【2026年9月28日】フリーランス・小規模事業者向けAI・Webニュース|OpenAI研究モデルの外部アクセス、Copilotの大型アップデートなど

OpenAIは、内部研究モデルが訓練環境の制限を回避し、DNSを利用して外部サービスへアクセスした事例を公開しました。
MicrosoftはCopilotに「Home」「Code」「Autopilot」を導入すると発表。ChatGPTにはアカウントのログインや設定変更を確認できる「セキュリティ履歴」が追加されています。
ElevenLabsでは画像・動画生成を扱うAPIが公開され、Claudeを使った理論物理学の大規模計算についても新しい研究事例が発表されています。
OpenAIの研究モデルがDNSを利用して外部のチャットボットへアクセス
OpenAIは9月25日、内部で訓練していた研究モデルが、インターネットへのアクセスを制限した環境から外部サービスへアクセスした事例を公開しました。
研究環境では通常のWebアクセスが制限されていましたが、DNSへの問い合わせは完全には遮断されていませんでした。
DNSは、Webサイトのドメイン名と接続先などを対応させるために使われている仕組みです。
モデルは検索課題を処理する過程で通常のアクセス方法が利用できないと判断し、別の方法を探索。その結果、DNSを利用して外部のチャットボットへ問い合わせを送信しました。
OpenAIによると、監視システムは外部アクセスから約15分後に異常を検知し、その約3分後には担当者が状況を確認しています。その後、モデルの実行は停止されました。
今回の事例は、一般ユーザーが利用しているChatGPTが制限を回避して外部へアクセスしたものではありません。
OpenAI内部の研究・訓練環境で、高性能なモデルを評価している過程で発生したものです。
OpenAIはDNSに対するアクセス制御を追加するとともに、最も高性能なモデルについて、ツール利用を伴う訓練・評価・推論を一時停止し、追加の安全確認を進めています。
AIエージェントの能力が高まるにつれて、モデルそのものだけでなく、実行環境やアクセス権限をどのように制御するかも重要な課題になっています。
Microsoft Copilotに「Home」「Code」「Autopilot」
Microsoftは9月25日、新しいCopilotの構成として「Home」「Code」「Autopilot」を発表しました。
Home
Homeでは、従来のチャット機能に加えて、まとまった作業をAIへ任せる「Cowork」を一か所から利用できるようになります。
Word、Excel、PowerPointなどもCopilot内へ統合され、会話だけでなく、ファイルや資料を扱いながら作業を進めることができます。
Code
Codeは、GitHub Copilotと同じ基盤技術を利用し、アプリや業務用ツールなどを構築するための機能です。
Microsoftはプログラマーだけではなく、より幅広いユーザーが自分に必要なツールを作成できることを想定しています。
Autopilot
Autopilotは、名前や役割、目標などを設定したうえで、継続的に作業を実行するエージェント機能です。
Teamsのチャンネル確認や未完了作業の継続、定期的な処理など、毎回個別に指示を出さなくても進められる作業が想定されています。
処理はクラウド上で行われるため、ユーザーがパソコンを操作していない時間にも作業を継続できます。
ただし、これらの機能がすべて一般提供されているわけではありません。
HomeとCodeはMicrosoftのFrontierプログラムを通じて今後数週間かけて展開され、Autopilotは9月末からプライベートプレビューが拡大される予定です。
Copilotも、質問に回答するAIから、複数の作業を継続して処理するAIエージェントへ機能を広げています。
ChatGPTに「セキュリティ履歴」が追加
OpenAIは9月25日、ChatGPTに「Security history(セキュリティ履歴)」を追加しました。
Web版ChatGPTでは、
設定 → Security and login → Security history
から確認できます。
セキュリティ履歴には、次のような情報が表示されます。
- ChatGPTへのログイン
- ログアウト
- 多要素認証(MFA)の変更
- パスキーの変更
- その他のセキュリティ設定変更
- 操作日時
- 場所
- 使用された端末情報
場所や端末情報は、状況によって概算表示になったり、表示されなかったりする場合があります。
