多くの LLM は「次の言葉」を予測する仕組み
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ざっくり言うと
多くのLLM(大量の文章を学習した言語モデル)は、次に来そうな言葉を確率で選び、1つだけ書き足すという作業を、文章の終わりまで繰り返しています。
国語の穴埋め問題を、目にも留まらない速さで解き続けているようなものです。
ここが分かると、AIが事実と違うことを平気で書いてしまう理由も、同じ質問なのに答えが変わる理由も、すっと腹に落ちます。
ChatGPT・Claude・Gemini・Grokといった会話サービスは、この言語モデルに追加学習や検索、外部ツールを組み合わせて動いていることがあります。それでも土台にあるのは、言葉を一つずつ足して文章を伸ばしていく動きです。ここを知っておくと、AIの話がぐっと分かりやすくなります。
イメージ
正確には
同じことは、各社の公式ドキュメントにも書かれています。
| 出典 | 説明の要点 |
|---|---|
| IBM | LLMの文章生成は、与えられた文脈をもとに次に来る単語やトークンを予測する流れ |
| Google(機械学習用語集) | 自己回帰型の言語モデルは、それまでのトークンから次のトークンを予測する |
| NVIDIA | Googleと同じく、次のトークンを予測すると説明 |
| OpenAI | ChatGPTを支えるモデルは、学習したパターンを使って次に来そうな語を1語ずつ予測する |
| Anthropic | Claudeの土台となる自己回帰モデルは、次の語を予測するよう事前学習される |
つまり「次の言葉を予測する」のは、特定の1社だけの話ではありません。多くのLLMに共通する、基本の動きです。
ここでいう「自己回帰型」とは、それまでに出た言葉を手がかりに次を予測するやり方のことです。ただし、すべての言語モデルが同じ作り方をしているとは限りません。ここから先は、この自己回帰型を前提に話を進めます。
文章ができるまでの4つの段階
自己回帰型のLLMが文章を作るときは、ざっくり4つの段階を踏みます。
| 段階 | していること |
|---|---|
| ① 入力 | こちらが書いたプロンプト(質問・指示)を受け取る |
| ② トークン化 | 受け取った文章を「トークン」と呼ぶ細かい単位に切り分ける |
| ③ 予測 | 直前までのトークンをもとに、次に来るトークンの確率を計算する |
| ④ 出力とループ | 確率をもとに1つ選んで文末に足し、また③へ戻る |
「予測」の中身をのぞくと、確率の一覧が出てくる
AIの中では、次に来る言葉が「これだ」と1つに決まっているわけではありません。「晴れ:40%、雨:30%、曇り:20%、最高:5%……」というように、候補ぜんぶに確率が振られた状態が、いったんできあがります。これを確率分布と呼びます。
そのうえで、決められたやり方に従って1つを選びますが、選び方は主に2通りです。いちばん確率の高い候補を選び続ければ出力は安定しやすく、確率に従ってその都度選べば出力にばらつきが出ます。
ただし、設定が同じでも、処理する環境などの違いで、まったく同じ文章になるとは限りません。
使う場面
触っていて感じる、3つのモヤモヤの正体
「次の言葉を確率で選び、つなげていく」。この動きが分かると、AIを使っていて引っかかるところの多くに、説明がつきます。
1つめは、同じ質問なのに毎回ちょっと違う答えが返ってくることです。AIは、学習したパターンと会話の流れから文章を組み立てます。選び方に確率が絡むぶん、選ばれる言葉が変わり、文章全体も変わります。
2つめは、自信ありげに事実と違うことを書いてしまうことです。これはハルシネーションと呼ばれます。次の言葉を予測するだけでは、その内容が事実かどうかまでは確かめられません。検索や外部の情報を使う機能があっても、誤りをゼロにはできません。
3つめは、「もう少しカチッとさせて」「もう少し砕けた感じで」という頼み方が効く理由です。指示で文脈が変わると、次に来る言葉の確率そのものが変わります。「丁寧に」と伝えれば「ございます」が出やすくなり、「カジュアルに」と伝えれば「だよね」が出やすくなる、というわけです。
会話サービスの答えには、言語モデルだけでなく、追加学習や検索、外部ツールも影響します。まずは「多くのLLMは、次の言葉の予測を繰り返して文章を作っている」と覚えておけば十分です。ニュースを読むときも、使い勝手の話をするときも、迷わなくなります。
注意点
やってみよう
同じ質問を2〜3回投げてみる
ここまでで、「多くのLLMは次の言葉の予測を繰り返している」「自然な文でも、事実とは限らない」の2つがつかめれば十分です。次の記事では、もう一歩だけ踏み込んで、LLMが得意なジャンルと苦手なジャンルの見分け方を整理します。
よくある質問
- Q. AIが自信ありげに事実と違うことを書くのは、なぜですか?
- A. 次に来そうな言葉を確率で選んでいるだけで、その内容が事実かどうかまでは確かめていないためです。検索や外部の情報を使う機能があっても、誤りをゼロにはできません。
- Q. 同じ質問なのに、答えが毎回違うのはなぜですか?
- A. 次の言葉を確率にもとづいて選んでいるためです。その都度選び直すぶん、選ばれる言葉が変わり、文章全体も変わります。設定が同じでも、まったく同じ文章になるとは限りません。
- Q. 「もっと丁寧に」と頼むだけで文章が変わるのは、なぜですか?
- A. 指示で文脈が変わると、次に来る言葉の確率そのものが変わるためです。丁寧にと伝えれば「ございます」が出やすくなり、カジュアルにと伝えれば「だよね」が出やすくなります。
- Q. AIの答えは、どこを重点的に確かめればいいですか?
- A. 数字・固有名詞・日付・法律の話です。答えに出てきた制度名や会社名をそのまま検索し、発表元の公式ページに同じ記述があるかを見比べてください。
公開: 更新: ✓ 公式情報と照合:
参考ソース
- IBM - What are large language models (LLMs)?(公式情報)
- Google for Developers - Machine Learning Glossary(公式情報)
- NVIDIA Glossary - Large Language Models(公式情報)
- OpenAI - How ChatGPT and our foundation models are developed(公式情報)
- Anthropic Docs - Glossary(公式情報)
- Google AI for Developers - Gemini prompting strategies(公式情報)
判断クイズ
同じ質問なのに毎回答えが変わる理由を、説明できますか?
3問です。答えるとその場で解説が出ます。全問終えたら、「回答を記録する」で学習の記録に残せます。
全問に答えると、回答を記録できます。
残るのは「答えたかどうか」だけで、正解数は保存されません。この端末の中だけに残り、別の端末には引き継がれません。
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