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AIってそもそも何?

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ざっくり言うと

朝いちばんに受信箱を開くと、広告らしいメールはもう「迷惑メール」へ移されています。写真アプリで「犬」と打てば、何年も前の一枚まで並ぶ。どちらもAI(人工知能)の仕事です。

とはいえ、画面の奥で人型の機械が考えているわけではありません。やっているのは、材料を受け取り、決められた仕事をして、結果を返すことだけです。

だからAIは製品の名前ではなく、人が決めた目的に向かって予測や提案、判断などを行う技術をまとめた呼び名です。ここが分かると、「AI搭載」という言葉に振り回されなくなります。

イメージ

迷惑メールをよけるAIは、文章を書いていない

迷惑メールの機能は、届いた文面と送信元を手がかりに、ふつうのメールかどうかを見分けます。返してくるのは新しい手紙ではなく、「迷惑メールらしい」という判定です。だからこそ、大切な案内まで移されていないか、ときどき迷惑メールの箱をのぞきますよね。

写真アプリの検索も似ています。犬や海らしい特徴があるかを調べ、打ち込んだ言葉に合いそうな写真を並べる。1枚ずつ名前を付けなくても探せる代わりに、猫を犬と見間違えることもあります。

この2つに共通するのは、材料を受け取り、目的に沿った仕事をして、結果を返すという流れです。表にすると、目に見えない機能でも中身を言葉にできます。

入力(受け取るもの)処理(する仕事)出力(返すもの)
迷惑メール届いた文面と送信元ふつうのメールか見分ける「迷惑メールらしい」の判定
写真の検索打ち込んだ言葉と写真特徴が合うか調べる条件に合いそうな写真

正確には

「人間そっくり」ではなく、目的と結果を見る

AIという言葉は、資料や場面によって定義に幅があります。一文で囲いきるのは、正直なところ難しい。それでもNISTのAI用語集は、人が決めた目的に対して予測・提案・判断などを行う機械システム、と定めています。見ているのは会話の上手さではありません。目的と結果です。

  • 地図アプリ — 混み具合から到着時刻を予測する
  • 通販サイト — 閲覧履歴から商品をすすめる
  • 決まった時刻に照明を消す設定 — 自動で動くが、AIとは限らない

前の2つはおしゃべりをしませんが、人が決めた目的をきちんと助けています。逆に、自動で動けばAIというわけでもありません。

「AIは人間の知能をまるごと再現したもの」と覚えてしまうと、実物より大きく見えます。この教科書では、予測や判定、文章作成といった特定の仕事を助ける技術として扱います。

では、そのAIは人と同じように考えているのでしょうか。この問いはAIは「考えている」のかで丁寧に見ていきます。

機械学習は、例から傾向をつかむやり方

ここまでの「AI」は、かなり広い呼び名です。その実現方法の1つが機械学習。たくさんの例から傾向を学び、初めて見る材料の予測や判定に生かします。

迷惑メールの見分け方を、人がすべて書き並べるのは大変ですよね。そのかわりに、過去の例から見分け方を少しずつ調整していく。それが機械学習のやり方です。

IBMの用語比較でも、機械学習はAIに含まれる分野と説明されています。AIの別名ではなく、AIを実現する方法の一部。昔からあるAIには、人が細かな規則を先に書いて動かすものもありました。

くわしい仕組みは機械学習って何?に譲ります。ここでは「過去の例から見つけた傾向を、新しい材料へ使う方法」と覚えておけば十分ですよ。

深層学習は、機械学習の中にある

スマホに何千枚も写真があると、色や輪郭の単純な決まりだけで犬と猫を見分けるのは難しくなります。そこで使われるのが深層学習(ディープラーニング)です。機械学習の一分野で、何層にも重なった計算を通し、画像や音声、文章の複雑な特徴を学びます。

大きい順にたどると、こういう入れ子の形になります。

  • AI — 目的に向けて予測・提案・判断などを行う技術の総称
    • 機械学習 — 例から傾向をつかむ方法
      • 深層学習 — 何層もの計算で複雑な特徴を扱う方法

AI・機械学習・深層学習の関係図も、ここまで読んだ後ならすっと見えるはずです。

ただし、深層学習を使っていれば必ず正しい、ということはありません。写真の光や角度が学んだ例と大きく違えば、判定を外します。仕組みが高度になっても、結果を人が確かめる出番は残ります。