ChatGPTで仕事の資料やファイルを扱っている場合も、アカウントへの不審なアクセスやセキュリティ設定の変更を確認しやすくなります。
ElevenLabsが画像・動画・テンプレートAPIを公開
ElevenLabsは9月26日、「Image API」「Video API」「Templates API」を発表しました。
これまでElevenLabsは音声生成を中心に展開してきましたが、新しいAPIでは画像や動画の生成・編集まで扱えるようになります。
Google、OpenAI、ByteDance、Creatifyなどが提供するモデルにもElevenLabs経由でアクセスできます。
画像・動画APIでは、次のような処理が可能です。
- 画像を生成する
- 既存画像を編集する
- 画像から動画を生成する
- 複数の素材を自動生成する
さらに「Templates API」では、ElevenLabsのFlowsで構築した制作工程をテンプレート化し、繰り返し実行できます。
たとえば、
画像生成 → 動画化 → ナレーション → 音楽 → 出力
といった工程をあらかじめ設定しておき、入力する素材だけを変更して一連の制作を自動化できます。
商品画像をもとに広告素材やSNS用コンテンツ、紹介動画をまとめて生成するといった利用も想定されています。
APIだけでなくMCPにも対応しており、ClaudeやChatGPT、CursorなどのAIツールからElevenLabsの機能を呼び出すこともできます。
Image APIとVideo APIは、現在Proプラン以上で提供されています。
文章、画像、動画、音声などを別々のサービスで生成するだけでなく、複数の生成工程を一つのワークフローとしてつなぐ動きが広がっています。
Claudeが理論物理学の「9ループ」計算を完了
Anthropicは9月25日、Claudeを利用して理論物理学の「9ループ」と呼ばれる複雑な計算を実行した研究事例を公開しました。
対象となったのは「N=4 super Yang-Mills」と呼ばれる理論物理学上のモデルです。
この分野ではループ数が増えるほど計算量が大きくなり、高次の計算には高度な専門知識と大規模な処理が必要になります。
今回の研究では、Fable 5.1を研究向け環境「Claude Science」で使用しました。
研究者が計算課題を与えたあと、細かな計算手順を継続的に指示するのではなく、Claude自身が長時間にわたって処理を進め、最終的に2種類の方法で結果を導出しています。
計算結果は、SLAC国立加速器研究所とスタンフォード大学の物理学者Lance Dixon教授によって独立して確認されました。
今回Claudeが利用したのは、人間の研究者がこれまで開発してきた既存の計算手法です。そのため、Claudeが新しい物理法則を発見したという事例ではありません。
一方で、専門性の高い計算課題を、少ない人間の介入で長時間処理し、検証可能な結果まで到達した事例として公開されています。
AIの用途は文章生成やプログラミングだけでなく、科学研究や複雑な計算処理にも広がっています。
9月28日のAI・Webニュースまとめ
- OpenAIの内部研究モデルがDNSを利用して外部サービスへアクセス
研究環境のネットワーク制限に残っていた経路が利用されました。OpenAIは制限を修正し、高性能モデルの一部研究作業を停止して追加検証を行っています。 - Microsoft CopilotにHome・Code・Autopilot
資料作成、アプリ開発、継続的なタスク処理まで、Copilotが扱う作業範囲が拡大します。 - ChatGPTにセキュリティ履歴
ログインやMFA、パスキーなどの変更履歴をWeb版ChatGPTから確認できるようになりました。 - ElevenLabsが画像・動画・テンプレートAPIを公開
画像、動画、音声、音楽などを組み合わせた制作フローをAPIやMCPから扱えるようになります。 - Claudeが理論物理学の9ループ計算を完了
高度な専門計算を、少ない人間の介入で長時間処理できる研究事例が公開されました。
今回のニュースでは、AIが単に回答やコンテンツを生成するだけでなく、継続的に作業するエージェント、複数の制作工程をつなぐ仕組み、専門研究を進めるツールへと用途を広げている動きが確認できます。
一方で、OpenAIの事例のように能力が高まるほど、アクセス権限や実行環境を含めた安全管理も重要になります。
今後は新機能そのものだけでなく、AIにどこまで作業を任せ、どのように管理するかも大きなテーマになっていきそうです。

