクトップ、モバイルアプリ |
| 含まれるもの | 学習済みモデルとその能力 | 会話画面、ファイルや画像の扱い、各種ツールなど |
| 更新の単位 | モデルの追加・更新・廃止 | 製品の機能、画面、利用プランなど |
公式の情報を読むときは、何についての更新なのかを分けると迷いません。
- モデル名・性能・知識カットオフのこと→OpenAI APIのモデルページ
- ChatGPTの画面・機能・プランのこと→ChatGPTの公式ヘルプ
- 自分の会社のアプリへの組み込み方→OpenAI APIの開発者向けドキュメント
ChatGPTに表示されるモデルや機能と、APIで指定できるモデルは、同じ一覧とは限りません。ChatGPTの更新のお知らせをAPIの仕様として読んだり、APIのモデル名だけでChatGPTの画面の機能を決めつけたりしないでください。
注意点
関連用語
- LLM(大規模言語モデル) — 文章を扱うAI本体の大きな分類。GPTもその一種
- Transformer — 名前のTに当たるモデル構造
- トークン — モデルが文章を処理するときの単位
- 生成AI — 新しい内容を作り出すAIの総称
- API — プログラムからモデルを呼び出すための窓口
やってみよう
よくある質問
- Q. GPTとは何ですか?
- A. OpenAIが開発している基盤モデルのシリーズ名です。Generative Pre-trained Transformerの頭文字で、生成する・事前に学習した・Transformerという構造を使う、という設計の考え方が名前になっています。
- Q. GPTとChatGPTは同じものですか?
- A. 別ものです。GPTはエンジンにあたるモデルのシリーズ、ChatGPTは会話画面や履歴、各種ツールを組み合わせた、Webやアプリから使うサービスです。
- Q. 「GPT対応」と書かれていたら、何を確かめればいいですか?
- A. どのモデルを使うのかを相手に聞いてください。GPT対応は「シリーズのどれかを使っています」という程度の説明で、入力できる形式も使えるツールも、モデルによって違います。
- Q. GPTと大規模言語モデルは同じ意味ですか?
- A. 違います。GPTはLLMの一種ですが、LLMのすべてがGPTではありません。開発元ごとに別のモデルシリーズがあり、GPTはそのうちOpenAIのものを指します。
公開: 更新: ✓ 公式情報と照合:
参考ソース
判断クイズ
「GPT対応」と言われたとき、何を確かめればよいか分かりますか?
3問です。答えるとその場で解説が出ます。全問終えたら、「回答を記録する」で学習の記録に残せます。
全問に答えると、回答を記録できます。
残るのは「答えたかどうか」だけで、正解数は保存されません。この端末の中だけに残り、別の端末には引き継がれません。
この教科書は無料で全文公開しています。仕事で使えるところまで進みたい方は、実習と資料がそろった生徒プランをどうぞ。
あわせて読みたい
- AI基礎 | 用語集約6分
LLM(大規模言語モデル)
LLM(大規模言語モデル)とは何かを、用語集としてやさしくまとめました。モデルとAIサービスの違い、Transformerやトークンとの関係、モデルを比べるときに見るところまで整理しています。内容を見る - AI基礎 | AIの種類と仕組み約6分
ChatGPT・Claude・Gemini・Grokの関係
ChatGPT・Claude・Gemini・Grokは、作っている会社も中のモデルも別々のサービスです。会社の名前・モデルの名前・私たちが開く画面の名前がどうつながっているのかを一覧にまとめました。内容を見る - Grok | つまずきやすいポイント約6分
Grokで同じ質問なのに違う答えが返ってくる理由
「前回と同じ質問なのに答えが違う」「家族と自分で答えが違う」——Grokの答えが変わる理由を、確率的な生成、会話の流れ、検索した結果、モデルの更新、X上でのパーソナライズに分けて、やさしく説明します。内容を見る - Gemini | つまずきやすいポイント約6分
Geminiで同じ質問なのに違う答えが返ってくる理由
「前と同じ質問なのに、答えが違う」「家族と私で答えが違う」。Geminiが毎回少し違う返事をするのは、壊れているからではなく、そういう仕組みだからです。理由と上手な付き合い方をやさしく解説します。内容を見る