生成AIは、方法ではなく役割の名前

生成AIは、指示や資料をもとに、文章、画像、音声、動画、コードなどを新しく組み立てるAIです。写真を「犬」と判定する機能と、犬の絵を作る機能。同じAIでも、仕事がまるで違います。

判定・予測するAI

写真を「犬」と見分ける、到着時刻を当てる、迷惑メールをよける。決められた候補や数値から答えを返します。

確かめる場所:見逃しや誤判定がないか

生成AI

散らかったメモからチェックリストを作る、文章や画像を新しく組み立てる。もとになかったものを作ります。

確かめる場所:元の事実や数字と合っているか

IBMの生成AI解説は、生成AIが文章や画像などを作り、多くの場合は深層学習のモデルを使うと説明しています。つまり「生成AI」が伝えているのは方法ではなく、新しい内容を作るという役割のほうです。実例は生成AIとは何かで確かめられます。

使う場面

同じスマホの中にも、違う仕事が並んでいる

写真アプリ1つでも、機能ごとに仕事が違います。

機能仕事の種類気をつけて見るところ
似た顔をまとめる見分け別人が混ざっていないか
暗い写真を明るくする調整色が不自然になっていないか
不要な物を消して背景を補う生成消した跡に変なものが描かれていないか

製品名だけでは、ここまでの違いは分かりません。仕事でも同じです。売上の見通しを数値で返すAIと、お店の張り紙を作るAI。間違えたときの困り方が変わります。予測値なら過去の実績との差を見て、張り紙なら営業時間や日付が元のメモどおりかを読み直す。

AIを選ぶときは、「有名な製品か」より先に、いまの用事で何を返してほしいかを言葉にしてみてください。判定か、予測か、おすすめか、新しい下書きか。そこがはっきりすれば、使う機能も確かめ方も決まります。

締めに

「AI搭載」と書いてあったら、中身を確かめる

この記事の要点は3つです。

  1. AIは、目的に向けて予測や提案、判断、生成などを行う技術をまとめた呼び名。人のような1つの頭脳ではない
  2. AIの中に機械学習、その中に深層学習。「生成AI」だけは方法ではなく役割の名前
  3. 判定するAIと作るAIでは、人が確かめる場所が変わる

次に「AI搭載」と書かれた機能を見かけたら、何を受け取り、何をして、何を返すのかを確かめてみてください。まずは受信箱か写真アプリの機能を1つ選び、その仕事を自分の言葉で一文にするところから始めましょう。

やってみよう

よくある質問

Q. AI搭載と書かれた機能は、何を確かめれば中身が分かりますか?
A. 何を受け取り、何をして、何を返すのかの3つです。迷惑メールの機能なら、届いた文面と送信元を受け取り、ふつうのメールか見分け、判定を返す、と一文にできます。
Q. 自動で動く機能は、すべてAIですか?
A. 違います。決まった時刻に照明を消す設定のように、自動で動いてもAIとは限りません。人が決めた目的に対して予測や提案、判断などを行うかどうかで見ます。
Q. 会話をしない機能でも、AIと呼ぶのですか?
A. 呼びます。地図アプリが混み具合から到着時刻を予測するのも、通販サイトが閲覧履歴から商品をすすめるのもAIの仕事です。会話の上手さではなく、目的と結果で見ます。
Q. 判定するAIと文章を作るAIでは、確かめる場所が変わりますか?
A. 変わります。判定や予測なら見逃しや誤判定がないか、生成なら元の事実や数字と合っているかを見ます。同じ製品でも、いま使っている機能ごとに確かめてください。

公開: 更新: ✓ 公式情報と照合:

参考ソース

判断クイズ

「AI搭載」と書かれた道具を、任せてよいか見分けられますか?

3問です。答えるとその場で解説が出ます。全問終えたら、「回答を記録する」で学習の記録に残せます。

1. 経費精算のソフトに「AI搭載」と書いてありました。導入する前に、まず確かめることは?
2. AIに2つの仕事を頼みました。「請求書から金額を読み取る」と「お礼メールの下書きを作る」。人が確かめる場所は同じでしょうか?
3. 同僚に「機械学習ってAIとは別物なの?」と聞かれました。どう答えますか?

全問に答えると、回答を記録できます。

残るのは「答えたかどうか」だけで、正解数は保存されません。この端末の中だけに残り、別の端末には引き継がれません。

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